畠山義綱のきままな能登ブログ

畠山義綱が見てきた史跡を紹介します。
時々、経済や政治などもつぶやきます。

八王子城再々訪 其の3

2012-11-28 04:44:00 | 歴史
前回までのあらすじ…八王子城ガイダンス施設に行きました。


 せっかくここまで来たのだから、八王子城の御主殿までほんの10分だから行っておこう…この考えがよかった!八王子城の根小屋地区入口の管理棟まで来るとある看板に目が行った。

なになに…「御主殿跡地の見学規制」?じゃあ行くのやめるか…ん!?なんで見学規制しているんだ?土砂崩れか???ん!!「御主殿跡地の復元的整備工事のため」だと!!うぉ~来年の2月には御主殿跡の建物が平面展示されることに!!なんとすばらしい。遺構の工事中が見れるのは今だけだ!よし行っておこう!



ここは八王子城の古道です。4年前と比べボロボロだった橋が整備されました。(2008/8/23のブログ参照)

さらに古道の横に手すりも付きましたね。↑2012年11月現在の八王子城古道。

↑2008年8月当時の八王子城古道。手すりがない。



さて、八王子城御主殿に来るのも3度目。いよいよ整備中の遺構とご対面。

 会所は平面展示ですね。主殿は礎石のみの展示ですね。庭園は本格的に復元してほしかったな…とはいえ史跡保存整備に前進前進。
 史跡は「そのままの状態で保存するのが望ましい派」と「復元的整備を行ってほしい派」に大まかに分かれます。「所詮室町戦国の復元的整備では想像復元なので、見る人のイメージが固定化してしまう」という意見が前者です。しかし、室町戦国時代のイメージをいまだ江戸時代のイメージでみることが多いのも現在の問題点。それにはこのような復元的整備を行って一般の観光客を取り込むことが必要だと私は後者の立場で思います。閑話休題。



 これは主殿整備の側溝ですね。だいたい復元的整備は元の遺構を埋め戻した後に盛土して模造して復元されます。これらの石も後で復元風に置いたものだと思われます。だとしても雰囲気でています。

これは庭園状遺構の場所です。大小の石が用意されています。

これは会所の部分です。平面展示を作るための直線部分を図っているところですね。来年2月の完成が楽しみです。

御主殿跡に設置された机とベンチ。公園ですからね。こういう施設もまた大切です。ただ…この辺りも発掘調査してほしいな…と願う私。


さぁ来年2月を楽しみに家へ戻るか…と御主殿地区を後にし根小屋地区を歩いていると、ガイドボランティアの説明を受ける団体が…
ガイド「この辺りに崩れていますが石垣が見えますね…」
私「ぬわぁ~にぃ~石垣ぃ~!!」

なるほど~こういうちょっとしたところを見逃すと惜しい気がする。来年2月はボランティアガイドに案内してもらって再チャレンジだ。4回目の訪問は要害部にも登ってみよう!


八王子城の駐車場を後にして、車を2分ほど走らせたところで…

 おお…北条氏照の墓かぁ。こういうのってたいがい歩いて5分くらいのところにあるよね…路駐しても大丈夫だろうと思って進みます。しかし、歩いて5分すると…

果てしないのぼり階段…路駐した愛車のことを考えて早く戻りたいんだけど…えいや~ここまで来たから行かなければ…とさらに5分で…

 北条氏照と家臣の墓。都指定史跡。史跡指定は1928(昭和3)年。この供養塔は氏照100回忌で追善のために建立されたそうな。お参りして急いで戻る。


 これで本当に帰宅路へ。帰りやけに歩行者が多いな…と思っていたら、

 八王子イチョウ祭りをやっていました。きれいなイチョウ並木道。今度は家族と来たいものです。

八王子城再々訪 其の2

2012-11-27 04:44:00 | 歴史
八王子城再々訪の巻其の2です。

前回まで。八王子郷土資料館で「八王子城の特別展」を見てきました。



上の写真が2008(平成20)年8月当時の八王子城駐車場の様子です。舗装もされていない砂利の駐車場でしたが、今までは城に訪問するのも路上駐車だったことを考えると格段に進歩しました。



 これが2012(平成24)年11月現在の八王子城駐車場の様子です。きれいに舗装されています。しかも駐車場が満車に近い状態…すごいですね。ガイダンス施設がオープンして1ヶ月経ったというのにこの人気。



 ガイダンス施設の前には「北条陸奥守氏照」や「武州八王子城」の幟が。雰囲気を盛り立てていますね。私「近藤出羽守綱秀」って知らない…まだまだ勉強不足だ。



 「国史跡八王子城跡ガイダンス施設」立派な看板が立っています。うしろの建物は八王子城のネーミングにあわせて八角形で建物をあしらったそうな。


ではいざ入館!


 館内はかなり見学者がいました。駐車場も入館料も無料だし、そりゃ人気でますな。オレンジ色の人は「八王子城ガイドボランティア」で八王子城跡の管理棟から御主殿までを無料でガイドするそうです。ガイドボランティアも増員されたらしく、ずいぶんガイドを連れて歩く人が見受けられます。自分も時間があったらガイドボランティアを楽しもうと思うのですが、今回は昼までに戻る約束の一人旅なので無念…。



 館内の配置はこんな感じ。意外と展示スペースが狭い。それはこの施設が「展示機能と休憩・レクチャー機能」の2スペースに分かれているため。学習会などの利用も想定されており、レクチャースペースは72名分の席が確保されているようです。



展示テーマはやはり「北条氏照と八王子城」。

そのための事前知識として北条氏の歴史についてもパネルで簡単に勉強できます。

氏照から上杉謙信への贈答品礼状や兄氏政の文書などもパネルに掲載されており、結構勉強になります。

 八王子城の御主殿の発掘調査のパネルです。何やら「八王子城の特別展」と内容がかぶりますが、それもその筈。特別展は期間が終われば展示終了。そのため、発掘調査を恒常的に訪問者に伝えるためにはここで解説するのが適切なわけです。解説にこの2棟の建物は同時期に存在したと書いてあります。まさに氏照の主要な館として使われていたんでしょうね。一方で、全体としてはこの館の使用期間が短いことも調査でわかったそうです。

 これは会所の発掘調査時の様子です。きれいに礎石がならんでいますね。左側には石敷き通路も見えます。会所は来客用ですからきれいな石敷き道路で出迎えたことでしょうね。

 会所の右側にあるのが、この庭園です。石の曲線で囲まれていることに加え大きな石が点々としていることからも、一乗谷の庭園と共通点が見られるところです。庭園は全部が発掘調査されたわけではないようで、全容がわかるともっといいのに…と思います。八王子城の存続期間もそれほど長いわけではないので、落城よりちょっと前に建てられてそのあと豊臣によって落城されたとみるべきでしょうかね?それにしてもどんな建物が建っていたんでしょうね…。

 これだけ詳細に発掘調査が行われていることにワクワクしますが、それでも御主殿の発掘調査はまだ半分ほどしかしていないので、今後調査もされればいいなと思います。



 氏照が八王子城の前に居城していた滝山城との比較もあり、なぜ移り住むようになったのかもわかるようにしてあるなど、無料のガイダンス施設としては充実しています。



 小学生がゲーム感覚で遊べるパネルゲームもあります。クリアして八王子城の様子をつかむシステムになっていますが、そのためにプレーヤーは豊臣秀吉の忍者となって八王子城の構造を暴きます。地元の私としては北条を裏切るような気持ちになりました(笑)



 ガイダンス施設にある八王子城の立体模型です。ちょっと見ずらいですよね。これは色をCGグラフィックで投影しているんです。これは現在の八王子城跡の様子です。真ん中よりちょっと右下にあるの土がむき出しになっているスペースが御主殿跡です。これが戦国時代はどうだったかと言うと…

 これが往年の八王子城です。印象がガラッと変わりますね。まずは土がむき出しのところが格段に増えました。山城は敵が隠れるような木は当然伐採しますからこのような山全体がはげ山になっていたんですね。現在浜松城や小田原城の復元にあたって景観を確保するために木が伐採される話がでていますが、一方で自然を守る団体が伐採に反対していると聞きました。自然は他のところでも賄えます。ここは文化遺産だということを考えると史跡の一部くらい往年のように木を伐採したっていいじゃないか…と私は思います。歴史に対するロマンのちがいですかね?まあ日常的に生活している地元の人の立場からすれば、自然の確保という意見も当然なのですが…(笑)
 そういえば、これだけはげ山になると当然斜面の土砂が雨などで崩落する危険があるはずで、そういう観点から石垣が誕生したんだな…と思うとこういうCGにおける立体模型もいいなあって思ったりします。



さて、いよいよガイダンス施設の最後。八王子城に関するVTRです。

おお!これはもしや御主殿の復元CGでは!すごいこんな建物があったのかあ!ああ立体復元してもらいたいな…。

滝山城と八王子城は近い位置にありますね。移転の理由は高低差だそうな。滝山城は160m級の低い山だったようで、より防御性を高めるための移転だったようです。

八王子城に今回で来たのは3回目ですが、いつも御主殿までしかいったことないので、今度は要害部にも上がってみようかな…。

やはりはげ山の崩落防止としてこのような石垣を築いていたんですね。


 さて、八王子城のすぐ近くまで来たんだから、今回も御主殿だけ登って10分くらいで帰ろうか…。そう思っていたが、予想外の嬉しい出来事が!!

次回こうご期待!八王子城再々訪其の3へ続く。

八王子城再々訪 其の1

2012-11-25 15:27:00 | 歴史
 本来ならこの日は、古河市歴史博物館に「古河公方展」を見に行く予定だったのですが、
武藤舜秀様より、平成9年度の展示と同じということを伝えていただきまして、図録も持っているし、行くほどでもないかと思っていた日でありました。そこで代わりに行く城郭を探しているところ、父親が八王子郷土資料館で八王子城の特別展をやっているという話を聞いて、再訪することにしました。



 郷土資料館前回も行きましたが、今回は図録まで販売されているとのこと。特別展も楽しみですが、図録を買うのもまた楽しみの1つです。



 八王子城要害部の1958(昭和33)年、1979(昭和54)年の発掘調査の概要や出土物が展示されています。



 こちらは平成に入ってからの御主殿の発掘の出土物です。すごい量ですね~。



 これが1992(平成4)年と1993(平成5)年に発掘調査した御主殿の内容です。左側は庭園に面しているので「会所」と想定され接客用の建物で、右側の建物が「主殿」と想定され城主が生活したり執務をするところと考えられています。



 御主殿からの発掘では、約七万点もの陶器片が発掘されていました。なかでも多かったのは舶載磁器片という輸入物の陶器です。こんなきれいな陶器の皿がたくさんあったんですね。八王子城では、他の地区では全然これらく舶載磁器片が発掘されておらず、合計千皿にも及ぶ舶載磁器が御主殿地区で発掘された状況を考えると、まさにここが伝来通り城主である北条氏照の御殿があったのだなと思うわけです。



 これら発掘された磁器片の照合作業を考えると…とんでもない時間と労働があったことでしょう。そういう緻密な作業が発掘作業の上にあることを忘れたくないですね。


 さて、この八王子郷土資料館に来てビックリ。なんと、先月10月に八王子城ガイダンス施設が開館したために今回この「八王子城の特別展」が開かれたことがわかりました。2008(平成20)年に来たときはそんな施設は影も形もありませんでした。一番最初に訪れた2005(平成17)年には駐車場もなく、今度はガイダンス施設もオープンするなど、名城100選に選ばれた影響は大きいな…と思います。七尾城も名城100選に選ばれたわけですから、整備保存に頑張ってほしいものです。…ということで、せっかくなのでガイダンス施設にも行くことにしました。思わぬ収穫です。


 再々訪八王子城其の1はここで終了です。どうも体調が思わしくなく、しかも仕事が満載で代休含めて4連休だったのにほとんど仕事だけで終わりました…。自分のサイトの14周年も忘れていたほど…。更新するのが億劫なのです、せめて小分けにして更新して、「義綱他国城館訪問記」アップと共に14周年を迎えてのお礼の言葉の更新もしたいと思います。ではこれにて失礼。

仕事の進行が…

2012-11-17 04:44:00 | 日記
 9月19日のブログに「仕事の進行に微妙なズレを感じてる。もともと鈍感な私。そんな私がズレを感じてるならもう手遅れ!?」と書いた私。


 現在の仕事の状況は、なんか歯車がかみ合ってきた感じ。いろいろ問題はあるけれど、じっくりやっていきます。それでもきっとまだまだおとし穴があるんだろうな…。