志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

『新潮』5月号に掲載された「あなた」(大城立裕)を読み「地球星人」(村田沙耶香)まで読んでしまった!

2018-04-14 20:42:04 | 書評

大城先生の「あなた」は去年永眠された奥様との60年間の痕跡、病との闘いがしみじみとして読ませた。ご家族の様子も手に取るように、それでも時を埋めるには10倍の1000枚でも必要に思えるが、やはりしんみりと心に入ってきた。ついでに「地球星人」を惹きこまれて読んでいたが、後半はグロイイメージで興ざめしていた。長編、380枚の小説を久しぶりに読んだが、読まなければよかったと思った。

世界=人間工場、生殖のための恋なり結婚というちょとハットさせるが、漫画のような繰返し、宇宙や宇宙人、セクハラ塾講師と少女の関係など、長野の限界集落、そして、蚕、繭のイメージが膨らんではいくが、終幕がどうもで、グロイのが気になった。これが秀作と言えるだろうか?生き延びること、自分のために生きるというテーマなどと、輻輳するイメージが後半がどうも人間ではなく人間が蚕になるイメージもあるがーーー。無駄な時間を過ごした気分で閉じる。

大城立裕先生の「あなた」は私小説になるのだろうけれど、家族の姿が、老い、病、がしみじみと伝わってくるのがいいね。奥様のお顔が浮かんできた。


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