生産者と話していて、「あの新品種は、自分も作ってみたけど、美味しくない。やっぱりコシヒカリを超えるお米は無い」って言いきられた。
それは本当なのだろうか。
新品種と言っていることから、まだ栽培経験として1~2年だろう。
それで、新品種の特徴を、最高レベルにまで引き上げる栽培は可能なのだろうか。
自分は、「生産者の方が、まだ上手に栽培できていないんじゃないの」と思ってしまう。
新品種であれば、コシヒカリの栽培方法とは違うだろう。
と言う事は、普及員等から、その新品種にあった栽培指導を受けなければならないだろう。
ちゃんと、言われた通りに栽培しているのだろうか。
そもそも、その新品種は、コシヒカリとは特徴が異なる品種である。
そして、その特徴は、その県には今まで無かった特徴である。
コシヒカリと比べれば、当然違和感となるのは明らかである。
美味しいか美味しくないのかの判断も判れることだろう。
コシヒカリに慣れていると、その違いをプラスと考えない生産者は多い。
なぜなら、コシヒカリが絶対だからである。
コシヒカリが全てで、それ以外は美味しくないと感じてしまう生産者が多いからである。
だからこそ、新品種については、産地だけの評価をしてはいけないのである。
美味しいか美味しくないかは、消費地での評価を知るべきである。
日本中の産地・地域・品種が集まっている消費地での評価は、その新品種の可能性までも教えてくれる。
だから、生産者1人で、栽培から販売までをやってはダメなのだ。
それだと、消費地の情報は手に入らないからだ。
生まれたばかりの新品種を、産地の生産者が「駄目だ」と見下すというのは最悪だと思う。
さらにそれを、SNSを使って批判してしまうのは、もっと最悪だと思う。
まだ将来が判らない新品種。
栽培に慣れてくると、もっと品質も特徴も引き出てくるかもしれない。
コシヒカリを超える品種に育つかもしれない。
その可能性を、産地の生産者が潰そうとしているのと同じだからだ。
SNSと言うのは、文字で残る。
もしその新品種が、これからコシヒカリを超える品種に、本当に育ってしまったとしたら。
その新品種を批判した生産者は、美味しくないと言い切った生産者は、その新品種を栽培するのだろうか。
栽培して、素晴らしい品種だと褒め讃えるのだろうか。
それとも、頑なに新品種を栽培しないで、コシヒカリを栽培し続けるのだろうか。
自分は、批判している新品種は、絶対に売れる品種だと思っている。
それは、消費者の反応からも判る。
数年後の、その生産者のSNSの投稿が楽しみである。