切断 黒川博行
黒川御大の本を読み返してます
いつもの大阪府警シリーズや疫病神シリーズのように
バディもののミステリーではなく
どちらかというと、大藪晴彦を思わせるような
ハードボイルドな作品でした
冒頭、何者かにより入院中の男が惨殺されます
男の耳がそがれ、耳の中には小指がつっこまれていました。
小指の主は、沢木。取り込み詐欺の罪で服役後、出所して行方知れず。
小指の断面には生体反応がなく、沢木も死んでおり連続殺人となる。
物語は、謎の犯人の男の目線で進んでいきます
男は詐欺事件に絡む故買屋の男を殺し、舌を切り取ります
男は続いて詐欺事件の首謀者の暴力団組長を襲うが未遂に終わる
組長の娘を誘拐し、組長を誘い出し殺そうとするが、またも失敗
娘の局部に故買屋の舌を突っ込み解放する
警察は沢木の犯行を疑うが、切断された小指は沢木が死んでいることを示している
警察は沢木の妹のはるみを追ううちに、事件の真相にたどりつく
とまあこんな感じ
謎の男の視線で物語がすすみ
ハードボイルドに関係者を殺していきます。
道具の用意から始末まで詳細に描いてあり
リアリティがあります。
携帯電話もネットもない時代のクライムサスペンスですが
古臭くない
いつの間にか、犯人に感情移入してます
なかなか面白いですぞ