畠山義綱のきままな能登ブログ

畠山義綱が見てきた史跡を紹介します。
時々、経済や政治などもつぶやきます。

考古学

2008-09-22 23:36:15 | 歴史
 歴史を専門に学習していない人が興味を持つのはやはり郷土史であろうか。郷土史を素人が見るとき、やはり政治史どうしても中心に見てしまい経済史・民俗史・文化史はおろそかになりがちである(っていうか、中学高校時代の社会の歴史で文化とか一番苦手だった)。とくに、学校の社会の授業であれば考古学に触れる機会はあまり無いと言ってよい(わずかにあるとすれば、三内丸山遺跡や吉野ヶ里遺跡などの縄文・弥生時代ヵ)。だからこそ、考古学というものに、在野歴史家はあまり注目しない場合が多いのではないだろうか。しかし、資料的制約が多い(つまり古文書があまり残っていない)中世の地方大名や守護大名や国人クラスの歴史を知る上で考古学はきわめて重要な知識を提供してくれる。私はそれを朝倉一乗谷史跡(福井県)に行くまで十分に認識していなかった。
 考古学情報を知るにはどうすればよいのか。一番は発掘調査現場に行くことだが、もちろん素人では発掘調査に参加などできない。また、自治体などが刊行している発掘調査報告書は、内容的にものすごく専門的でパッとみで素人がわかるようなものではない。ではどうすればよいのか。それは各県にある「埋蔵文化センター」を利用するのである。
例えば石川県。
http://www.ishikawa-maibun.or.jp/
このサイトでは、平成17・18・19年に行った七尾城発掘調査の現地説明会の資料がpdfファイルで見ることができる。
例えば愛媛県。
http://pc2.ehimemaibun-unet.ocn.ne.jp/
このサイトでは、愛媛県松山市にあった守護大名・河野氏の本拠・湯築城跡にある湯築城資料館の「湯築城だより」をpdfファイルで見ることができる。どちらも地元に行かなくても有益な情報を知ることができるので重宝する。また、発掘調査報告書などと違って「専門用語ばかり」ということもない。ぜひ活用をお勧めしたい。

2019(平成31)年に整備完了

2008-09-16 21:13:55 | 歴史
 最近始めて知ったのですが、今年の1月になって山梨県甲府市が武田氏館の保存・整備を武田信虎が館を築いてから500年記念の2019(平成31)年までに行うことを発表した。武田氏館は「躑躅が崎館」(つつじがさきやかた)とも言われ、平地に築いた大規模な館と城下町を持つ(武田氏が大きな城を持つようになるのは、武田晴信(信玄)の時代である勝頼が築いた新府城まで時代が下る)。
 現在の武田氏館は、武田神社がぽつんと立っており、往年の巨大な館は素人が想起するのは難しい。「史跡武田氏館跡基本構想・基本計画」によると総整備面積は、約7万1000平方メートル。「大手門周辺」「北郭全域」「西曲輪」「梅翁曲輪」のエリアごと4期に分けて整備するとても大規模な計画である。

 最近は史跡は復元(復原)ブームである。平城宮跡(奈良県)しかり、一乗谷朝倉史跡(福井県)しかりである。また、大内氏館跡(山口県)も復原整備が進められている。
http://www.city.yamaguchi.lg.jp/dannai/soshiki/kyouiku/bunkazai/yakata/yakata.htm
大内氏館跡の中央に龍福寺が現存するので、史跡としての完全整備は難しいが、現在西門と枯山水の復元が完了している(上記サイトより。ただ西門…こんななんでいいの?とちょっと疑問に思う…なんか変?)。ガイダンス施設なんかもできるようで、一層の中世史跡への興味関心が深まるものと期待される。
 武田氏館の整備にしろ、大内氏館の整備にしろ、うらやましく思う。我が七尾城はこれいかに…。