波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

鬱(うつ)の時代に暮らす【中】

2019年09月17日 | 日記・エッセイ・コラム

(前回から続く)
風立男氏は、たいていの人がそうであるように、自分を鈍感とは思っていない。一番身近なママヨさんからは、『なんて面倒くさい奴なんだ』とちゃんと言われている(😄)。本当は「繊細」とか「こだわり」と書きたいが、鼻で笑われるので現実世界で言われている「面倒臭い奴」にした。目を見て(挑戦的に)、口に出して(口を尖らせて)、断定的に(文字通り面倒くさそうに)「面倒臭い奴」と言うんだよ(涙)。その口で「波風は引きこもり中です」なんてことを平気で言いふらしているんですよ(怒)。
 

の立男君は、心に向かってくるストレスは何とか誤魔化して生きてきた、というか(後でちゃんと悩むから今はスカしておく、と)押さえつけてきたが、その分、身体の方にストレスが溜まり、規則的に10年単位で破裂し続けてきた。20代、30代、40代、50代、60代のそれぞれで入院し半分は消化器系だから精神が原因のはず。痛くも痒くもないから、マジックで塗って隠したり、軟膏を塗ったが全く効果の無くかった全頭髪脱毛というのもあった。これはこれで、人間の意外性というか本質を大いに勉強する機会ではあった。
 
 
こからが偏見的な鬱病論なのだが、精神も肉体も元気な人間、とりわけそういう老人というのはどこか変だと思う。怪しい奴、妖怪だね(笑)。この時代の空気を人より多く吸い続けて、仕事も、家族も、健康も、お金も、何の心配も無い、という方は、他人のことを考えない、自分本位の奴に決まってる(笑)。逆に心配だらけだが心身ともにいたって健康というのも友だちになりたいとは思わない。妖怪老人から「波風氏はよく病気になるよね。俺は悪いとこなんか全然無いんだよね」と笑顔で言われて唖然としたことがある。兼好法師の友人観に全く同意する。
今回の波風新聞【面白荘】に『不良老人の原則』を載せたが、こんなふうに自分本位に暮らせたら鬱にはならない。その上、他人に迷惑かけないのだから理想的な老後だ。こういう半分本気で半分ふざけていて、とぼけているところがいいなあ。参考にした本の作者が、何度も何度も悲惨な目にあうところなんかは文章を面白くするために盛った分を差し引いても、悪くないなあ(笑)。※ところが、あえて失敗談をまとめたものや、グルメ、立身出世的な話になると全くいただけない。
(次回に続く)
 

 
今日の午後から数日は雨。『波風新聞 面白荘』の4号目を作ることにしよう いつも優しい気持ちで生き続けるのは難しい。試されるのは自分が辛い時、甘えられる人がいない時【お知らせ】このブログで、新しいエッセー『言葉のケイコ』の連載が始まります。執筆者は女性です。
コメント

鬱(うつ)の時代に暮らす【上】

2019年09月17日 | 日記・エッセイ・コラム
 
マヨさんは最近、「波風さんは引きこもり中です」と世間に言いふらしているらしい。「波風さんの顔を最近見ませんが、お元気なんですか?」と聞かれて、一番面倒臭くない説明だし、相手も「そうなんだ」ってそれ以上聞いてこないのよ、なんて笑ってる。それだと聞いた人が心配して困るから「機嫌良く家の周りで遊んでます」とか言ってくれよとお願いした。ふと、『鬱(うつ)』という言葉が浮かんだ。
これから書くことは、波風氏のとりとめも無い話。鬱で困っている方には全然役立たないことを最初に断っておく。
 
 
風氏は仕事柄、『温厚』の衣をかぶって生きてきた。気をつけないと何かの拍子に、取り返しの付かない言葉で罵倒したり、拳を振り回すかもしれないことを本人は自覚している。それは、年上の生意気な奴に向かうのが常だが、相当腹に据えかねると誰にでも向かう。歳とれば好々爺になれるだろうと楽観視していたが違った。むしろ逆。誰にも遠慮・配慮する必要がないし、怖いものがどんどん減るからだ。老人というのは、まともに考えると馬鹿みたいにつまらないことでも感情的に引っかかると暇だからいつまでも引きずる。活動面では絶対に負ける若者にだって、その点では圧倒的に勝てる(笑)。
 
 
風氏は、鬱病の方々から聞く症状を体験したことがない。彼の知っている鬱病の人たちは、人間的に優しく、礼儀正しく、素敵な人が多い。その分、「なぜ俺は鬱病にならないのか」と思う。俺だってかなりの苦難に遭っているはずだし、素敵なところだって少しはあるはずだし(苦笑)、辛いことに対して鈍感なのかもなんて思う。人間的で無く、無礼で、失うものを持たないのは事実だが、それを認めるのはあまりに悲しい。(次回に続く)



うつ【鬱】①心配などを紛らわすものが無く、心が晴ればれしない状態。「-を散ずる/憂-」②「鬱病」の略。←→躁(ソウ)。鬱の造語成分では、木が茂って空が見えず、草が茂ってむんむんする形容。「欝然、鬱蒼、鬱勃」〔新明解国語辞典〕画面のイラストは昨年の『KT2人展』で展示した『鬱の時代』(一部)今日は大工仕事、ランバーコアで食堂の展示壁増設。暖かいうちに、雨が来る前に。
コメント

大江健三郎を、また読み始めようと思う。

2019年09月16日 | 読書

日、大江健三郎著『燃えあがる緑の樹』を借りてくる。書架に無いので買って欲しいと申し出たら、奥の 保管庫から出してくれた。40年ぶりに覚悟決めて読む著者の長編だから、儀式みたいのが欲しくて6千歩の図書館往復をそれにした。途中の跨線橋から見えるスキー場では、スノーボード練習用の人工芝貼り付け工事が行われ、眼下の緑にはパークゴルフをしている人たちが小さく見えた。

の作家の本は、17~22歳までとても真面目に読み、それ以後は手に取ることがなかった。ノーベル賞受賞を嬉しく思いながら、「仕事を全部終えたら、また読み始めよう」と決めていた。今月のTVで『燃え上がる緑の樹』の紹介があり、若かった時のわくわくした感情を思い出し、「そろそろだなあ」と思った。今朝の新聞にもこの作家のことが載り、重い腰を上げるお膳立てがすっかり準備された気がした。

中して読んだのは前期作品、この本は前期作品の集大成・後期作品の始まりだが、代表作とも言われている。翻訳みたいな独特の文体(難解の理由1)、神話的な内容(難解の理由2)、個人的な体験と引用される世界的文学の共存(難解の理由3)を、楽しく読み終わることができるだろうか。一昨日、今年80歳になる方から利尻登山に誘われて断ったが、3部作千頁を読むのは登山とそれほど違わないような気もする。


『鬱』の記事を2回分書く。見えてくるのは自分 珈琲教室で自信喪失したが回復傾向(単純!)。お湯の量を量って淹れ、時間を厳密に守り、一つ穴のドリッパーに変えて。「波風珈琲ってこんなに美味しいんだ」とママヨさん画像の『ゴリラの森、言葉の海』は楽しかった。ゴリラを鏡にして、人間の『言葉』を思う。大江作品の印象とどこか重なる。

コメント

この頃のこと

2019年09月14日 | 日記・エッセイ・コラム


いて手紙をポストに。山を平らにした住宅地、切り通しの道をゆっくり歩く。スニーカーは久しぶり。今度は自転車で。ナナカマドに赤い実。ススキが夕陽で光ってる。後で採りに来よう、今日は十五夜。

風食堂の入り口・ガラス戸にロゴマーク「へへつ」を描く。曇りガラスを透かしてぼんやり見える様が奥ゆかしい。ママヨさんが役割を終えたウサコ経由の向日葵を、水入れ鉢に飾ってる。カイヨワの『戦争論』テキスト読み終わり、大江健三郎『燃え上がる緑の樹』を手に取る。電線のカラスがやけにうるさい。網戸からの風が冷たくなった。

どん12人分(粉1キロ)を5時間かけてつくる。9月2回分の開店用。3分踏み・30分寝かすを10回、合間合間に『ゴリラの森、言葉の海』(山際寿一、小川洋子対談:新潮社)読む。子どもを殺した牡と交尾する雌、リーダーな父の条件、心と態度、孤独、歌、対等な関係、ゴリラを鏡に人間の本性が語られる。


貧乏くさいススキだが、十五夜に飾るのは魔除け、無病息災の効果だという。「活力」「心が通じる」が花言葉。遠くから来られる方たちで開店する今日の食堂にも踏み込み途中のうどんで、昼にもらった落葉茸を豚肉と油揚と一緒に甘辛く煮てトッピングした『肉茸うどん』。汁は上、うどんは中・・・猿払の鮭をバターでソテーしホワイトソースでお客さんと。宗谷の採れたて「もずく」もお供に。親切な人たちに食べさせてもらう日々次回は、『鬱』のことを書いてみたい。

コメント

『夏野菜冷やしうどん』を堪能する。

2019年09月10日 | 図工・調理

分で作って「堪能する」は傲慢だが、自作の手打ちうどんで、7月から週に1度は夏野菜(畑の作品もあり)満載で作り、「美味いな、美味いな」と毎回喜んでいるのだから、『堪能』以外に適切な言葉は見当たらない(笑)。コシが強く歯触り抜群のうどんを冷水で引き締め、これまた自家製の『かえし』で作ったタレをかける。その上に、茄子、ピーマン、シシトウ、ズッキーニを油(生姜とニンニクと鷹の爪を弱火で炒めておく)で炒め、砂糖・醤油・酒をからめて出来上がり。冷たいうどんに温かい夏野菜を乗せ、頂点にネギとかつお節をあしらう。これで美味くないはずが無い(笑)。

菜の美味しさがやっとわかってきたようですね、とママヨさん。昨日の定期通院で、主治医に「痩せましたよね」と褒めてもらい、10数年続いた糖尿の薬(血糖値下げる薬)は使わなくてもいいことに(涙)。まるで夢のよう。うどんを食べながら「今年ほど野菜を食べたことはなかったな」と言ったら、ママヨさんが頷いていた。野菜を食べていると、オヤツを欲しくなくなることも知った。


 漫画『BLUE GIANT』(全10巻)と続編『BLUE GIANT SUPREM』(8巻)をひたすら読み続ける、残り頁が少なくなるのが残念な漫画はいつ以来だろう。漫画ってこういうものだったよな公式裏ブログを『きき珈琲』で更新 ウサコさんがくれた多肉植物を専用土も買ってきて鉢に移す韓国を扱い続けるテレビ、もっと大事で深刻な国内政治問題があるだろうに歩いてない割に身体がなんとかなってるのは、鎌田式カカト落とし体操とスクワット【動画】の効果かもしれない。

コメント