果樹園の作業も終わり、読書の秋ならぬ読書の冬となっております。春秋社刊の単行本で、仲道郁代著『ピアニストはおもしろい』を読みました。仲道郁代さんの演奏は、2008年の5月に、山響第189回定期演奏会の中で飯森範親さんの指揮でショパンの「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」を聴いています。また、山響の新シーズンのラスト、2025年3月に鈴木秀美さんの指揮でベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番が予定されています。そんなこともあって、たまたま目についた本書を手に取り、読み終えたところです。
本書の構成は、次のようになっています。
この中で、ピアノという楽器に触れ、ピアニストになっていく過程での日本、アメリカ、ドイツの教育と環境の特徴が興味深くおもしろい。画一的な面はあるけれど基礎をキッチリ、システマティックにたたきこむ日本、それぞれの美点、持ち味を称賛し伸ばしていく多民族社会の米国、街の生活と環境の中に音楽の歴史が息づくドイツ。なるほど、こんなふうにしてピアニストは育ったのだなあと納得、でも子連れピアニストの生活は大変そうだし、ピアニストの母について歩く子どもも大変そう。
第5章、ピアニストから見た作曲家の本質、特色のところはとても興味深く、参考になりました。モーツァルト、ショパン、ドビュッシー、ベートーヴェン、そしてシューマン。高校生のある時期に、突然、シューマンのピアノ・ソナタ第1番の世界にハマったこと。そして見つけた「クライスレリアーナ」の世界。ちょっと不器用なシューマンの世界に共感するところは、なんだか私も遠い昔を思い出し(*1)そう(^o^)/
こんど、山響と共演する予定のベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番については、第6章255ページで
とありますが、いやいや、古い歴史の残る山形で温泉に入り美味しいものを食べ、アットホームで前向きなオーケストラと包容力のある聴衆と共に演奏会に臨めば、きっと幸福な気分が味わえますって!
その点はボクが保証します、って李白も寝言で言ってます(^o^)/
(*1): シューマン「ピアノ・ソナタ第1番」を聴く〜「電網郊外散歩道」2007年12月
(*2): ピアノの調律が終わると響きが格段に良くなる〜「電網郊外散歩道」2023年10月
本書の構成は、次のようになっています。
第1章 ピアノの子[日本編]
第2章 ピアノの子[アメリカ編]
第3章 ピアノの子[ドイツ編]
第4章 子連れピアニストがゆく
第5章 ピアニストと賢者の意思
第6章 社会の中のピアニスト
第7章 ピアニストという生物がいる
第8章 いつも心にピアノ
この中で、ピアノという楽器に触れ、ピアニストになっていく過程での日本、アメリカ、ドイツの教育と環境の特徴が興味深くおもしろい。画一的な面はあるけれど基礎をキッチリ、システマティックにたたきこむ日本、それぞれの美点、持ち味を称賛し伸ばしていく多民族社会の米国、街の生活と環境の中に音楽の歴史が息づくドイツ。なるほど、こんなふうにしてピアニストは育ったのだなあと納得、でも子連れピアニストの生活は大変そうだし、ピアニストの母について歩く子どもも大変そう。
第5章、ピアニストから見た作曲家の本質、特色のところはとても興味深く、参考になりました。モーツァルト、ショパン、ドビュッシー、ベートーヴェン、そしてシューマン。高校生のある時期に、突然、シューマンのピアノ・ソナタ第1番の世界にハマったこと。そして見つけた「クライスレリアーナ」の世界。ちょっと不器用なシューマンの世界に共感するところは、なんだか私も遠い昔を思い出し(*1)そう(^o^)/
こんど、山響と共演する予定のベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番については、第6章255ページで
エドウィン・フィッシャーかどなたか大家が、この曲については「最初のソロを弾いた後、オーケストラの演奏の間ずーっと、自分がいかに下手に弾いたかを反芻させられるからとてもつらい」とどこかに書いておられた。(同感だ!)
とありますが、いやいや、古い歴史の残る山形で温泉に入り美味しいものを食べ、アットホームで前向きなオーケストラと包容力のある聴衆と共に演奏会に臨めば、きっと幸福な気分が味わえますって!
その点はボクが保証します、って李白も寝言で言ってます(^o^)/
(*1): シューマン「ピアノ・ソナタ第1番」を聴く〜「電網郊外散歩道」2007年12月
(*2): ピアノの調律が終わると響きが格段に良くなる〜「電網郊外散歩道」2023年10月
仲道郁代さんは、今年(2023年)の10月群響定期で、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番を弾いていました。山響演奏会にも登場予定で、人気がありますね。
ご紹介の本ですが、内容がなかなか面白そうで、読んで見たくなりました。ご紹介ありがとうございます。