スティーブ@茅ヶ崎さんからの投稿です。
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稲取のつるし雛
他の方々は踊り子で向かいましたが、茅ヶ崎からの私は熱海から伊豆急の各駅に乗りました。
この時点で既に満席、満員の状態です。
元気一杯の年配の皆さんはおそらく河津に直行なのでしょう。
伊豆高原駅で我々を待っていたタクシーに乗ってすぐに河津を目指します。
ラッキーなのは、運転手が地元の人間なので裏道を熟知していてラクラクと進み、まず伊豆稲取で「つるし雛」を見学しました。
正確には「雛のつるし飾り」と言います。
これは江戸時代から稲取温泉に伝わっているもので、桃の節句の雛壇の両側に端切れで作ったぬいぐるみを吊るす風習なのです。
うさぎ(神様のお使いもの)、柿(長寿)、俵ねずみ(大黒の使い=金運)、金目鯛(めでたい)、桃(多産)、三番叟(祝い事)などなど縁起の良いものが吊り下げられています。
稲取の公民館にもありますが、大混雑ですから我々はある個人の方のお宅で鑑賞させて頂きました。
その後で、河津桜です。
この桜は早咲きで有名ですが何と言ってもその妖艶な色の濃さにあるといえます。染井吉野が果敢ない、可憐な美しさとしたら、こちらはややもすると危険な誘惑で惹きつけるような濃厚な美しさがあります。
もともと1本の原木だったのを枝分けして、特に川沿いに植樹してからその並木の美しさで全国的に有名になりました。
河津桜の原木
昭和30年に河津在住の飯田勝美氏が、河津川沿い(豊泉橋上流の田中地区側)の冬枯れの雑草の中で芽吹いていた約1メートル位育った桜の若木を偶然見つけて庭先に植えた事が始まりでした。
約十年後の昭和41年1月下旬、やっと花が咲き始めました。
涅槃仏近くの最も美しい桜木
その後、この河津桜が土地の人々の手で広がり、やがて有名なあの河津川べりに植えていったのです。
まだ若い木が多いのでこれからさらに育って大きな並木になるでしょう。
今回はその原木の桜と、一本では最も見事と言われる桜木、そして川べりの桜並木を見学したのです。
河津川沿いの並木
ですからその河津川べりの桜は並木として眺めれば美しいのですが、桜木の1本としては涅槃仏近くの大きな桜が見事です。
これは満開ともなれば妖艶とも言える見事な美しさを辺りに誇示しています。
桜は一見清楚で雅(みやび)を感じさせる花ですが、その裏側に潜む魔性の艶やかさが時として人を狂わせます。
この、他の桜よりも色彩の勝るその煌びやかな花はあまり長く見つめていると何かに惹きつけられる怖さを感じてしまいます。
長興山の枝垂れ桜
小田原の長興山のしだれ桜のまるで白雪が舞うがごとくの可憐で優雅な姿をまた観たくもなってしまいました。
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ご投稿ありがとうございました!