主人公が先生のTVドラマが浮かばない。随分昔で恐縮だが、夏木陽介『青春とはなんだ』、竜雷太『これが青春だ』、水谷豊『熱中時代』、武田鉄矢『3年B組金八先生』、中間美由紀『ごくせん』も、山田洋次監督『学校1、2、3』も教員時代自分をちらっと振り返る機会だった。少し前まで学園ドラマは番組表に必ずあったし、平成中頃まで先生は小中学生のあこがれの職業ランキング上位。看護師もそうだが教員の人気凋落は目に余る。先生が子どもからも世間からも外される時代が来るとは。
波風氏は、「先生の仕事、面白かったなあ」と思っている。中学生の時に始まり、高校、大学、教員時代を通じて面白い先生に出会い続けることが出来た。それは『あこがれ』の持続。「卒業式で一瞬流した涙で残りの364日を我慢して働いてしまうのが先生」と言った同僚がいたが、こういう話を教員魂に蓄積しながら俺様先生物語の頁を増やしていく毎日だった。多様性の時代の教師像を創造するのは難しいが、作りがいは昔よりあるはず。
教育崩壊の学校が未だ崩れ切らないのは、先生たち1人ひとりが必死にマイ学園ドラマを創造し続けているから。誰が何と言おうと何をされようと。シンプルに言うと、今一番大事なのは「教育ってそもそも何だったっけ?」と「先生という仕事は何が一番大事だったっけ?」という自らの問いかけから始まる、自己創造ドラマの有無。教育論の神髄が『教師論』なのは昔も今も変わらないが、最後の最後に残る先生側からの教育再生の足がかりはそれしかない。
「私のやっていることは間違ってないよね?」と語り合える人間関係を失わず、時々がんばり、時々手を抜く働き方に期待したい。こういうのはTVドラマにならないのかなあ?
わかったようなわからないような話になったが、先生たちへのエールのつもり 画像は昨年いただき裏庭で咲いてくれた面白い花。これは絵にして残さなくては
晩飯は夏野菜カレー。畑の茄子、ズッキーニ、シシトウ使い、薄皮のミニトマトをライスの横に添えて。