相場英雄 震える牛

平成版砂の器　と称される、社会派ミステリー、相場英雄さんの　震える牛　を読みました。
6月にWOWOWで連続ドラマ化され、人気に火がついた作品だそうです。

あらすじ・・・・（「BOOK」データベースより）
警視庁捜査一課継続捜査班に勤務する田川信一は、発生から二年が経ち未解決となっている「中野駅前　居酒屋強盗殺人事件」の捜査を命じられる。
当時の捜査本部は、殺害された二人に面識がなかったことなどから、犯人を「金目当ての不良外国人」に絞り込んでいた。
しかし「メモ魔」の異名を持つ田川は関係者の証言を再度積み重ねることで、新たな容疑者をあぶり出す。
事件には、大手ショッピングセンターの地方進出に伴う地元商店街の苦境、加工食品の安全が大きく関連していた。
現代日本の矛盾を暴露した危険きわまりないミステリー。

居酒屋強盗殺人事件と言う仮面の陰に、一見何のつながりも脈絡もない2人が同時に殺されます。
その未解決事件に迫った田川は、小さなほころびをコツコツつついて、少しずつ犯人に繋がるピースをはめ込んでいきます。
偽装食品、食の安全、大規模ショッピングセンターにつぶされていく地元商店街、大規模ショッピングセンターとテナントとの駆け引きなど
現代社会の問題点も定義しながら、物語は次第に真相をあらわにしていきます。
田川の律義さ真面目さの裏で、利権に絡んで隠ぺい工作に走る政界関係者と警察内部の人間たち。
その罠をかいくぐって、田川と部下の池本が真相にたどり着くさまは小気味いいのですが
全てが解明されても、長いものに巻かれなくては渡っていけないこの世の中・・・
スカっと解決とはいかないもどかしさが、何だかちょっと悔しいです。

【送料無料】震える牛 [ 相場英雄 ]価格：750円（税込、送料込）

　ランキングに参加しています
足跡代わりにクリックしていって頂けると嬉しいです