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絵が殺した

2024-05-22 09:18:29 | 読んだ本の紹介

絵が殺した 黒川博行

黒川御大の本を読み返してますが
大阪府警の初期シリーズ。
切れ者吉永、昼行燈小沢コンビが難事件に挑みます。

時は1990年代 バブル終焉期
発端は、大阪南部の山林の竹やぶで白骨遺体が見つかり
大阪府警が捜査に乗り出す
去年福井の断崖で行方不明になった京都の画家であることがわかり
吉永と小沢の凸凹コンビが動き出す

画家の過去を洗ううちに、画家が過去の贋作事件に
かかわっていたことがわかる。
過去の関係者を当たるうちに、関係者と目される画商が金沢で死体みつかる
連続殺人かと捜査本部が色めき立つ中
吉永は風変りな画商矢野と出会う。
矢野は京都の日本画界隈の裏事情に通じており
なにかと、吉永に知恵を授ける。

いったい矢野は何者なのか?
目的は何か?

とまあこんな感じ
1990年代初頭、携帯電話もなく
まさに足で情報を集める時代
京都から、福井、山口と広域にわたる捜査がすすみます
連続殺人で、登場人物が限られる中
トリックとアリバイを崩していく吉永。
犯人を突き止めるのだが・・
さすがに初期の作品で粗削りですが
画商の矢野がとぼけた会話でいい味を出してます。

あとがきで黒川御大が書かれてました
当時は、バブルの終焉期
バブル時代は、まさに狂騒だったと
土地や株がうなぎ上りで上がっていく時代
日本画もその例にもれず、芸術品というより
資産として売買されていたという話。
黒川御大も、土地や日本画には手を出せなかったが
株はそれなりに買っていたと
それが一瞬にして消えてしまったという
それから、本腰を入れて作家活動に入ったというような話

なんか今の状況を反省せねば
オールカントリーとかで浮かれてる場合ちゃいますね
でも資産を増やさないと、老後が心配ですしねえ
おっとそんなことはどうでもいいんです

なかなか趣のある作品でした











コメント
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