小学館文庫で、飯嶋和一著『雷電本紀』を読んでいます。作者は山形県出身の同世代、たいへん親しみを感じます。題材は江戸期の一揆・打ちこわしを背景としながら、相撲の世界から取ったもの。特に、取組の描写は映画のスローモーションを見るような文章で、思わず溜息が出るほどです。
ただいま、蒼龍編の最後、図抜けた体格と聡明さを持つ太郎吉をこのまま手元で育てたならば、必ず争いごとや百姓一揆で世と衝突し不幸になるだろうと、半右衛門がただ一人の息子を手放す決意をする場面。不覚にも涙腺がゆるみました。
ただいま、蒼龍編の最後、図抜けた体格と聡明さを持つ太郎吉をこのまま手元で育てたならば、必ず争いごとや百姓一揆で世と衝突し不幸になるだろうと、半右衛門がただ一人の息子を手放す決意をする場面。不覚にも涙腺がゆるみました。