「いつも北海道の農協や生産者やユメピリカについて、いろいろと書いていますが、今年の北海道の農作物は甚大な被害となっているようです。こんな事にこそ言葉をかけてあげるべきではないのでしょうか。」というメールがきていた。
自分が付き合っているのは「魚沼を越えて日本一になりたい」と言ったJA新すながわと生産者と中空知エコ米生産共和国の生産者たち。
だから、温暖化が進んでいるとはいえ、北海道の気候の中では、まだまだハイリスクの、高度クリーン、極低タンパク、低タンパク栽培に挑戦してもらっている。
今年のお米が駄目だという事は、7月に産地視察に行った時に解っていた。
それ以降の天気が回復したとしても、挽回できる状態では、既になかった。
天気が回復しなかったら、今回の結果になる事も、あの時に解っていた。
ハイリスクの栽培を止めてしまい、あの時点で慣行栽培にしてしまえば、まだ何とかなったのかもしれないと思う。
だから、確認のために、品質区分の見直しや、ブランドシートの修正等の妥協案を提案した。
しかし、それを許さなかったのは生産者たちだ。
だから自分も、今回の結果になるだろうという覚悟を、その時から決めていた。
多分、ほとんどの生産者が「共済」の手続きをしなければならないだろう。
相当苦しい1年間となるだろう。
自分も、10年に渡り店の看板となっていた産地と品種を1年間失う。
想像を越えた、最悪の1年間となるだろう。
悔しい思いを知らない、煮え湯を飲んだ事が無いブランド米は、低い位置で止まってしまい、絶対に頂点には行かれない。
頂点に行くためには、足場を固めなければならない。
高く飛ぶためには、より低く沈まなければならない。
飛ぶためにはエネルギーも必要。
飛び方も、角度も考えなければならない。
天候・土・水等をを味方にしなければならないが、押さえ付けては駄目。
甘えても駄目。
友達関係でも駄目。
上限関係が見えるようでは駄目。
解っている事だが、順調に進んでいくと、どうしても甘えは出てくる。
手を抜いていない、さらに努力をしていると言っていても、「あれ?」と思う事は、現実として何度もあった。
今回の天候は、そんな産地と自分への「反省しろ」という戒めなのだろう。
「努力が報われない年」だと産地は言ったが、それは絶対に違う。
努力したからこそ、ハッキリとした答えが出せる。
反省が出来る。
分析と解析が出来る。
その結果は、必ず将来のためになる。
「来年はリベンジする」とも言った。
言いたい事も、思いも解る。
しかし、リベンジではない。
その言葉は正しくない。
だから、優しい言葉も、慰める言葉も、応援の言葉も言わない。
「頑張れ」は一番言われたく無い言葉。必ず「頑張っているよ!」と言い返したくなる言葉。
だから、絶対に言わない。
しかし。
唇を噛み締めている自分がいる。
泣きたいのを我慢している自分がいる。
叫びたがっている自分がいる。
キツイぜ。