海の稜線
黒川御大の初期、1987年の発行作品。
携帯電話も監視カメラもない時代、足で事件解決する
大阪府警の文田刑事、通称ブンさん、総田部長刑事、通称総長
の凸凹コンビに東京から来たキャリアの萩原警部補。
この3人が難事件に挑む。
あらすじ
名神高速で、自動車の爆破事故がおきる。
乗車していた男女が黒焦げ死体となって見つかる。
身元の判明しない遺体。捜査は難航するが
ちょっとしたきっかけから、女の身元が判明する。
そこで事件が、ある海難事故に関係していることが
捜査線上にうかんできた。
船主、傭船主、造船主、荷主、日本の海運業の仕組みが
詳細に描かれています
あとがきでは、黒川御大の親父さんが一隻船長で
海運業の裏表を知り尽くしており
黒川御大も親父さんを手伝っていたそうです
現在の時代からは想像もできないバブル崩壊後の海運不況の
深刻さがリアルにしのばれる作品となってますね
東京から来たキャリアの萩原が年上のブンと
大阪と東京の文化の違いで角突き合わせるのもおもしろい
総長の美人の娘との恋のさや当てもいいアクセント。
足で稼ぐブンと総長、頭脳で謎を解く萩原、3人のでこぼこ
タッグが一歩ずつ真相に近づいていくのが小気味いいですぞ
それにラストがなんかいい感じです
ぜひお読みください。