ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

海に花火に、そうしてお稽古!(その2)

2010-08-05 01:08:23 | 能楽

さて宿で休んでから、夕方になって、歩いてすぐの狩野川のほとりに移動して花火大会を見に行きました~

「きにゃんね大仁夏祭り」という1日がかりのイベントのフィナーレを飾る花火大会ですが、まあ、その規模のスゴイこと。もちろん東京でも大きな花火大会はありますが、こんな間近で、川の上空に打ち上げる花火を見るなんて、ちょっと得難い体験です。何年か前に初めてこの花火大会を見たときは驚きました。

それで、主催者のひとつである伊豆の国市の観光協会に おねだりしてみまして、「子ども能の出演者の子どもたちに、夏休みの思い出に良い席で見せてあげて~?」と言ったところ、とても親切に検討してくださいまして、関係者とも協議された結果、桟敷席をプレゼントして頂けることになりました。

この桟敷席、川の堤防の土手の上を仕切って桟敷席としたものですが、10名強を収容する広さで、1マスなんと3万円もするんです(!)。もちろん売れ残った席があったら子どもたちに廻ってくる、ということなのでしょうが、それにしても太っ腹! こうして桟敷席を初めてプレゼントして頂いたのが、もう2年前になります。それ以来、毎年 この花火大会には子どもたちを招待して頂いて、このとおり子どもたちも大喜び! そうして子ども能の出演者の結束も固くなってゆくのでした。



ところでこの花火大会、旧・大仁町の地域のイベントとなっています。現在の「伊豆の国市」は旧・大仁、韮山、伊豆長岡という三つの町が数年前に合併したもので、花火大会も3日間に渡って、それぞれの旧町の名を冠して行われています。3日間も花火大会があるなんて、うらやましい限りです。さすがに ぬえはそのうちの1日しか見ることができませんが、この花火大会を最初に見たのは3年ほど前で、その時に見たのは伊豆長岡の花火大会でした。

これもまた、地域によってずいぶん感じが違うのねえ。大仁の花火大会よりは やや規模も小さいかな、という感じですが、なんと言っても人出が違う。東京の花火大会のように押し合いへし合いではもちろんなく、むしろ 川辺でのんびりと眺める、という感じでした。混雑しないので、土手で大の字に寝ころんで見ていると…なんだか ふわあっと体が浮き上がったような錯覚に襲われます。星空の中に放り出されたような…そんな感覚でした。これは東京の花火大会ではとても味わえないでしょう。この体験で、すっかり当地の花火大会のとりこになってしまった ぬえは、子どもたちにも見せてやりたい! という気持ちがつのって、観光協会に招待の可能性を聞いてみまして、そんなところから、もう恒例になった感がありますが、毎年子どもたちはご好意によって特等席で花火を鑑賞しております。何事も物怖じせずに言ってみるもんですね~(^^)V

さてこのように子ども能の恒例行事となった花火大会鑑賞ですが、ぬえは相変わらずの引率者。(^_^;) 子どもたちのためにジュースや紙コップを用意したり、遅れてくる子と連絡を取るために花火が始まっても携帯電話は常に視界の中に置いておいたり…これはこれで結構 大変ではあります。2年前、はじめて花火鑑賞に集まった時はもっと大変でした。

集まった子どもたちが「先生~、おなかすいた~」 ええっ??(O.O;) ご飯はあらかじめ済ませておいて、と保護者にお願いしたはずだが… 「まだご飯食べていない人~??」「は~いっ!!」…10人もいるじゃんか。(-_-メ)

…結局、花火大会が始まって30分間は、ぬえは花火を見ずに 焼きそばの屋台に並んでおりましたとさ。(×_×;) さすがにその後はこういうこともなく、みんなで楽しんで花火を見ております! さあっ、遊びはここまで。明日は稽古だよ~