電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

冬の楽しみ

2008年12月16日 05時46分58秒 | 季節と行事
当地の冬は、雪に囲まれた生活となります。若い人であれば、スキーにスノーボードに、アウトドアで活躍できる季節でしょうが、いささかくたびれた中年世代は、アウトドア・スポーツよりも、「ネコはコタツで丸くなる」ほうがしっくりきます。漬物をたくさん漬けて冬に備えるように、読みたい本や聴きたいCD、観たい映画のDVDなどをたくさんストックしておきたくなります。冬ごもりを前に、あれこれ品定めをするのもまた楽し、です。
昨年は、お正月に「のだめカンタービレ・スペシャル」というテレビ番組を観て、大いに楽しみました。さて、珍しく大型の連休となった今年は、どんな楽しみがあるのでしょうか。

(1) 正月時代劇「陽炎の辻スペシャル」 つい先ごろ読み終えたばかりの佐伯泰英『朝虹ノ島~居眠り磐音江戸双紙』が原作。1月3日(土) NHK総合TV 21:00~22:30
(2) ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート2009 1月1日(木) NHK教育TV 19:00~22:00
(3) 第52回NHKニューイヤーオペラコンサート 1月3日(土) NHK教育・FM 19:00~21:00 今年も山響音楽監督の飯盛範親さんが指揮します。

まずい、(1)と(3)が重なっている!これはどちらかを録画して見ることになりそう、と思ったら、重なっているのは日付だけで、時刻は大丈夫でした。

(*):2008-09NHK年末年始特集番組
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もしタイムマシンで過去に戻れたら~音楽編

2008年12月15日 05時37分46秒 | クラシック音楽
もし、タイムマシンで過去に戻れたら、という想像は、人を楽しませるもののようです。子供の頃には「タイムトンネル」というテレビ番組があり、ハラハラドキドキ楽しんだ記憶がありますし、近年になってからも映画「Back to the future!」シリーズ3作を面白く観ました。タイムマシンで過去に戻る、というのは、歴史的経緯を把握しているという強みがあり、空想をかきたてます。では、自分がタイムマシンで好きな過去に行けるなら何をしてみたいか?

(1) まず、ベートーヴェンに会います。そうして、彼がふだん飲んでいる安ワインと、もう少し質のよいワインを並べてグラスに注ぎ、微量の鉛イオンの検出(*)をして見せます。彼が飲んでいるほうの安ワインに、甘味を出すために鉛が微量添加されていることを示し、それが健康と性格を害していることを示します。

(2) 若い青年シューマンに、その少女と仲良くなるのはやめておけ、と一言。でも、たぶん嫌われるだろうなぁ(^o^;)>poripori
でなければ、有害無益な水銀療法をやめさせる。ただし、梅毒の特効薬サルヴァルサン(*2)が発明されるのはずっと後年なので、タイムマシンで現代に連れてきて、音楽好きの某お医者さんにペニシリン系の有効な治療薬を処方してもらう、ってのはどうだろう(^o^)/

(3) いや、タイムマシンで現代に連れてくるのなら、西海岸で演奏中に倒れる前のガーシュインでしょう。これは一刻も早く、脳外科の某お医者さんに見せる必要があります。そうして、ガーシュインにはヘ調のピアノ協奏曲以上の楽しい傑作を少なくともあと数曲、作曲してもらうのです(^o^)/

ただし、タイムマシンの発明以前に、事情を説得力をもって説明できるほど、私がドイツ語と英語の力があるかどうかが、実は大問題なのでありますが、それはそれ、翻訳コンニャクも持っている、という前提で(^o^)/
皆様なら、どんな計画を立てますか?

(*):ppbレベルの鉛の目視検出に成功~産総研プレスリリースより
(*2):Wikipediaより「サルバルサン」
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ビゼーの歌劇「カルメン」(ハイライト)を聴く

2008年12月14日 12時18分11秒 | -オペラ・声楽
師走の休日、ハイライト版ではありますが、ビゼーの歌劇「カルメン」を聴きました。カルメンはアンナ・モッフォ(S)、ドン・ホセがフランコ・コレルリ(T)、エスカミーリョがピエロ・カプチルリ(Br)、ミカエラがヘレン・ドナート(S)という配役、ロリン・マゼール指揮のベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団、同合唱団、合唱指揮がヴァルター・ハーゲン=グロルという顔ぶれです。たしか、アンナ・モッフォの妖艶なカルメンのジャケットで、LPが雑誌「FM-fan」の表紙を飾ったことがあったはず。もしかすると、"GreatMaster"というシリーズ分売ものらしいこのCDは、オリジナル・ジャケットのデザインを踏襲しているのでしょうか。

注目のハイライトの曲目内容ですが、

(1) 前奏曲:第1幕
(2) ハバネラ:第1幕
(3) セギディーリャと二重唱:第1幕
(4) 間奏曲:第2幕、アルカラの竜騎兵
(5) ジプシーの歌:第2幕
(6) 闘牛士の歌:第2幕
(7) 五重唱:第2幕、フラスタータ、メルセデス、カルメン、レメンダード、ダンカイロ
(8) 二重唱:第2幕、カルメンとホセ
(9) マリア:第2幕、ミカエラ
(10) 間奏曲:第4幕、アラゴネーズ
(11) 二重唱・フィナーレ:第4幕、カルメン、ホセ、合唱

というものです。主だった場面をコンパクトに網羅した、楽しい一枚。

GES-9030 という型番のこのCDは、東独オイロディスク社の原盤で、DENON-日本コロムビア・ブランドで発売されていたものを流用したものらしい。マゼールの指揮は、出だしの前奏曲のように、速めのテンポで切れの良い颯爽とした音楽を聴かせてくれます。カルメン役のアンナ・モッフォは妖艶さと可憐さを使い分けて快調ですし、コレルリのホセも、若いダメ男ぶりを上手くリアルに聴かせてくれます。カプチルリの堂々とした押し出しの立派さ、ヘレン・ドナートの清楚な歌唱も、役柄にぴったり。そして、1970年のものらしい録音の会場はどこなのでしょうか、かなりの残響を伴うオーケストラと元気の良い合唱の好録音が、アナログ時代の雰囲気をたっぷりと聴かせてくれます。ビゼーの音楽は、生き生きとしていて実に見事!もしブラックジャックなみの名医だったら、Back to the Future! のタイムマシンで過去に戻り、もっと長生きしてもらいたい作曲家の代表かも(^o^)/
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江戸と利根川と時代小説

2008年12月13日 14時21分58秒 | Weblog
時代小説を読んでいると、藤沢周平の海坂藩ものなどは別として、江戸が舞台になることが多いものです。その意味では、江戸の町は現在の東京以上に親しみ深いものかもしれません。ところで、徳川家康の入府当時、利根川は東京湾に流れ込んでいた(*1)のだそうな。一時関東在住だったことはありますが、生まれも育ちも東北人の当方には、えぇっと驚く驚愕の事実(*2)であります。



以後、利根川の東遷と荒川の西遷により、現在の東京の基礎となる江戸の平地ができた、ということでしょうか。これが農業生産力の飛躍的な拡大と、大城下町の成立の基盤となったのだとしたら、「水を制するものは国を制する」という見事な実例ですね。
確かに、奈良平安時代の水田の面積に比べて、近世の水田面積の飛躍的な増加は、武士の土木築城技術が治水に応用された、新田の開発によるところが大きいのでしょう。考えてみれば、そんなことをテーマにした時代小説があってもよさそうなものです。あるいは私が知らないだけで、すでにあるのかもしれませんが。

(*1):利根川東遷慨史
(*2):そういえば、小学校か中学校で習ったような記憶もなくはないが、なにせ半世紀以上も前の話です。すっかり忘れておりました。
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佐伯泰英『朝虹ノ島~居眠り磐音江戸双紙(10)』を読む

2008年12月12日 06時54分20秒 | -佐伯泰英
とうとう第10巻まで来ました。双葉文庫の佐伯泰英著『朝虹ノ島~居眠り磐音江戸双紙(10)』を読み終えたところです。

第1章「泉養寺夏木立」。娘大力を売り物にする見世物一家の姉妹のうち、妹のおちかが客の若衆に惚れて力が出なくなった上に、失踪したといいます。娘芸人をだましてたたき売る、松倉新弥らのねぐらに踏み込みますが、男にぞっこんのおちかに火鉢を投げつけられるやら、鉄瓶をたたいて自慢の大刀・包平を刃こぼれさせるやら、無敵の磐音も、今回はどうもさんざんです。
第2章「夜風地引河岸」。愛刀・包平のほうは、御家人ながら名人気質の刀研ぎ師である、鵜飼百助に依頼しますが、その間に脇差一本で過ごすわけにもいきません。幸い、今津屋から仕事の依頼があり、主の吉右衛門の護衛の予定で、備前長船長義を贈られます。さっそくこの刀が活躍するようになったのは、鳥取藩内紛にからむ女侍を救った一件でした。これが、いわば女難の始まりというわけです。
第3章「朝霞根府川路」。鳥取藩の内紛は、尾をひきます。今津屋にとばっちりが行かぬよう、南町奉行所の大頭与力・笹塚孫一に牽制してもらい、豆州熱海へ石切場の下見に出かけます。品川柳次郎、竹村武左衛門と一緒ですから、波乱は約束されたようなものでしょう。盗賊の出没などは、まだまだ序の口です。
第4章「湯煙豆州熱海」。今津屋吉右衛門の荷の護衛役をつとめ、ようやく到着した熱海で、幕府の普請奉行・原田播磨守に不審の動きがあり、不信の念をいだきます。いえ、これは駄洒落ではなくて、実際そうなのです。工事を受け持つ津山藩の責任者はやきもきするのですが、幕府の威光をかさにきて、普請奉行は横着にかまえているばかり。どうやら、悪い石屋と結託して、私腹を肥す心積もりのようです。これは黙って見逃せません。
第5章「初島酒樽勝負」。豆州初島にて、現地の石屋連合対悪党連合の対決に、坂崎磐音の備前長船長義がきらめきます。無事に結着して江戸にもどると、案の定、鳥取藩内紛がらみで御縁の生じた織田桜子様が、二日をあげずに駕籠を今津屋の店先に止め、磐音の帰着を問い合わせているとのこと、おこんはおかんむり、機嫌が悪い。女難継続のままにユーモラスに終わる、定番・王道のエンディングです。

いや、正直な話、この無邪気な桜子さんが、ほんとにこの性格で、密書を持って江戸まで到着することができたのが信じられません。ちょいと都合良過ぎ(^o^)/

うーむ。この巻は、鳥取藩・津山藩というのは実は話のネタで、神田三崎町佐々木道場にしばしば訪れる速水左近のフィクサーぶりを印象づけるものなのかも。話がしだいに大きくなってきています。もはや、豊後関前藩の国家老の御嫡男殿の気ままな江戸双紙ではなくなりつつあるようです。
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長時間エアチェックした音楽を流しながら

2008年12月11日 06時28分38秒 | クラシック音楽
職場から単身赴任のアパートにもどると、当然のことながら、誰もいない、寒くて暗い部屋です。おなかをすかせて夕食の準備をしますので、なにか楽しい音楽がほしいところです。まじめにじっくりCDを聴くと食事の支度が進みません。ここは適当に、長時間エアチェックしたMDを、流しっぱなしにするに限ります。
今晩は、イザベル・ファウストのヴァイオリン・リサイタルから、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第7番やプロコフィエフのソナタ第1番、そしてフランクのヴァイオリン・ソナタを。たぶん、演奏する方々は、きっと演奏が気になり、こんなふうに流しっぱなしにして聴くことは少ないのかもしれませんが、当方のような素人音楽愛好家は、ハクサイを包丁で切りながらベートーヴェンのソナタを聴き、プロコフィエフを聴きながら鍋を洗い、食後、フランクのソナタに思わず耳を傾けるのです。長時間エアチェックしたMDを聞くとき、ラジオ放送らしい曲間の解説やおしゃべりも気にならず、むしろ一人の部屋になんとなく人間らしい雰囲気を醸し出してくれます(^o^)/
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ボールペン片手に、寝床で

2008年12月10日 06時02分45秒 | Weblog
ほぼ毎日のように早朝更新を続けている当ブログ「電網郊外散歩道」ですが、幸いにネタ切れもなく継続できております。夜、ふとアイデアを思いつくこともあり、備忘録用の小型ノートと、上向きでも書ける圧力式ボールペン「パワータンク」を用いて、記事のアイデアを書き留めます。キーワードだけのこともあれば、フレーズのことも、写真のように長い文章をまるまる書いてしまうこともあります。
なにぶん、仰向けの姿勢ですので、長時間は書けませんし、字もきたなくなりますが、とにかくアイデアは寝たとこじゃなくて出たとこ勝負のもの。「馬上枕上厠上」の三上(*)がアイデアの三大産地のようですが、枕の上はまさに言葉通りの高い生産性であります(^o^)/

(*):「三上」とは~Wikipediaより

当方は、アイデアの産地としてもう一つ、出張の際に電車を待つ駅の待合室や、乗り込んだ新幹線の座席なども加えたいところですが、これは満員電車が10分おきに到着する都会と、1時間に1本くらいしかない、時刻表がスカスカの田舎ではだいぶ異なるものと思われ、普遍性に欠けるかもしれません(^o^)/
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ASAhIパソコン創刊時のチラシを発見

2008年12月09日 07時06分29秒 | 手帳文具書斎
昔のシステム手帳のバインダーを調べていたら、朝日新聞社から1988年10月に創刊された「アサヒパソコン」誌の、創刊時のチラシを発見してしまいました。正式には「ASAhIパソコン」といい、なぜか h だけが小文字になっているのが不思議でしたが、チラシ自体がB5判でしたので、そのまま折り畳んでバイブルサイズのシステム手帳にはさんでいたのでしょう。それで、リフィル保管用のバインダーに残っていた模様です。

本誌は、社外のライターだけでなく、記者が書いていた珍しいパソコン雑誌、という印象を持っていました。当然のことながら記者の企画倒れの記事もあって、せっかくマックユーザーに誘導しようと目論んだのに、俵万智さんがオアシスに転んでしまい、マジマさんは悲しんだろう、などと想像していました。



思えば、この頃は、システム手帳が大流行していた時期と重なり、パソコンやワープロを使ってリフィルを自作するのが流行っていたように思います。私も自作のプログラムで毎月のスケジュールを打ち出していました。少し厚手の紙で、たとえば京大式のB6カードなどを小型の熱転写プリンタにセットし、一ヶ月分のスケジュールを入力・印刷して、カッターやパンチでリフィルに仕立ててバインダーにセットする、というようなやりかたです。ルーズリーフ用の26穴パンチを転用していたことが、上の写真の穴の数からわかります。今でもこの頃のテクニックは使っており、個人的によく使うパーソナル・データは、紙質の良い、やや厚手の紙にプリンターで出力し、リフィルサイズに裁断して使っております。

当時は、システム手帳のリフィルを印刷するための、かなりのお値段の専用ソフトウェアも人気を博しておりましたので、パソコンの用途の一つに、システム手帳のリフィルの自作というのがあったのだと思います。フィッシングやスパムなんてのが流行るネット時代の現在には信じられないほどの、のどかさです。
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テキストファイル備忘録を始めたのは

2008年12月08日 05時12分22秒 | コンピュータ
パーソナル・コンピュータをずっと使っていて、長く継承している個人的なデータというものがあります。私の場合は、
(1)備忘録 テキストファイル 1989~
(2)住所録 データベース 1990~
(3)各種報告書 LaTeXソース 1993~
(4)確定申告 MS-WORKS/Excell 1996~
(5)プレゼンデータ Freelance/PowerPoint 1999~
(6)音楽CD購入 データベース 2002~
などです。

この中で、最も古くからはじめ、長期間継続しているものが、テキストファイルの備忘録です。きっかけは、たしかアサヒパソコン誌のデータベース特集で、テキストエディタを用い、日付と題名を次のような1件1論理行で記述する方式を知ったのではなかったかと思います。

日付(YYYY/MM/DD) 件名 内容~
(例)
2008/12/04 A5判ルーズリーフノートの工夫 (1)ボールペンを保持する、(2)私製または汎用のダイアリー、(3)備忘録、(4)参考データ、(5)地図、(6)その他


それまでは、8ビットのパソコンで、自作のBASICプログラムで表集計に使う程度でしたので、16ビットの時代に適応し、テキストエディタで日常のメモや記録を自由に記述し、それを find や grep で検索すること、そして自分なりのフォーマットを定めておけば、awk で検索・整形・集計などが可能であること等を知り、便利さを感じました。MS-DOS から Windows へ、そして Linux へと、プラットホームの変化にもかかわらず、比較的スムーズに移行できたのは、備忘録がシンプルなテキストファイルであったためだと思います。もう20年になろうとする現在、なにか特定のデータベース・ソフトに依存していたら、ここまで長く継続することは難しかったのではないかと思います。
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珍しく洋食で同窓生の会

2008年12月07日 10時19分14秒 | Weblog
先週、例の(*1~*3)地域在住の同窓生の会がありました。中年おじんを中心とする会ですので、いつも居酒屋風のお店で開催することが多いのですが、今回は女性幹事ということもあり、東根市の「ラ・ターナ」というリストランテにて。これ、何語なんでしょうか。何料理と言うのかも定かではないままに、近況報告やら噂話やら、昨年のノーベル賞を受賞したIPCCの第4次報告書の「海」の章を執筆したのは、実はH氏(*4)だそうだ、とか、けっこう話に花が咲きました。すると、山形県出身者で第1号のノーベル賞関係者かも、ということになります。わーお、そりゃすごい!もしかすると、県内マスコミもつかんでいないんじゃないか、とかなんとか。
お料理のほうは、写真を撮るのをすっかり忘れてしまい、デザートだけ。話もお料理も、実に楽しくおいしかった。気さくな仲間内の会は、いいものです。次回は明年初夏ころかな?幹事も決まり、名残惜しく散会しました。

(*1):歳末大忙し忘年会~「電網郊外散歩道」2005年12月
(*2):病院の情報化の追求が医師の多忙化に~「電網郊外散歩道」2006年7月
(*3):郵便料金と宅配料金と人件費~「電網郊外散歩道」2007年5月
(*4):「花輪公男WEB」より「折にふれて」~28「IPCCノーベル平和賞受賞に対する私のコメントについて」参照
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近頃の通勤の音楽は

2008年12月06日 09時37分57秒 | クラシック音楽
最近の通勤の音楽は、ドヴォルザークの「スラブ舞曲」を聴いております。この曲は、ほんとに生活を愛おしむ音楽のように思いますね~。時に快活に、時に懐かしく、晩秋から初冬の郊外路は、雪さえ降らなければ、渋滞もない快適なドライブです。窓の外には、地吹雪対策の防雪柵の設置がほぼ完了しています。寒い中、働いてくれた人たちに感謝しなければ。

車内の自動温度調節を20度くらいに設定して、ウィンドウのくもりもなく運転するのは、なかなか fun to drive です。さて次は何を聴こうかと、車載用音楽CDを物色するのも楽しみ。候補は、
(1)ドヴォルザーク 交響曲第2番
(2)メンデルスゾーン 交響曲第3番「スコットランド」
(3)プロコフィエフ ピアノ協奏曲第5番
(4)ガーシュイン 「パリのアメリカ人」
(5)ビゼー 歌劇「カルメン」ハイライト
あたりかなぁ。どうも、冬になるとプロコフィエフが登場する傾向がありますなぁ(^o^)/

今朝は、昨日の酒席の後に、旅館に泊りましたので、朝帰りで帰宅です。温泉が気持ちよく、早朝と朝食後と、朝風呂を2回も浴びて、気分も爽やかです。
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山形弦楽四重奏団第29回定期演奏会を聴く(2)

2008年12月05日 06時32分43秒 | -室内楽
山形弦楽四重奏団の第29回定期演奏会を聴きました。昨日の続き(*)です。
2曲目、佐藤敏直氏の弦楽四重奏曲第1番。冬の夜、山形弦楽四重奏団の演奏で、山形県鶴岡市出身の作曲家の作品を聴く。これも楽しみです。今度は中島さんが第1ヴァイオリンに、駒込さんが第2ヴァイオリンに交代します。
第1楽章、アダージョ。ヴィオラ・ソロから始まります。続いてチェロ、そして第2ヴァイオリンが入り、最後に第1ヴァイオリンも揃って、4人による、半音階的ながらどこか民謡風のところもある曲。ふるえるような不安げな背景に、ヴァイオリンが、あるいはチェロが交代して旋律を奏でるとき、他のパートが印象的なピツィカート。
第2楽章、アンダンテ・マルチアーレ、と読むのでしょうか。第1ヴァイオリンが旋律を、他がピツィカートでリズムを刻みます。そして再びヴァイオリンとヴィオラ。変なたとえですが、田んぼを見まわる農夫の足取りみたいな音楽。
第3楽章、アレグロ・ヴィヴァーチェ~ピゥ・レント~アレグロ・ヴィヴァーチェ。8ビートかと思わず身を乗り出す始まりですが、一転してゆったりとした音楽に変わります。ヴィオラの旋律がなんともいえずしっとりと。どこか悲しげなのは、音楽家が置かれた境遇なのでしょうか。再び速いリズムで、でもビートは弱まり、決然と終わります。4人が弓を上げて音の余韻を聴いているとき、私も初めての音楽の余韻に浸りました。
当日は、佐藤敏直さんの息子さんが来場、駒込綾さんから紹介がありました。亡き父親の作品の演奏を耳にする息子の気持ちは、どんなものでしょう。当方も、今年父を見送ったばかり。つい、そんなことを考えます。

ここで休憩です。ざっと見たところ、入場者数は80名くらいでしょうか、暖房がきいて、会場は充分に暖かです。要予約だそうですが、託児所もあります。駐車場も、以前は有料の県駐車場に入れていましたが、ふだんは夕方5時ころには閉まってしまうらしい無料の文翔館駐車場(建物北側の道路向かいにある)が、催し物があるときには終わりまで開いていることを知り、そこへ入れることにしています。これなら、時間前に来たときには、文翔館をゆっくり眺めて、駐車料金の心配もなく、「シベール」でお菓子やコーヒー、軽食を楽しむこともできます(^o^)/



そして、ブラームス。弦楽五重奏曲第1番、Op.88です。
第1楽章、アレグロ・ノン・トロッポ・マ・コン・ブリオ。ああ、ブラームスだ!と思わせる、渋~い、しかし豊かな弦の響き。ヴィオラが1本増えると、こういう音がするのですね!第1ヴァイオリンだけが突出するのではなくて、互いに響きあう音。世の人々に、「ブラームスは渋い」「地味」と言わせるのに、「そこがいい」と世のブラームス好きを魅了する響きです。
第2楽章、グラーヴェ・ed・アパッショナート~アレグレット・ヴィヴァーチェ~プレスト。ed は and の意味なのかな?さすがの Google 君も、変な意味しか教えてくれません(^o^) 意味は、たぶん「荘重に、そして情熱を持って~速く、輝かしく~最速に」くらいか。このへんが、素人音楽愛好家の弱点です(^o^)/
Op.88という作品番号を持ちますが、若き日の素材を用いているのだとか。ゆっくりとした部分と速い部分が、今と昔を回想するかのように、交互に現れます。第1ヴァイオリンが美しい音色を披露しますが、でもやっぱり全体のバランスの中での役割で、合わせる響きは充実しています。思わず聴き惚れてしまって、なぐり書きのメモさえ取れませんでした。
第3楽章、アレグロ・エネルジコ。フーガです。5つのパートが絡み合う様は、実演ならではです。こういう曲になると、誰かが弱気になると全体が崩れてしまうため、各奏者の気合いが大切になるように思いますが、田中さんが入って気合い充分。正面に見えるチェロの茂木さんの目の色が、表情が、真剣です。もう、生のブラームスを満喫しました。

アンコールは、再び四人で「ソーラン節」。次回の幸松肇さんの「弦楽四重奏のための4つの日本民謡第1番」の予告でしょう。この曲目、今年の大収穫でした。とってもとっても素敵な音楽です!次回の、日本初演になる「最上川舟歌」を聴くために、しっかり前売券を購入して帰途につきました。

(*):山形弦楽四重奏団第29回定期演奏会を聴く(1)~電網郊外散歩道
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山形弦楽四重奏団第29回定期演奏会を聴く(1)

2008年12月04日 06時28分25秒 | -室内楽
山形弦楽四重奏団の第29回定期演奏会のため、師走の山形市に少し余裕を持って向かったつもりが、およそ90km近くを走って到着したのは、茂木智子さん・田中知子さんの2人による Ensemble Tomo's プレコンサートがほとんど終わる頃になってしまいました。でも、本番には間に合ったぞ。良かった~(^o^)/

そして、黒いドレスでスリムなシルエットの駒込綾さんのプレトーク。来場の皆さんへのご挨拶とお礼、第30回定期演奏会の予告(*)と入場料値上げについての説明があり、本日の曲目を簡潔に紹介します。次回の定期演奏会のちらしはカラー印刷です。どこか外国のような背景は、村山市の東沢公園の駐車場の北側にある斜面と見ましたが、いかに?

第1曲、ハイドンの弦楽四重奏曲作品76の4「日の出」です。第1ヴァイオリン:駒込綾さん、第2ヴァイオリン:中島光之さん、ヴィオラ:倉田譲さん、チェロ:茂木明人さんの四人です。
第1楽章、アレグロ・コン・スピリト。第1ヴァイオリンの旋律がほんとに魅力的ですし、チェロの音色にハッとします。第2ヴァイオリンとヴィオラが内声部を充実させ、響きのバランスはぴったんこです。ハイドンの弦楽四重奏曲全曲演奏を目指し、第30曲目となる今回だけに、経験も伊達ではありません。ハイドンのカルテットの語法が手中に入っている感じです。
第2楽章、アダージョ。奏者は集中力を要するところでしょうが、聴いているほうには、たいそう幸せな、ゆったりした時間が流れます。できればもう少しだけ伸びやかさがほしいかな、というのは、ハイドン好きの欲張りかもしれません。
第3楽章、メヌエット:アレグロ。軽やかな舞曲だけに、第1ヴァイオリンの、澄んだ音と軽やかにジャンプする音程の両立が難しそう。でも、軽やかさはよく出ていると感じました。
第4楽章、フィナーレ。アレグロ・マ・ノン・トロッポ。4人が、次第にフィナーレに向かって追いこんで行くところがすごいです。カルテットを聴く醍醐味です。

(*):次回は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」とハイドンの「蛙」、幸松肇さんの「弦楽四重奏のための4つの日本民謡」第1番、そして山形弦楽四重奏団委嘱(いしょく)作品、幸松肇さんの「弦楽四重奏のための最上川舟唄」の日本初演が予定されています。

今朝は早出なので、とりあえず、今回はここまで。続きはまた明日とします。
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かんたんな夕食ですませ、読書三昧

2008年12月03日 07時16分30秒 | 料理住居衣服
お米がなくなって来たので、パンで簡単な夕食としました。ショウガと塩で下味をつけ、ホウレンソウと豚肉を煮て、スープごと深皿にとり、大根おろしとポン酢にお醤油でいただきます。土鍋で作れば常夜鍋ですが、深皿に取ればいかにも洋風に見えるところがミソ(^o^)/
スープが冷めないうちに、大根おろしとポン酢のタレに入れて飲むのも、ホウレンソウと豚肉の味が出ていてなかなか Good です。あとは、適当にヨーグルトとコーヒーでもあれば、単身赴任料理として、まずはよろしいんじゃないでしょうか。
これで読書三昧の中身ですが、こちらはちっとも洋風ではなく、佐伯泰英さんの『居眠り磐音江戸双紙』シリーズです。豊後関前藩の物産プロジェクトの行方を追うのが楽しみですが、今回は江戸城修復のための石切り場の選定にかかる汚職事件がらみのお話。
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佐伯泰英『遠霞ノ峠~居眠り磐音江戸双紙(9)』を読む

2008年12月02日 06時53分07秒 | -佐伯泰英
豊後関前藩の物産プロジェクトの行方に、NHKの「プロジェクトX」的な興味を持ち、前々作の「おこん、ついに告白!」に対応して奈緒にバランスを戻す、思わせぶりな話がくるのでは、と予想したのでしたが、第8巻ではちらりと伏線を見せただけで終わっておりました。佐伯泰英著『居眠り磐音江戸双紙』シリーズ、今回の第9巻『遠霞ノ峠』では、案の定、吉原を舞台に白鶴太夫が登場しますが、それよりも深川周辺のエピソードと関前藩物産プロジェクトの姿がようやく見えてきます。
第1章「望春亀戸天神」。うららかな春のお彼岸、江戸33観音第30番札所・普門院に、今津屋吉右衛門の代参に出向いたおこんと宮松、そして用心棒の坂崎磐音が小吉に白鶴太夫の噂話を聞きます。深川に戻り、幸吉がうなぎ宮戸川に奉公に入るのに立ち合い、関前藩の若い藩士二人に宮戸川の鰻をおごっていると、幸吉が釣銭詐欺にあってしまいます。神田三崎町の佐々木道場でも、菓子屋奉公中の娘が釣銭詐欺にあい、神田川に身を投げる騒ぎが。血気盛んな幸吉は自分で詐欺漢を見つけると奉公先を飛び出します。奉公ってぇものがわかっていない子どもなんですね。
第2章「仲ノ町道中桜」。浮世絵師・北尾重政の描く白鶴太夫の絵姿に心を動かされつつ、磐音は豊後関前藩の物産プロジェクトの成果を満載した借り上げ弁才船・正徳丸の到着を待ちますが、若狭屋の番頭から、先着の他の船が嵐に遭い、荷投げをしてようやくたどり着いたことを知らされ、若い藩士の伝之丈と秦之助とともに不安を覚えます。このあたり、はらはらさせるのも作者の腕でしょう。加えて、奈緒にこだわる磐音を、おこんがじれったく思う場面もあり、吉原の太夫の人気投票などはどうも興味感心が持てません。それより何より、船です。無事到着の中居半蔵を待ち伏せた刺客の存在など、豊後関前藩の前途はまだまだ多難なようです。
第3章「春霞秩父街道」。幸吉・おそめの件で借りのある金貸し兼やくざの権造一家の借金取りの用心棒に、品川柳次郎と一緒に青梅街道を秩父に向かいます。強面の借金取り話もあれば、なんと女衒の用心棒まであるらしい。作者は貧乏イコール身売りと判で押したように物語を進めます。いやはや!やっぱり講談調です。しかも、田舎娘たちは都会に憧れて身売りも平気というのですから、なんとものどかというか無神経と言うか。田舎暮らしで娘の父親の立場では、この想定はいささかむかっ腹が立ちます(^o^)/
第4章「星明芝門前町」。早足の仁助の情報では、江戸家老の福坂利高と横目の尾口小助なる有能だが得体の知れない男がつながっているとのこと。藩が借り上げた正徳丸は大きな利潤をあげますが、帰り船が空では商売になりません。白鶴太夫に十八大通とは、次章の登場人物の地ならしでしょう。宮戸川の鰻の白焼きを手に提げて藩下屋敷に向かうと藩主夫妻が歓待してくれる坂崎磐音さん、帰途、物産所の実権を持つ中居半蔵への再度の襲撃を防ぎきります。
第5章「八丁堀三方陣」。お初にお目にかかります、新たな登場人物です。江戸城奥医師、桂川国端という蘭方医が、十八大通の一人と判明、杉田玄白・前野良沢らとともに『解体新書』の翻訳にも関わった人物とのこと。宮戸川で鰻を食す国端、中川淳庵、磐音の三者は、さしずめビジネス界の異業種交流でしょうか。ついに謎の男・尾口小助が登場、忍びの術を心得る早足の仁助が斬られるほどの腕前は誰か。やはり案の定でした。それはともかく、磐音の妹の伊代が嫁いだ義弟の源太郎も、人柄が良さそうで、何よりです。

豊後関前藩の物産プロジェクトの動向は、なかなか面白い。奥州屋の古着を積んで帰り荷とするなど、たいへん都合良く進んでおります。仕事もこううまくいくと、苦労はないのでしょうが(^o^)/
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