電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

柿を放置する家が多くなった

2023年10月19日 06時00分16秒 | 季節と行事
車で田舎道を走っていると、この季節には柿が鈴なりになっているのが目につきます。そういえば、近ごろは柿を放置する家が多くなったように感じます。昔は年寄りが渋抜きをしたり干し柿にしたりして、晩秋〜冬の甘味として重宝されただけでなく、さらに昔は救荒作物として大事にされ、一家に一本みたいに植えられていたもののようですが、今は放置状態。放置されるにはそれなりの理由もあるのでしょう。渋抜きも干し柿も手間がかかり、忙しい現代人には向かないのかもしれないし、何よりも年寄り世代がさらに高齢化し、柿の始末をすることができなくなってきた、ということも大きいでしょう。

そういえば、柿ほど手のかからない果物も少ないかもしれません。適度に剪定しておけば、そう何度も消毒する手間もいらず、摘果すれば実に大きな実になります。ただ、熊がやってくる地域では、柿を放置すると熊を呼び寄せる面もあり、早々と収穫するか見限って伐採するかの選択を余儀なくされるでしょう。熊も冬眠前のエサとなるブナの実が不作で大変でしょうが、なにせ礼儀を知るような存在ではありません。いつなんどき牙をむくかわからない面があります。なかなか難しいご時世です。

田舎の七十翁の感覚では、都会のトロピカルフルーツよりも我が家の干し柿や渋を抜いた甘柿のほうが好ましいと感じるのですが。



写真は、少し前の彼岸花。円形のコンクリートと小さな煙突は、我が家の江戸時代の古井戸を埋めた後にコンクリートで蓋をしたものですが、メタン発酵でガスが発生するおそれがあるために、ガス抜きとして付けられているものだそうです。工事をしてくれた職人さんは、ただ埋めて蓋をするだけではなくて、そうした点も細やかです。


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