
(市場の中)
視聴者の評価の★が4・5と高かったので観た、確かに良かった。デンマークの島が舞台である。デンマークはスカンジナビア半島にとても近いのです。それでスウェーデンの将軍となるローレンスがデンマークの島へ休養にくるのです。
1881年を舞台にしています。フランス革命があり、パリ・コミューンがあった後のデンマークのとある小さな島の物語。美しい敬虔な姉妹がいました。彼女たちの若い頃のラブストーリーがあり、牧師の老いた父親がいて、父親と信仰に人生を委ねる美しい娘たち、そしてそこにフランスから家族を殺戮され疲弊したバベットがやってきます。質素な島の生活、その中での精神と信仰の美しさと姉妹たちが選んだ人生の色合い~。世俗と聖なる信仰、精神的な安寧と喜び、背反する観念が物語をつないでいく。食する人間の幸せ、作る喜び、食への敬虔なる思いと技量。晩餐会の最後のクライマックスの場面が圧巻!食への関心を引き立てる。フランス料理への関心も~。ワインも~。
http://mermaidfilms.co.jp/babettes/
**************以下はウィキピーディアからです。***********
時代は19世紀、重苦しい雲と海を背景にしたユトランドの片田舎が舞台である。美しい姉妹であるマーチーネとフィリパは、牧師である老父と清貧な暮らしを送っている。姉のマーチーネには地元で謹慎中の若い士官ローレンスが、また妹のフィリパには休暇中の著名なフランス人バリトン歌手アシール・パパンが求愛するが、姉妹は父に仕える道を選び、結婚することなく、清廉な人生を過ごしながら年老いていく。やがて姉妹のもとに、パリ・コミューンによって家族を亡くしてフランスから亡命してきた女性バベットがパパンの紹介でやって来て、家政婦として働くようになる。
姉妹の父である牧師が亡くなって、村人の信仰心が衰えを見せていたため、姉妹は父の生誕100年を記念したささやかな晩餐会を催して村人を招待することを思いつく。そんな折、バベットに1万フランの宝くじが当たったという知らせがフランスから届く。マーチーネとフィリパは、バベットがこのお金でフランスへ戻るであろうことを予期し、寂しく思いながらも、その思いは2人だけの心にとどめおく。その直後、バベットは姉妹に対して、お願いしたいことがあると申し出る。それは、祝いの晩餐会の食事を作らせて欲しい、また、今回だけフランス料理を出したい、費用は自分が出したい、というものだった。実はバベットには、姉妹には話していない秘密があった。バベットはかつて、パリの有名レストランの女性シェフだったのだ。また、牧師の生誕100年を祝う晩餐会のために、宝くじで当たった1万フランをすべて使おうと決めていた。
バベットに晩餐の準備を一任したものの、運び込まれた食材が生きたウミガメやウズラであることを見たマーチーネはショックを受け、夜中にウミガメが火にあぶられている夢で目が覚める。マーチーネは天罰を恐れ、村人たちと話し合って晩餐会では食事を味わうことなく、食事の話も一切しないことを決める。晩餐会にはかつてマーチーネに求愛していたローレンスも参加することになる。
バベットは豪華な料理をてきぱきと用意し、晩餐会が開かれる。料理のあまりの美味しさにローレンスは感動するが、マーチーネをはじめとする他の参加者は食事について言及することなく、不自然な会話を繰り広げる。料理の内容からローレンスは、この料理を作っているのが、かつてパリで人気だったレストラン「カフェ・アングレ」の女性シェフであることに気付く。頑なに食事を味わうことを避けていたマーチーネたちも料理の美味しさに心を解きほぐし、いがみ合っていた者同士も打ち解け合う。こうして晩餐会は無事に終わる。
晩餐会のあと、バベットはマーチーネとフィリパに、自分がかつてレストラン「カフェ・アングレ」のシェフだったことを初めて打ち明ける。パリに戻ってもあなたを忘れないとバベットに言う姉妹に対して、バベットはパリには戻らないと言う。「私は全て失った。お金もありません。」と続けるバベットに姉妹は驚き、お金のことを問いただす。バベットはこの晩餐会で1万フランをすべて使い切っていたことを話す。そしてアシール・パパンがバベットにかけた言葉を引用し、これからもこの地に留まるつもりであることを告げる。
************
美しい姉妹の若い頃の恋愛は美しい。しかし彼女たちは牧師の父親の両手になることを選ぶ。父親はなぜ娘たちの幸せを後押ししなかったのだろうか?世俗の人間の関係性、家族以上に神に仕えることが美しく純粋で幸せなことと達観していたのだろうか?信者の面々は俗世間に生きる人々である。父親の単なるエゴ-だったのか、それとも姉妹は現世の幸せ以上に信仰の道は美しく尊いものだと認識していたからだろうか?二人共に求愛した若い士官や著名なバリトン歌手に心惹かれていたことが描かれている。にも関わらず彼女たちは父親から離れることがなかった。
神への愛を父親への愛を恋愛以上に崇高なるものとして選んだのである。幸せとは何か?それは人それぞれでこれだという答えはない。彼女たちを愛した士官もオペラ歌手も永遠に彼女たちを心の中で愛していくことがわかる。俗世間の愛の絆を超えた精神的な愛、アガペ-【無限の愛】が信じられている。
ウィキピディアには「プラトンは『饗宴』の中で、男色者として肉体(外見)に惹かれる愛よりも精神に惹かれる愛の方が優れており、更に優れているのは、特定の1人を愛すること(囚われた愛)よりも、美のイデアを愛することであると説いている」と解説がある。
神への愛を選んだ娘たちの慎ましい人生は善意に満ち、美しく描かれている。主題の晩餐会の主人公のバベットの人生の色合いも深い。革命の後のパリコミューンの後の激動期を生きた一人の女性があえてユトランドへやってきて、フランス料理の腕を奮ってもてなす姿は感極まる。
前に見逃した秀逸な映画だ。お勧め!
視聴者の評価の★が4・5と高かったので観た、確かに良かった。デンマークの島が舞台である。デンマークはスカンジナビア半島にとても近いのです。それでスウェーデンの将軍となるローレンスがデンマークの島へ休養にくるのです。
1881年を舞台にしています。フランス革命があり、パリ・コミューンがあった後のデンマークのとある小さな島の物語。美しい敬虔な姉妹がいました。彼女たちの若い頃のラブストーリーがあり、牧師の老いた父親がいて、父親と信仰に人生を委ねる美しい娘たち、そしてそこにフランスから家族を殺戮され疲弊したバベットがやってきます。質素な島の生活、その中での精神と信仰の美しさと姉妹たちが選んだ人生の色合い~。世俗と聖なる信仰、精神的な安寧と喜び、背反する観念が物語をつないでいく。食する人間の幸せ、作る喜び、食への敬虔なる思いと技量。晩餐会の最後のクライマックスの場面が圧巻!食への関心を引き立てる。フランス料理への関心も~。ワインも~。
http://mermaidfilms.co.jp/babettes/
**************以下はウィキピーディアからです。***********
時代は19世紀、重苦しい雲と海を背景にしたユトランドの片田舎が舞台である。美しい姉妹であるマーチーネとフィリパは、牧師である老父と清貧な暮らしを送っている。姉のマーチーネには地元で謹慎中の若い士官ローレンスが、また妹のフィリパには休暇中の著名なフランス人バリトン歌手アシール・パパンが求愛するが、姉妹は父に仕える道を選び、結婚することなく、清廉な人生を過ごしながら年老いていく。やがて姉妹のもとに、パリ・コミューンによって家族を亡くしてフランスから亡命してきた女性バベットがパパンの紹介でやって来て、家政婦として働くようになる。
姉妹の父である牧師が亡くなって、村人の信仰心が衰えを見せていたため、姉妹は父の生誕100年を記念したささやかな晩餐会を催して村人を招待することを思いつく。そんな折、バベットに1万フランの宝くじが当たったという知らせがフランスから届く。マーチーネとフィリパは、バベットがこのお金でフランスへ戻るであろうことを予期し、寂しく思いながらも、その思いは2人だけの心にとどめおく。その直後、バベットは姉妹に対して、お願いしたいことがあると申し出る。それは、祝いの晩餐会の食事を作らせて欲しい、また、今回だけフランス料理を出したい、費用は自分が出したい、というものだった。実はバベットには、姉妹には話していない秘密があった。バベットはかつて、パリの有名レストランの女性シェフだったのだ。また、牧師の生誕100年を祝う晩餐会のために、宝くじで当たった1万フランをすべて使おうと決めていた。
バベットに晩餐の準備を一任したものの、運び込まれた食材が生きたウミガメやウズラであることを見たマーチーネはショックを受け、夜中にウミガメが火にあぶられている夢で目が覚める。マーチーネは天罰を恐れ、村人たちと話し合って晩餐会では食事を味わうことなく、食事の話も一切しないことを決める。晩餐会にはかつてマーチーネに求愛していたローレンスも参加することになる。
バベットは豪華な料理をてきぱきと用意し、晩餐会が開かれる。料理のあまりの美味しさにローレンスは感動するが、マーチーネをはじめとする他の参加者は食事について言及することなく、不自然な会話を繰り広げる。料理の内容からローレンスは、この料理を作っているのが、かつてパリで人気だったレストラン「カフェ・アングレ」の女性シェフであることに気付く。頑なに食事を味わうことを避けていたマーチーネたちも料理の美味しさに心を解きほぐし、いがみ合っていた者同士も打ち解け合う。こうして晩餐会は無事に終わる。
晩餐会のあと、バベットはマーチーネとフィリパに、自分がかつてレストラン「カフェ・アングレ」のシェフだったことを初めて打ち明ける。パリに戻ってもあなたを忘れないとバベットに言う姉妹に対して、バベットはパリには戻らないと言う。「私は全て失った。お金もありません。」と続けるバベットに姉妹は驚き、お金のことを問いただす。バベットはこの晩餐会で1万フランをすべて使い切っていたことを話す。そしてアシール・パパンがバベットにかけた言葉を引用し、これからもこの地に留まるつもりであることを告げる。
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美しい姉妹の若い頃の恋愛は美しい。しかし彼女たちは牧師の父親の両手になることを選ぶ。父親はなぜ娘たちの幸せを後押ししなかったのだろうか?世俗の人間の関係性、家族以上に神に仕えることが美しく純粋で幸せなことと達観していたのだろうか?信者の面々は俗世間に生きる人々である。父親の単なるエゴ-だったのか、それとも姉妹は現世の幸せ以上に信仰の道は美しく尊いものだと認識していたからだろうか?二人共に求愛した若い士官や著名なバリトン歌手に心惹かれていたことが描かれている。にも関わらず彼女たちは父親から離れることがなかった。
神への愛を父親への愛を恋愛以上に崇高なるものとして選んだのである。幸せとは何か?それは人それぞれでこれだという答えはない。彼女たちを愛した士官もオペラ歌手も永遠に彼女たちを心の中で愛していくことがわかる。俗世間の愛の絆を超えた精神的な愛、アガペ-【無限の愛】が信じられている。
ウィキピディアには「プラトンは『饗宴』の中で、男色者として肉体(外見)に惹かれる愛よりも精神に惹かれる愛の方が優れており、更に優れているのは、特定の1人を愛すること(囚われた愛)よりも、美のイデアを愛することであると説いている」と解説がある。
神への愛を選んだ娘たちの慎ましい人生は善意に満ち、美しく描かれている。主題の晩餐会の主人公のバベットの人生の色合いも深い。革命の後のパリコミューンの後の激動期を生きた一人の女性があえてユトランドへやってきて、フランス料理の腕を奮ってもてなす姿は感極まる。
前に見逃した秀逸な映画だ。お勧め!