波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

今日より明日は

2020年03月11日 | 日記・エッセイ・コラム

朝の新聞に、クルーズ船世界一周の旅行案内。来年4月から108日間、北極航路 ヨーロッパ&カリブ海コース。来月中までに代金納入すれば、最上級のスイートコース590万円(1人)が138万円割引とある。今この宣伝するかと思いつつ、クルーズ船糧に暮らしている人も大勢いるわけで、事態が収まるまでただ海に浮かばせておくのは愚の骨頂だとは思う。それにしても、富の象徴がこんなふうにイメージを転落させることがあるのだなあ。

年の今頃、きっと世界は落ち着いている、いや必ずそうなって欲しいという願いがこの宣伝案内だと思えてきた。予約される、お金と勇気と楽天的な持ち主の方々がいたら何だか嬉しい。格差華々しい波風氏と違いあっても、未来はきっと今日より良い日になると願う心は同じだから。

日本大震災から9年目の今日、そんなことを思う朝。


福岡伸一著『生物と無生物のあいだ』開き、傍線引いたウィルスのところを読む。福岡先生のコロナに対する考えをサイト(「望まれる簡易検査キット」)で読む政治で無く個人のこととしての『転向』知りたくて『戦時期日本の精神史 1931~1945』(鶴見俊輔著)、筆者の立つところ知りたくて『13歳、「私」をなくした私、性暴力と生きることのリアル』(山本潤著)を発注する 冷凍保存の手作りのウドン玉、十分使用に耐えられる。問題は小麦粉が少なくなってきたこと。

コメント

言葉のケイコ【その廿拾肆】

2020年03月10日 | 【保管】言葉のケイコ

 

その手をつかんでいいですか【上】

荒れ。そのうち治るだろうと思って何もしないでおいたら、指が曲がらなくなるほどにひどくなった。痛くてどうしようもないけれど、今病院に駆け込むのもちょっと。というわけでネットで検索。「手荒れ ひどい 治療」と打ち込み、出てきた情報をもとにドラッグストアへ。ケアしてみると、数日でよくなる。もっと早くこうすればよかったと思うと同時に、自分が迷いなくネットで検索したことについてふと考えた。もしネットがなかったらどうしていただろう。病院に行くか、本で調べるか、それとも母親に尋ねてみるか。二十年ほど前までは確かにネット検索などしなかった。今でも私はほぼSNSの類いはやっていないし、1日のうちにスマホを触っている時間はそんなに多くない。けれど、何かを調べようと思ったときには迷いなく使う。ちょっと検索履歴を見てみると、「豚ひき肉 レシピ」「オープン戦 日程」「顔 乾燥 痛い」(笑)など。多岐にわたる疑問に即座に答えを出してくれる便利さ。けれど私は、手荒れについての検索をしたとき、それが本当のことなのかどうか見極めようとはしなかった。自分に必要な情報を得ることで満足し、無条件に信じた。結果的に私の手荒れは治ってきたけれど、なんだかモヤモヤする。このモヤモヤの正体はなんだろう。

私たちは情報の渦の中にいる。ネットの中、テレビの中、それが正しいのか判断しようとする暇もなく、あふれてくる波にのまれていく。差し伸べられた手をつかんでもいいものかどうか。試されている。


【波風立男氏談】ケイコさん初の連載エッセー。カカト荒れの波風氏、手荒れの話に「ほほーっ」となる。波風氏は病院へ行き、水虫軟膏もらいやや改善。さて次回の【下】がどうなるのか、楽しみだ。

コメント

コメの学習帳31頁目【残り3回】

2020年03月09日 | 【保管】こめの学習帳

タイトル難民

タイトルをつけるのが苦手である。論文を書くときも、寄稿するときも、何ならメールを打つときも、しばらく悩む。特に論文などはしばしば相方さんに相談して、色々と提案してもらってようやく決めることが多い。文章全体を掴めていないのだろうかとも思うが、そういうわけでもないと思う。タイトルで上手いこと言いたくて執着している、というのが正確だろう。
                     ・・・・・・・・・■

たまに自分でも良いタイトルをつけられたと思う時があるが、後から小説などのタイトルから拝借したのだと気付くことがある。意図せず気に入ったリズムや並びがあるのだろう。少し前に投稿させていただいた「沈黙の代償」は、恩田陸『恐怖の代償』からだと後で気付いた。代償の意味は反対だ。他にも気付かず使っているかもしれない。苦手な身としては、各方面に頼るべきタイトルがあるのは助かる。

                     ■・・・・・・・・・・・・

小説のタイトルといえば、最近読んだ恩田陸の『終わりなき夜に生れつく』について調べていた時に、アガサ・クリスティーの同名の小説があると知った。恩田が同著から付けたのだろうが、こういう出会いがあるから面白い。タイトルが大事だとわかる。今回のタイトルは2秒で決めたが、いかがだろうか…。


【波風氏談】ひゃあ、コメさんブログ、残り3回なんだ。貴重なコメの味わい、最初から読んでみようっと。

コメント

お茶を濁す。

2020年03月05日 | 日記・エッセイ・コラム

道を知らない者が、適当に抹茶をかき回して濁らせ、それらしく見えるようにその場を取り繕ったことから生まれた言葉、とあった。だいぶ古い漫画『お茶、にごす』(西森博之作:小学館 11巻)読み、「お茶を濁す」を検索。

ーっ、なんて人間的な言葉だ(笑)。後手後手のコロナ対策に『馬鹿な大将、敵より怖い』この頃だが、自身が「お茶濁しっぱなしの人生」みたいな気がして、「波風立男」の名に恥じない余生を送らねばと初心新たにし、恩師が送ってくれた手作り羊羹を舌に転がし煎茶を味わう。

画『お茶 にごす』の言葉。「誰にでも優しいなんてのは、神様でもなきゃ無理なんだよ。オマエ、誰を優先するんだ?」。取り繕ってるだけでは好きな人との道は開かれない。ついでに、もう一冊紹介しちゃおう。心がつながるを可視化する『花に問いたまえ』(さそうあきら作:双葉社)。爽やかで切なくて深い。


久しぶりに表裏ブログ同時更新。裏は「蜜柑いただく」。

コメント

言葉のケイコ 【その廿拾参】

2020年03月04日 | 【保管】言葉のケイコ

わたしおとうと


と手をつないで横断歩道を渡っている。それが私の一番古い記憶だ。弟が生まれて病院に向かっている、その一瞬の映像は脳に刻まれているにも関わらず、なぜか肝心の弟との出会いはさっぱり記憶にない。それでも私が弟を可愛がり、何かと面倒をみていたことは記憶にも記録にもちゃんと残っている。私は弟の誕生が嬉しかった。4歳離れているためか、嫉妬した覚えはまるでない。丸々としていた私に比べ、弟はほっそりとしており、食も細かったように思う。私がカツ丼を頬張っている横で、寿司蕎麦セットを母と分けていた。そんな弟が小3でバスケットボールを始めた。結果的に彼はそのおかげで高校大学と推薦で進学し、ほっそりしていた体はがっちりになる(ちなみにその後30歳を越えたら一時でっぷりになる笑)。大学から関東に住み、今も千葉に住んでいるため、会えるのは3年に一度くらい。それでも私たちは、うちのともちゃんが「ママは姉弟仲いいよね」とふいに言うくらいにはいい関係を維持しているのだと思う。

ぜ、弟のことを思い出したか。朝ドラで「家族は離れても家族」とアンリさんが言った。その瞬間私の脳裏に浮かんだのは、あの横断歩道の光景。君がわたしのおとうとになってくれたあの日。普段は特別思い出すこともないのに。私も年をとったものだ。


【波風立男氏談】4歳離れた妹が生まれた時、隣の家の牛乳屋さんが小瓶入り『カツゲン』を平らな大きめの木箱でたくさんくれた。1週間前、牛乳と一緒に買って来た。こんな味だったなあと思いながら、ごくたまに飲むことがある。

コメント