
《近世琉球において、船の上で紅衣装を着けて三線を引くジュリ(芸妓)》
5ヶ月後に沖縄県立博物館・美術館講堂で昨年に引き続き、
第二回「沖縄の文化表象にみるジュリ(遊女)の諸相」のシンポジウムを開催します。
《芸能にみるジュリの表象/芸能者としてのジュリ》仮題
基本コンセプトは1609年以降の近世において、特に1672年に辻、中嶋遊里が誕生していらい1879年までの207年間、そして1945年第二次世界大戦が多くの犠牲を伴い終戦に至るまでの66年間、琉球・沖縄に実在した遊里(遊郭)で、女性を中心に営まれてきた芸能は沖縄の芸能史の中にしっかり位置づけられるべきである。273年間にわたる遊里(遊郭)で女性たちが築いてきた伝統、継承してきた芸能は特に近代において花開いたが、不可視だったジュリの女性たちが、近代に至って名前を持つ主体的な芸能者として表に躍り出てきた。彼女たちの芸に対する真摯な思い、探求、研ぎ澄まされてきた技芸と情熱なくして、戦後の沖縄芸能における女性たちの活躍もありえなかった。もちろん、玉城盛重、盛義、新垣松含、親泊興照、宮城能造などの沖縄芝居、琉球舞踊の名優の力が彼女たちの技芸を支えていたのも確かだと云えよう。沖縄芝居役者や古典の大家たちとジュリの関わりは深い。男優たちと競うように、日常のハレの場で、彼女たちは、見せる、聴かせる芸を追求してきたのである。
箏曲においても辻の女性たちが継承してきた歴史は現在の女性たちの隆盛につながっている。遊里(遊郭)のハレの場で日常的に歓待するために鍛えられてきた技芸を今一度振り返ってみたい。また彼女たちがになってきた歌・三線は多くの女性民謡歌手のみなさんに引き継がれている。人権のみの視点から、多義性のある文化価値を否定してきた女性政治家の「ジュリ馬行列」祭祀中止の阻害要因を跳ね除ける力(情念そのもの)で、晴れやかにジュリ馬のゆいゆいを踊っている現在の状況である。
ジュリ馬は祭祀芸能であり、予祝芸能である。歌・三線、遊里(遊郭)のジュリの芸は、常に予祝をもってこの社会で脈打っていた、と言えないだろうか?
期日:2015年3月10日(火曜日) 《旧二十日正月の日です!》
時間:午後5時から9時まで
場所:県立博物館・美術館講堂
主催:「沖縄の文化表象にみるジュリ(遊女)の諸相」科研・研究プロジェクト
時間は5−9時の範囲で、今回は芸能にみるジュリの表象で、芸能にフォーカスします。
古典、民謡、琉球舞踊、沖縄芝居、ジュリ馬など、芸能に盛りだくさんのジュリ(芸妓)の表象について実演と共に研究成果の報告の形態をとります。
(芸能者の彼女たちは美しい!)
以下は素案!
*芸能者としてのジュリーーー 多くの方々がいます。
(沖縄芸能を語る上で叙情性を伴う琉歌との関係は切り離せませんね。)
*古典音楽に表象されたジュリーーージュリを恋偲んで歌われた古典は多いです。(古典を歌ってもらいます)
*民謡に表象されたジュリーーー近代以降の民謡は口説も含め、多いです(民謡を歌ってもらいます)
*琉球舞踊に表象されたジュリーーー花風、金細工、川平節、渡地などーー舞踊家(X,Y,Z)
*沖縄芝居に表象されたジュリーーーきざみ節など、多いですね。 (PPTで紹介)
*映像にみるジュリの表象ーーよしや物語の上映も可能ですね。その映像分析もいっしょに!世良さん?
「花の台」もありますね。実際のジュリ馬の研究成果もあります。
パネラーの皆さんや、プログラムの詳細は、はっきり決まった事項からこのブログでアナウンスしていきたいと思います。とりあえずなんとか日時と場所が決まりました。
「辻は沖縄芸能の中心」と、かの音楽研究者・田辺尚雄は言い切りました。
(近代沖縄芸能の母胎としての遊郭)
このプログラムに関する、みなさまの率直なご意見をよろしくお願いいたします。歌三線、舞踊と研究報告だけではなく、楽しめるシンポになったらと思います。
(片膝立てでお箏を弾いていますね!冬の衣装です!音楽家の女性たちです!明治時代?!)