農協合併があったことから、各旧JAにあったブランド米が、ことごとく消えて行ってしまった中で、唯一現存していると言っても良いブランド米がある。
それが「神代あきたこまち」。
かつて、秋田県最強のブランドとまで言われた「神代あきたこまち」である。
地元和牛の完熟たい肥を使用した循環型農業を、平成元年には確立をしていて、農林水産大臣賞も受賞している。
当時の旧JA神代と一緒に取り組んでいた「神代有機米生産研究会」の全盛期の生産者は240名を超えていた。
しかし、現在では40名を下回ってしまっている。
残念ながら、今の「JA秋田おばこ」は揺れに揺れていて、ブランド米を続ける余裕もなく、新しく作る余裕もない。
その中で今年、「箱入り娘ゆめお箱」を追いかける感じで、この「神代あきたこまち」を復活させようと計画している。
このブランド米が伸び悩んだ理由と、失速していった理由は、色々とある。
でも、いまさらそれらを言っても話にならないし、既に必要が無いこと。
復活させるためには、ハッキリと判っている「肥過ぎた土壌」を抑え込むことである。
毎年、完熟たい肥1.5トンを全ての圃場に投入。
それを20年以上続けてしまったことで、土壌が肥満化してしまっていて、土壌分析からも、1成分に異常な数値が出てしまっている。
なので、これを修正しない事には、健康なお米を作ることが出来ないのである。
かつては痩せ衰えていて、まともなお米も作れないことから、徹底した地力作りをしてきた。
それは、1つも間違いではない。
その証明として、「秋田最強」とまで言われたのだから。
しかし、土壌も生き物である。
何時かは不可がかかってしまう。
どうやって「肥過ぎた土壌」を抑えたら良いのか。
足りないのを足すことは出来るものの、抑えるという知識は、自分には無い。
地元生産者と普及員に頼るしかない。
なので今、「神代あきたこまち」のブランドシートの作成を、お願いしている。
今迄の栽培方法と土壌分析の結果を踏まえた、「肥過ぎた土壌」を抑え込む栽培方法を作るためである。
一番簡単なのは、無農薬・無化学肥料で栽培してしまい、地力を使い切ってしまう事であるが、トラブルとなっているのが1成分なので、それが出来ない。
頭の中では、「1年間抜いても大丈夫だ」という思いもあるが、今年の天候が危ない。
それを考慮すると、数年かけるしかない。
現在40名を下回ってしまっている、高齢化した「神代有機米生産研究会」。
鞭打つようなことはしたくないのだが、消してはいけないブランド米。
もう、ひと踏ん張り。
さらに、もうひと踏ん張り。
復活まで頑張ってもらうしかない。