電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

山形弦楽四重奏団第29回定期演奏会を聴く(1)

2008年12月04日 06時28分25秒 | -室内楽
山形弦楽四重奏団の第29回定期演奏会のため、師走の山形市に少し余裕を持って向かったつもりが、およそ90km近くを走って到着したのは、茂木智子さん・田中知子さんの2人による Ensemble Tomo's プレコンサートがほとんど終わる頃になってしまいました。でも、本番には間に合ったぞ。良かった~(^o^)/

そして、黒いドレスでスリムなシルエットの駒込綾さんのプレトーク。来場の皆さんへのご挨拶とお礼、第30回定期演奏会の予告(*)と入場料値上げについての説明があり、本日の曲目を簡潔に紹介します。次回の定期演奏会のちらしはカラー印刷です。どこか外国のような背景は、村山市の東沢公園の駐車場の北側にある斜面と見ましたが、いかに?

第1曲、ハイドンの弦楽四重奏曲作品76の4「日の出」です。第1ヴァイオリン:駒込綾さん、第2ヴァイオリン:中島光之さん、ヴィオラ:倉田譲さん、チェロ:茂木明人さんの四人です。
第1楽章、アレグロ・コン・スピリト。第1ヴァイオリンの旋律がほんとに魅力的ですし、チェロの音色にハッとします。第2ヴァイオリンとヴィオラが内声部を充実させ、響きのバランスはぴったんこです。ハイドンの弦楽四重奏曲全曲演奏を目指し、第30曲目となる今回だけに、経験も伊達ではありません。ハイドンのカルテットの語法が手中に入っている感じです。
第2楽章、アダージョ。奏者は集中力を要するところでしょうが、聴いているほうには、たいそう幸せな、ゆったりした時間が流れます。できればもう少しだけ伸びやかさがほしいかな、というのは、ハイドン好きの欲張りかもしれません。
第3楽章、メヌエット:アレグロ。軽やかな舞曲だけに、第1ヴァイオリンの、澄んだ音と軽やかにジャンプする音程の両立が難しそう。でも、軽やかさはよく出ていると感じました。
第4楽章、フィナーレ。アレグロ・マ・ノン・トロッポ。4人が、次第にフィナーレに向かって追いこんで行くところがすごいです。カルテットを聴く醍醐味です。

(*):次回は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」とハイドンの「蛙」、幸松肇さんの「弦楽四重奏のための4つの日本民謡」第1番、そして山形弦楽四重奏団委嘱(いしょく)作品、幸松肇さんの「弦楽四重奏のための最上川舟唄」の日本初演が予定されています。

今朝は早出なので、とりあえず、今回はここまで。続きはまた明日とします。
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