ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

子ども能…大成功で終了しました~(その3)

2010-11-07 02:40:01 | 能楽
陽もとっぷりと暮れてようやく申合も終わり…ところが神主さまからお言葉を頂きまして、出演の子どもたちに成功祈願のお祓いをしてくださるという!

じつは、もうずいぶん以前から、神主さまにお祓いのお願いはしていたのです。やっぱり神前で子ども能を披露するのですから、神様へのご挨拶がなくてはなりません。子どもたちはそのつもりはないかも知れないのだけれど、この子ども能は神前への奉納でもあるわけで。

ところが、お祓いについては未定のままで申合を迎えてしまいました。そのうえこの申合の日にはすでに祭礼は始まっていまして、神主さまとはこの日もお話はできましたが、やはりかなりご多忙なご様子。そして「お祓いは無理です」とも言われてしまったのでした。

まあ、それならそれで、子どもたちと拝殿に上がって神様にご挨拶だけはしようと思ったのですが、子ども能の申合をすべて終わらせ、かなり夕闇が濃く迫ってきた頃。そのとき神主さまから「この時間なら翌日の準備はすべて済ませましたので、お祓いを致しましょうか…」との願ってもないお言葉を頂きました。舞台の掃除をしたり、一生懸命に舞台を勤める子どもたちを見てくださったのかもしれません。

早速拝殿に上がると、神主さまの祝詞、そして玉串奉奠が行われました。玉串は主役の子どもたち二人を指名して…ああ、これは ぬえも入って、先生と教え子の主役二人、ってのもアリかなああ、とも後では考えましたが、ぬえはやっぱり市民じゃないから、こういう時にはなんか気後れをしているんですかね。

ここにて解散。すでに午後7時近くになっていました。囃子方と夕食をともにしたり、東京から遅れて到着する能楽師を迎えに行ったりと、なかなかこの日も多忙でした。

明けて翌日の11月3日…薪能の本番は快晴に恵まれました。

朝、当地の観光協会の方から電話があり、ぬえが送ったプログラムを50枚ほどコピーして今日のお客さまに配ります、と連絡がありました。

すでに観光協会のイベントからは離れた 子ども創作能ですが、このように子ども能をやっぱり心配してくださっています。ありがたいことです~