電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

「ニューイヤー・オペラコンサート2022」を観る

2022年01月04日 06時01分33秒 | -オペラ・声楽
お正月の楽しみは、NHK-Eテレで放送する「ニューイヤー・オペラコンサート2022」です。オペラやバレエを得意とする東フィルを、今年はわれらが山響の常任指揮者である阪哲朗さんが指揮しました。始まりは森麻季(Sop.)さんと笛田博昭(Ten.)さんによるヴェルディの「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」から「乾杯の歌」でした。いつもながら、この音楽が始まると嬉しくなりますね〜(^o^)/
ドニゼッティの歌劇「連隊の娘」から「みんながごぞんじ」では、高橋維(Sop.)さんが元気よく歌い、合唱団の男性陣から赤いハンカチ(?)が振られ、えらい人気です(^o^)/
歌劇「魔笛」から「恋を知るほどの殿方には」、砂川涼子(Sop.)さんと司会の一人である黒田博(Bar.)さんの歌は、できれば寄り添って歌いたいところですが、コロナ禍の現状では離れて歌う愛の歌でも仕方のないところでしょうか。モーツァルトでは他に「ドン・ジョヴァンニ」「後宮からの誘拐」からも取り上げられました。
また、ビゼーの歌劇「カルメン」からいくつかの歌、特に力強く華やかな「闘牛士の歌」はさすがに素晴らしかった。

幕間に相当する歴代の「レジェンド」たちの歌声、立川澄人さん、中澤桂さん、伊原直子さん、市原多朗さん、佐藤しのぶさんなど、ずいぶん懐かしいものでした。まさにオペラ指揮者の阪哲朗さんのインタビューも、経験からくる含蓄、味がありました。

後半のヨハン・シュトラウスの喜歌劇「こうもり」から「夜会は招く」など、こうした有名どころばかりではありませんで、実はコルンゴルトの歌劇「死の都」から、「私に残された幸せ」を森麻季さんが甘美に歌うという、素人音楽愛好家であるワタクシには実に貴重な場面も。
途中、ワーグナーが1曲「ワルキューレ」から「冬の嵐は過ぎ去り」をはさみ、ヴェルディの「ドン・カルロ」から王妃エリザベッタが去りゆく女官に語りかける「泣かないで友よ」を小林厚子(Sop.)さん、好きなんですよ、この歌。「仮面舞踏会」から「おまえこそ心を汚すもの」を上江隼人(Bar.)さんが歌い、続いてプッチーニの「トスカ」から福井敬(Ten.)さんが「星はきらめき」、「蝶々夫人」から花の二重唱「桜の枝をゆすぶって」を小林厚子さんと山下牧子(MS)さん。
ヴェリズモの中から1曲、レオンカヴァルロの「道化師」から「衣装をつけろ」を笛田博昭(Ten)さん、ヴェルディ「運命の力」から「神よ、平和を与えたまえ」を大村博美(Sop.)さん、ベートーヴェンの歌劇「フィデリオ」から第2幕フィナーレ」を森谷真理、石橋栄実(Sop.)、福井敬、宮里直樹(Ten.)、大西宇宙(Bar.)、妻屋秀和(Bas.)さんが、新国立劇場合唱団、二期会合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル、藤原歌劇団合唱部という豪華な合唱団をバックに歌います。
最後は、ヨハン・シュトラウスの喜歌劇「こうもり」から「ぶどう酒の燃える流れに」、出演者がみんな登場して、華やかなフィナーレ。

いや〜、阪さんの指揮も東フィルの演奏も合唱も、良かった〜。今年のニューイヤー・オペラ・コンサートは、特別番組として、「それでも人は歌い続ける」というテーマを掲げています。これは、コロナ禍の中でともすれば感染源の一つのように扱われかねない歌、合唱の意義をあらためて確かめる意味もあるでしょう。管弦楽はもちろん室内楽も大好きですが、一方で歌好き・合唱好きでもある一人として、まったく同感です。電話が入ったりして途中が邪魔されたりしましたが、生中継の良い番組でした。関係者の皆様の努力に感謝と敬意を表します。

【追記】
なんてこったい!タイトルが「2020」になっていた(^o^)/ 「2022」に訂正しました。


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