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幻獣ムベンベを追え 探検っていいなあ

2018-03-10 09:30:01 | 読んだ本の紹介


幻獣ムベンベを追え 

いまテレビ番組、クレージージャーニーの中で

未開の地へ自ら乗り込み、自ら麻薬中毒になるなど

捨て身で世界を探究していく姿で

一躍有名になった、高野秀行さんの自伝的ノンフィクション。


高野さんの早稲田大学在学中の話

探検部に入り、何かを成し遂げなければならないという

使命感で追われているときに

出会ったのが、

アフリカのコンゴ共和国で「ムベンベ」という怪獣を見たという情報

その情報に心を奪われた高野青年は

早稲田大学探検部をして、「ムベンベ」を追いに

コンゴまで行くことに

今と違って30年も前の話。

アフリカなんておいそれといけるものでもない

当時、政情不安で共産主義国家だった

コンゴへの旅立ちは

相当ハードルの高いものでありました

それをひょうひょうと書いてあります

コンゴへ行くまでがまず大変

まず言葉がわかんない。

コンゴで使われてる言葉を習うために

まずフランス語を習うとこから始めます

コンゴの現地語を勉強するためにコンゴ人を探すのですが

そうそうコンゴ人なんか日本にいないので、

代わりのコンゴ近くのアフリカ人を探し出します

ビザなんか発給してくれないので

向こうの政府に直接、陳情します。

お金が無いのでスポンサーを探します。

機材も何もない。

考えただけでも、行く前からやる気がうせそうな難題を

ひょうひょうとこなし

いつの間にか、隊員をあつめ、スポンサーもついて

コンゴへ向かいます。


コンゴでムベンベの研究者と合流しその博士とともに

コンゴの首都から、辺境の町までセスナで飛び

そこからムベンベがいるというテレ湖という湖に向かいます

辺境の街から、テレ湖近くの村まで行き

村で、原住民のポーターを雇うのであるが

これが村の掟やなんかがあってややこしいこと極まりなし

言葉が通じないので、声が大きくなるわ

金でもめるは、目を離すと物がなくなるわ

それは大騒ぎの末

漸く、村を出てテレ湖に向かうのですが

未開のジャングルを分け入る描写は、半端なく大変

テレ湖についてからも、机上で考えてたことが

ことごとく覆されていく姿は、涙を禁じ得ない

近くのピグミーがかつて住んでいたという跡にキャンプ地を設営し

ベースキャンプは湖畔に作るのですが

未開のジャングルに、テントを張るような場所があると思いますか?

いやありはしない。

それはもう七転八倒の大騒ぎが繰り広げられます

若気の至りで済むことなのか?

自問自答が日々繰り返される

探検といえば、テレビで川口浩の探検隊が1970年代

一世を風靡したので

あんなもんかを想像してましたが

実際は、あんな派手なことは一切なく

毎日湖面の観察という単調な日々を過ごし、

食べ物もわけのわからない獣の肉が食えればまだいい方で

そのうち食うものもなくなり

蠅やアブや蟻に襲われ、全身あざと膿だらけになり

マラリアで死にそうになる団員も現れます

そんな状況を毎日坦々とつづってます

面白い。

結局、ムベンベは見つからず、成果無しなのだが

そんなことはどうでもよくなる。

傷だらけ、膿だらけ、死にそうになった

アフリカの大地ですが

それでも、また訪れたくなるそうです。

わしが、学生のころこの本を読んでたら

もう少し違った生き方を選んだかもしれない

熱い熱量を持ったノンフィクションです

中学 高校生くらいの若い子に読んでほしい

そしておっさん連中にも、

探検に憧れた時代を思い出してほしいぞ

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)
クリエーター情報なし
集英社
コメント (2)
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