順調な小銭募金。この度の災害への募金箱を設置しているところも。わずかではあるが、いつも以上に気持ちを込めて。週末はビックプロジェクトが終了。少し時間が空いたので、喫茶店でコーヒーを飲みながら読書。凡師にしては珍しく一冊を読了。とても贅沢な時間。やはり読書はいい。次なる本は、藤城清治さんの作品集「光の祈り」。美術の成績「2」の凡師が心から感動した藤城さんの影絵。「作品集ってこんなに高いの?」と思いながらも、ビックプロジェクト終了の解放感も手伝い、「エイヤッ」と購入。
中身をめくってみると、やはり素晴らしい。ずっと持っておきたい本に出会えた。
ヨーロッパではベビーカーで電車に乗ると場所を譲ってくれるのに、日本だと嫌な顔をされるなど、うんざりするような厳しい目線がある。なんで日本の社会はこんなに赤ちゃんと母親に不寛容なのか?という疑問がずっとある。
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答えは複数あって、どれもその通りだと思う。最近なるほどと思ったのは、日本はマイノリティ(少数派)に厳しい、という説。少子化が進む日本で赤ちゃんの占める割合は1%以下、圧倒的に少数派。少ないので社会が理解を示さないとも言えるが、同時に「多数派にあわせよ」という日本的風土が厳しい眼差しを生んでいるのでは、と。そうするとマイノリティであるところの赤ちゃんと母親は家にこもらざるを得ないんじゃないか、と感じた。
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社会にマイノリティの居場所がないことは、いろいろな面で感じる。そうした意識を作り出す背景には、社会の構造的な問題が必ず潜んでいる。誰にとっても生きやすい社会をつくることは簡単ではないけれど、まずはまめたの教育から取り組んでいきたい。
意外に質問が多いので一言。週末UPの「腹ペコ日記」と「一寸凡師の隙間コラム」の作者は、波風立男と別人。一寸凡師さんは40代のパパ。腹ペコさんは30代のママ。前者は約5年、後者は1年半書いてもらってる。内容もだが、「今週はお休み」が一度も無いことが凄い。本ブログの誇る座付きエッセイスト。
買いそびれ通販で手に入れた「ビッグコミックオリジナル 戦後70周年増刊号」(15.8.30 小学館)。表紙のコピー「あの戦争の未来を生きる、すべての私たちへ」、期待以上だ。水木しげる、滝田ゆう、山上たつひこ、さそうあきら、井上洋介…無着成恭、横尾忠則…涙の出る豪華さ。言葉で表現できない豊かな「情」が、戦争と人間を描く漫画でこれでもかというように。この一冊は持ち出し禁止枠に格納。
出張中に読んだ「憲法と平和を問いなおす」(長谷部恭男著:ちくま新書)。筆者は先日の国会参考人意見陳述で「安保法案は違憲」を明晰な論理で断じたこの国を代表する憲法学者。情緒や感情と一線を画した民主主義、立憲主義、平和主義を論じ憲法と平和を冷静に考えさせる。「理」の世界に浸る感覚で読む、終章が見事。電車で時々居眠りしつつ18時間。
朝日歌壇(7日)にあった歌、「総理大臣からその国をまもらねばならないといふこの国の危機」。原発やTPP、そして安保法案、加えて消費増税、ひどい話がこれでもかこれでもかと続く。だが、何となく別の胎動が聞こえるような気もするこの頃。
夏休みが終わる。急いで、絵本「宮沢賢治『旭川。』より」(文・画 あべ弘士:BL出版)、「のんのんばあとオレ」(水木しげる著:ちくま文庫)、「他人の足」(大江健三郎著:新潮文庫)など読む。


謙虚な姿勢
人間は発達の可能態。いくつになっても成長することができる。とはいっても、歳を重ねるごとに、誰かから教わったり学んだりする機会は減っていくように思う。
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一定年齢を過ぎたあとも成長しようとするには、謙虚さが必要になる気がする。それはたとえば、「教わる度量」と表現してもいいかもしれない。少しずつ年を重ね、自分が教える立場になるうちに、誰かにたずねたり教わったりする謙虚さが失われていくんじゃないか。それまでの経験だけでなにごとも語れるような、そんな気になってしまったりするんじゃないだろうか。そんなことを考えた一ヶ月だった。
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まだ若いはずの腹ぺこは、人から教わることが苦手だったりするので、特に注意が必要だ。誰かや何かから学べる謙虚な姿勢を、忘れずに鍛えていきたい。