電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

J.S.バッハ(シトコヴェツキー編)「ゴールドベルク変奏曲」を聴く

2017年06月21日 06時08分30秒 | -オーケストラ
先の山響定期で、シトコヴェツキーさんの演奏と指揮に接することができ、大喜びしましたが、その際に購入したCDにご本人からサインしてもらい、これまた大喜びで、何度も繰り返して聴いております。J.S.バッハの「ゴールドベルク変奏曲」、シトコヴェツキー編曲の弦楽合奏版で、2015年、紀尾井シンフォニエッタ東京とのライブ録音です。CDは、マスター・ミュージック:MM-3051です。

この編曲・演奏は、一言でいえば実に楽しい。バロック時代の、例えばヴィヴァルディのような躍動感・生命力を感じさせる協奏的な弦楽合奏や、あるいは弦楽四重奏のように演奏される曲もあります。弓をいっぱいに使って長い音を響かせるときもあれば、短くリズミカルに音を切って飛び跳ねるように奏されることもあります。あるいはピツィカートが印象的な場面も。
うーむ、弦楽の魅力を多彩に披露しながら、聴く者にバッハの音楽の魅力を存分に伝えようという意図がしっかりと伝わります。シトコヴェツキーさんは、この曲がほんとに大好きなんだな~ということも(^o^)/

CDに添付されたリーフレットに、シトコヴェツキーさんの文章が載っていました。それによれば、バッハの「ゴールドベルク変奏曲」を編曲してみようと思ったきっかけは、1981年のグレン・グールドの録音だったそうです。なるほど! 謹厳実直・しかつめらしいバッハではなく、「歌うバッハ」の面に心を寄せた、ということなのでしょう。1984年に弦楽三重奏版を編曲し、これが好評だったために、1992年に弦楽合奏版を作ったとのことです。

私の手元には、クリスティアーヌ・ジャコテ女史のハープシコードによるLP(コンサートホール盤)(*1)と、グレン・グールドによる1981年のピアノ版(CD)、そして今回のシトコヴェツキー編の弦楽合奏版のCDと、三種類の演奏・録音が集まってしまいました。実にぜいたくな話ですが、気分によりとっかえひっかえ聴いております。今のところ、シトコヴェツキー編の弦楽合奏版が、演奏の楽しさとご本人のサインの威力もあって、最も出番が多いようです(^o^)/

(*1):J.S.バッハ「ゴールドベルク変奏曲」を聴く〜「電網郊外散歩道」2005年9月

コメント