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沖縄の針路「基地集中 本土は加害者的立場」と藤井誠二さん

2019-05-24 23:02:05 | 沖縄の過去・現在・未来
売春街の浄化運動のドキュメントは読ませた。『沖縄アンダーグラウンド 売春街を生きた者たち』、確かに戦後の沖縄、基地の強要、米軍の暴力や日米地位協定があって今に続く。
 このドキュメント書籍はしかし戦前からの連続性には触れていない。いびつな社会構造はいわゆる琉球処分の頃、そしてそれ以前から続いていたのだ。売春街は琉球王府時代から続いている。
 人類の歴史の総体を見据える必要があるのだろう。紀元前から売春街があったこの地球社会である。沖縄も差別社会で階層があった。その中で少女たちが遊里に売られていった。戦争の修羅(地獄)から戦後生き延びてきた歴史の中に「沖縄の恥部」といわれた街があった。現在も―。アンダーグランドは決して消えてはいない。真栄原新町や吉原が消えていったその歴史の痕跡を残したドキュメントは戦後沖縄史そのもの、そして現在はー?
 戦前、戦時中の日本兵の横暴さは記憶され記録されている。戦後の米兵による残虐な暴行事件の数々も記録されている。そして現在、暴行事件が消え去ったわけではない。表象、街の姿は変容しつつも時代と共に、ある少女たちは、そしてある成人女性たちは生きる糧として売春を日常とする。めまいのような、繰り返される人間の属性のような習俗があり、法的にも『浄化』することができない人間社会でもある。
 性の防波堤は、歴史の中に埋め込まれてきたー、現在もあり続ける。子供の3人に1人が貧困層と統計数字がはじき出される沖縄、貧困ゆえに少女は遊里に売られ、貧困ゆえに21世紀現在、少女は売春行為をする。その事実から目をそらすべきでない、と思う。貧困が幽霊のように高層ビルが建つようになった時空を覆っている。
 浄化運動の経緯はひきつけたがその推移にはペーソスと建前の言葉が並んでいるようだ。


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