畠山義綱のきままな能登ブログ

畠山義綱が見てきた史跡を紹介します。
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丸岡城訪問記

2023-08-13 07:45:40 | 歴史

今回は、福井県坂井市にある丸山城訪問記をお伝えします。1575(天正3)年に織田信長が一向一揆を平定するために城を築かせることにした。その命を受けた柴田勝家の養子である勝豊は最初豊原に築城したが、1576(天正4)年に丸岡の地に移して築城した平山城がこの丸岡城です。

丸岡城の近くは図書館やふれあい広場などもあります。毎年10月には「丸岡古城まつり」が開催され、メインイベントの時代行列「五万石パレード」では鎧兜姿の武将が人形山車や子ども奴など総勢400人を従え練り歩くそうです。模擬店などもたくさん出店されるそうで、地元に親しまれている場所だということがわかります。

 丸岡城の天守閣は1934(昭和9)に国宝に指定されました。しかし、1948年(昭和23)年の福井大地震により天守閣が倒壊して国宝ではなくなってしまいます。そこで国の重要文化財に指定されたことから元の材料を生かして1950(昭和30)年に修復し再建されました。丸岡城は「北陸唯一の現存天守」と言われるが、国宝再指定に向けて再建されたことがネックになっていました。しかし、現在でも7割の部材が江戸時代の物が使われていることが調査で明らかになりほぼ往事の姿を留めていることが「北陸唯一の現存天守」と言われる所以で、地元民も「丸岡城天守を国宝に!」なることを切に願っている。

 ちなみに、このお土産物屋さん。「一筆啓上茶屋」と言われる。その名前の由来は「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」という本多重次が陣中から妻に宛てた手紙にちなんでいる。それが故に「日本一短い手紙の館」という資料館も併設している。

丸岡城は入場料は大人1名450円。丸岡歴史民俗資料館の料金も共通です。

入場券がちょっと凝っていると思っていたら、坂井市丸岡町は織ネームや織テープなどの細幅織物の産地で、全国の7割を生産しているのだそう。タグやワッペンなど幅広く使われるだけに、このような入場券になったようです。入場券から興味を持たせるというのは面白い趣向だなと思いました。

受付の後ろはこのような広場になっています。

受付近くにある展示を見ると、この場所はもう本丸の1部だったことがわかります。

この受付の展示では丸岡城のポイントを学ぶことができるので、先に見ておくことをお勧めします。

このイメージ絵を見ると、受付の場所は埋門(うずみもん)と不明門(あかずのもん)の間の曲輪にあたります。駐車場は東の丸です。丸岡城を有する丸岡藩は5万石とそれほど多くないので城の規模も中規模である。しかし、18世紀初頭に藩主有馬氏は外様から譜代に格上げされ、老中も輩出する家柄であった。

さて、そろそろ天守閣へ向かいましょう。

天守への階段は非常に急で手すりもありません。登城の際は気をつけてください。

天守閣の屋根にある鯱。現在は木彫銅板張りのものが乗っていますが、1940(昭和15)年の修理の際は日中戦争中であり物資の銅が足りず石で屋根上の鯱が造られたそう。その鯱がここに展示されている。

では入場します。

復興天守や模擬天守ではなく現存天守なので、長野県の松本城のような急な階段です。防御施設だけに全然バリアフリーではありません。

本多重次と成重親子のイメージ図があるのは、1613(慶長16)年に本多成重がこの地に4万石を与えられたからです。丸岡城の城主は柴田豊勝(関ヶ原西軍に与したため没収)以降、今村氏(流罪)→本多氏(改易)→有馬氏と続いて版籍奉還・廃藩置県を迎えた。

 模型でみると中規模の丸岡城で、二ノ丸の御殿がかなり巨大であることがわかります。さらに城の内堀が全国的にも珍しい五角形の形をしている。天守の最上階からはこの特徴的な五角形の内堀が一望できそれは素晴らしい眺めであったと思われます。老中も輩出している藩だけに格式にこだわったのでしょうか。

丸岡城天守閣の最上階から西をみる景色です。遠くに連続高架橋が見えます。北陸自動車道は城の東側なので、あの連続高架橋は開通前の北陸新幹線です。2023(令和6)年春に北陸新幹線の金沢-敦賀間が開業しますが、もうほとんどできあがっていますね。

次に丸岡歴史民俗資料館に行きます。入場料で入れます。

この丸岡歴史民俗資料館の辺りは城の裏門だったようです。できればこの堀も再現してくれると城としての見栄えが格段にあがるのですが、もうすでに周辺が図書館などで開発されているので難しいですね。また、資料館の奥にある空き地にはこんな計画があるようです。

坂井市は2006(平成18)年に坂井町・春江町・丸岡町・三国町が合併してできた市です。ここに丸岡観光センターを作って旧丸岡町の観光掘り起こしを狙っているのでしょう。中世史にはあまり関係はありませんが坂井市と言えばここも有名な観光スポットです。

「東尋坊」です。この巨大な岩は、火山のマグマが冷えて固まってできた巨大な柱状の岩です。

私の世代だとサスペンスのエンディングで使われる場所のイメージで、船越英一郎と片平なぎさが登場しそうです。

その世代でなくても、この巨大な岩には圧倒されます。ぜひ坂井市や丸岡城に行った際には立ち寄って欲しい場所です。



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