レストラン・ワタベ(フランス料理/鎌倉)
*遠来の客人をおもてなしするならここで!
―という「とっておき」の一軒。
江ノ電の線路づたいに細い路地を歩くこと1分、立派な門構えのお屋敷が現れます。門の脇にさりげなく置かれた看板を見なければ(見ても?)、ここがレストランだと気付く人はいないかも。
店内の様子
線路を跨ぎ、門をくぐって飛び石を渡り、玄関の引き戸を開ければ、そこは古い日本家屋(建てられたのは昭和16年とか)の魅力を最大限に生かしたモダンな空間。
このギャップがまず何とも心地良いのです。
土間から一段上がった部屋の中には靴をはいたままで。
玄関には桐箪笥を活用したワインラックがありました。
私と連れが案内されたテーブルは、目の前に70坪もの広いお庭が広がる特等席。しかし今回はディナー利用なので外は真っ暗。
かなり残念! 個人的にはランチ利用の方がオススメです。
とは言うものの、バング&オルフセン9000(このオーディオシステム、私も欲しい!)からクラシックが静かに流れる夜のダイニングも、落ち着いた雰囲気で悪くありません。
〓いただいたお料理〓
(クリックで拡大します)
アミューズ
パン
地蛸のマリネ。下に敷いたトマトが甘~い
前菜
左:ホウボウのカルパッチョサラダ(連れのオーダー)
右:オマール海老のグリルサラダ
肉料理
鴨肉のポアレ 赤ワインソース
デザート
左:栗とエスプレッソのプディング(連れのオーダー)
右:ガトーショコラとキャラメルアイス
初訪問なので、無難に5,500円のディナーコースを。
アミューズ、前菜、肉又は魚料理、デザート、コーヒーにパンが付きます。シャンパーニュ(ジョゼ・ミッシェル)をフルボトルで追加して、支払いは1人10,000円。ロケーション、料理、サービスを総合すれば極めて適正な価格だと思います。
「まずは素材ありき」という渡部シェフのお料理は、シンプルな正統派フレンチという印象。前菜は地野菜、魚介そのものの魅力を活かしダイナミックに、お肉料理はソースにじっくりと時間をかけ古典的なスタイルで。奇をてらったところがないので、老若男女を問わず誰の口にも合うフランス料理です。遠方から来客があった時に連れて行くにはピッタリのお店でしょう。
ただ、個人的な希望としてはもう少し意外性というか、一皿ごとに「サプライズ」が欲しいような気も…。
ディナーのお供。
Jose Michel ジョゼ・ミッシェル
ピノ・ムニエをベースに素晴らしいシャンパンを造るレコルタン・マニピュラン(葡萄の栽培から醸造・熟成・販売まで一貫して行う生産者)。長期熟成が可能なシャンパンだそうです。とてもしっかりした濃厚な飲み口。カルパッチョのような火を通していない魚料理には少々重すぎかも。私が選んだオマールにはピッタリだったので、連れとは明と暗を分けた形となった(笑)。
接客は若い男性(ソムリエ?)が1人でこなしていました。
パリッと黒服でキメて、サービスも丁寧で隙のないものでしたが、個人的には少々堅苦しいような気がします。
「ゲストが寛いで食事を楽しめるお店を」という渡部良昭シェフ。
オーナーのお家に招かれたようにリラックス出来るアットホームな接客の方が此方には相応しいのでは。もっとスタッフが客としゃべってみればいいのにと思います。お店とゲストの隔たりがない点は「湘南スタイル」の素敵なところだと認識しているもので。
次回はランチで訪問したいですね。
近くの長谷寺や海岸線をのんびり散策するのもいいし、70坪もの堂々たるお店の前庭をじっくりと鑑賞してみたい。
紫陽花の季節かな。
■レストラン・ワタベ
□12:00~14:00
18:00~21:00
□月・第3火曜日定休
□駐車場 なし
□鎌倉市坂ノ下1-1
□0467-22-8680
2013/05/15 画像2点リサイズ