この金曜日から ぬえら「能楽の心と癒やしプロジェクト」では石巻を訪れて参ります。ぬえにとってはこれが6度目の訪問になります。ほかにも様々にやる仕事があって、それらをこなしながら準備を進めているのですが、遅々として捗っていまへん。。石巻の関係者とも折々連絡を取り合っていますが、そんな時に出る話題の中には厳しい石巻の現状を想像させるものもありました。。今、ぬえは心が痛いです。
でも一方、伊豆の子ども能の保護者のお母さん方から絵本やらおもちゃやら ぬいぐるみやらが大量に寄贈されました。いまレイちゃん(←愛車)は おもちゃ満載。(^_^; これらは仮設住宅の集会所に寄贈してくるつもりでおります。あ~、少し心がやわらぎました。
さてプラネタリウムでは。。
ぬえは当初、ここでの公演の話が出た時、星空の下で舞う能のロマンチックな部分ばかりを考えていたのですが、パレットおおさきの遊佐さんらスタッフの意向としては「年齢を問わず、家族連れでも楽しめる催しにしたい」とのことで、急遽プロジェクトの中の狂言チームの重要性が増してきました! 「星と能楽の夕べ」というタイトルの公演は、まず狂言方・Oくんのアイデア満載のオープニングで開演。能楽ミニ・ワークショップと、それに引き続いて狂言『神鳴』の上演でした。なるほど、天空の話につなげるにはピッタリの選曲だし、なにより面白いですからね。武悪の面を掛け、鞨鼓を腰につけた神鳴さまって姿も楽しいし、それが天から落ちて腰を打ち、医者に治療してもらう、という発想がなんともユニーク。
ここまでを明るいままのプラネタリウムで上演し、これからいよいよ星空の投影になります。ぬえは『羽衣』の装束をすでに着けていて、ずっと楽屋でスタンバイ。。とは言ってもなんせ人手がない楽屋ですから、ぬえも『神鳴』のシテの面を着けてあげたり、出番まで何かと立ち働いていますので、自分が面を掛けるのは出番の少し前。
星空の投影では幽玄堂さんのアナウンスにより星座のお話がされました。それも「星と能楽の夕べ」というタイトルに合わせて、日本で古来親しまれてきた星座の呼び名などのお話です。やがて山本実樹子さんのピアノの演奏が始まります。最初は幽玄堂さんのアナウンスの影にいるように、やがてソロの演奏になります。
ぬえも暗闇に目を慣らすためにこの頃に面を掛けて舞台袖で床几に腰掛けてこの演奏を聴いていました。ああ、星空の下でのピアノ。。なんて美しい。。って、何にも見えないじゃん! 。。こ、ここまで暗いのか。。
→山本実樹子さんのブログピアニスト山本実樹子のmiracle日記
の当該記事
ピアノ演奏から、幽玄堂さんは月に住む天女のお話へ。ぬえも『羽衣』の本文をはじめて読んだときに、この白衣黒衣の天人の話を知って、古人の想像力の豊かさに感激したものでした。やがて笛の一管の演奏となり、これに引かれて ぬえが登場する、という段取りで、さて歩み出したのですが、やはり中央が、大小前の位置がよくわからない。。まあ、ままよ!と正面に向きましたが、よくわからないけれど大体合っているみたい。正面も暗闇の中でライトだけがまぶしく目に入り、中央の見当をつけるために正面に吊しておいた小さなランプが頼りですが、これも時々見えるか見えないか。だいぶ不安を抱えながらですが、舞い始めました。
ここに客席のシートの出っ張りがあって。。ここは袖をぶつけるような突起があったな。。なんて考えながら舞いますが、後ろを向いたら壁に当たっている照明が描く5つの光の輪を数えて、それで中心を見定めるという離れ技。頭の中ではコンピューターがフル回転です。とは言っても ぬえの頭の中のコンピューターは文系ですから計算は苦手。一度床の突起につまづいてしまいました(!)。何とか体勢を立て直しましたが冷や汗が。。文系PCはGPS機能を持たない役立たずでした。そのうえ大変なのは、客席が急勾配のプラネタリウム特有の舞台構造。ぬえはその最低部で舞うことになりますから、すべての型を上に向かって行わないといけないんです。ぬえは上へ45°傾きながらのサシ込や招キ扇というのは、ここで初めて体験しました。
ん~、でもやっぱりロマンチックですわね~。序之舞の神秘的な印象がこの暗闇によく合っていると思います。お客さまには星空が見えているんだなあ。。と思って気持ちよく舞っていました。が。。気持ち良すぎて序之舞を一部省略したのさえ忘れて、フルバージョンの序之舞を舞ってしまうところだった。お笛がなんとか合わせてくれまして事なきを得ましたが。。すいませんでした~。ここでも文系PCは感傷にひたっちゃってフリーズしていたんですね。。
こうして『羽衣』の上演を終えて、すぐに面をはずしてカーテンコールのため再び舞台に出ました。もちろん本来の能楽の公演ではあり得ないことで、またこういうロマンチックなイベントでは興醒めでもありましょうが、入場無料のチャリティ・イベントですから、我々の活動も知って頂き、応援をして頂きたいのです。ここで ぬえたちがこれまで石巻や気仙沼などで続けてきた活動のこと、被災地の現状、これからの視点などを ぬえからお話し、募金へのご協力を呼び掛けました。大崎市だって震災の被害を受けた被災地ですが、沿岸地域の津波被害は内陸部とは比べものにならないですから。。
同じく石巻などで独自の活動を続けられている山本実樹子さんにもご自身の活動について語って頂きました。山本さんは絵本やCDなどを作ってその収益を被災地に贈る活動もされていて、今回もその活動をされていました。お一人での来訪でしたから、終演後はすぐにロビーに行って。。多忙な1日でしたね~
ぬえからはまた、客席の最後部、一番高いところにあるプラネタリウムのコンソールにいる幽玄堂さんを、この企画のコーディネーターとしてご紹介。そして出演者ではないけれど、第4のプロジェクト・メンバーとして、同じくコンソールにいる「パレットおおさき」のスタッフのみなさんをご紹介しました。前述したと思いますが、「パレットおおさき」の職員さんは独自に石巻などで支援活動を行っておられ、館としても「絆プロジェクト」として大崎市民のために活動をされておられます。そして何より幽玄堂さんの企画に、ぬえたちの活動に惜しみないご協力を頂いたのですから。
お客さまからは喝采を頂きました。喜んで頂けたかなあ? …ところが終演後に楽屋に届けられた募金箱の中を見てびっくり! プラネタリウムの定員が150名なのに、集まった募金の総額はなんと 58,613円でした(!!)満員と考えて単純計算で割ってみてもお客さまおひとりにつき390円の募金を頂いた計算になります。お子さんも多かったし、なにより募金ってのは100円とか小銭が集まるものだとばかり思っていましたが。。笛のTさんは「やっぱり東京でやる募金とは違う。。ここの人たちにとって津波の被災地は人ごとではないんだね」と感慨深げでした。ロビーではアンケートも集められていたそうです。結果はまだ ぬえには伝えられていませんが、いまから楽しみにしています!
今回のプラネタリウム公演「星と能楽の夕べ」は ぬえにとって忘れ得ない経験になりました。ご協力頂いたみなさん、幽玄堂さんやパレットおおさきのみなさん、山本実樹子さん、そして何より寒い中を集まって頂いた大勢のお客さまに心より感謝を申し上げます。
…外に出てみたら。。地吹雪でした。
でも一方、伊豆の子ども能の保護者のお母さん方から絵本やらおもちゃやら ぬいぐるみやらが大量に寄贈されました。いまレイちゃん(←愛車)は おもちゃ満載。(^_^; これらは仮設住宅の集会所に寄贈してくるつもりでおります。あ~、少し心がやわらぎました。
さてプラネタリウムでは。。
ぬえは当初、ここでの公演の話が出た時、星空の下で舞う能のロマンチックな部分ばかりを考えていたのですが、パレットおおさきの遊佐さんらスタッフの意向としては「年齢を問わず、家族連れでも楽しめる催しにしたい」とのことで、急遽プロジェクトの中の狂言チームの重要性が増してきました! 「星と能楽の夕べ」というタイトルの公演は、まず狂言方・Oくんのアイデア満載のオープニングで開演。能楽ミニ・ワークショップと、それに引き続いて狂言『神鳴』の上演でした。なるほど、天空の話につなげるにはピッタリの選曲だし、なにより面白いですからね。武悪の面を掛け、鞨鼓を腰につけた神鳴さまって姿も楽しいし、それが天から落ちて腰を打ち、医者に治療してもらう、という発想がなんともユニーク。
ここまでを明るいままのプラネタリウムで上演し、これからいよいよ星空の投影になります。ぬえは『羽衣』の装束をすでに着けていて、ずっと楽屋でスタンバイ。。とは言ってもなんせ人手がない楽屋ですから、ぬえも『神鳴』のシテの面を着けてあげたり、出番まで何かと立ち働いていますので、自分が面を掛けるのは出番の少し前。
星空の投影では幽玄堂さんのアナウンスにより星座のお話がされました。それも「星と能楽の夕べ」というタイトルに合わせて、日本で古来親しまれてきた星座の呼び名などのお話です。やがて山本実樹子さんのピアノの演奏が始まります。最初は幽玄堂さんのアナウンスの影にいるように、やがてソロの演奏になります。
ぬえも暗闇に目を慣らすためにこの頃に面を掛けて舞台袖で床几に腰掛けてこの演奏を聴いていました。ああ、星空の下でのピアノ。。なんて美しい。。って、何にも見えないじゃん! 。。こ、ここまで暗いのか。。
→山本実樹子さんのブログピアニスト山本実樹子のmiracle日記
の当該記事
ピアノ演奏から、幽玄堂さんは月に住む天女のお話へ。ぬえも『羽衣』の本文をはじめて読んだときに、この白衣黒衣の天人の話を知って、古人の想像力の豊かさに感激したものでした。やがて笛の一管の演奏となり、これに引かれて ぬえが登場する、という段取りで、さて歩み出したのですが、やはり中央が、大小前の位置がよくわからない。。まあ、ままよ!と正面に向きましたが、よくわからないけれど大体合っているみたい。正面も暗闇の中でライトだけがまぶしく目に入り、中央の見当をつけるために正面に吊しておいた小さなランプが頼りですが、これも時々見えるか見えないか。だいぶ不安を抱えながらですが、舞い始めました。
ここに客席のシートの出っ張りがあって。。ここは袖をぶつけるような突起があったな。。なんて考えながら舞いますが、後ろを向いたら壁に当たっている照明が描く5つの光の輪を数えて、それで中心を見定めるという離れ技。頭の中ではコンピューターがフル回転です。とは言っても ぬえの頭の中のコンピューターは文系ですから計算は苦手。一度床の突起につまづいてしまいました(!)。何とか体勢を立て直しましたが冷や汗が。。文系PCはGPS機能を持たない役立たずでした。そのうえ大変なのは、客席が急勾配のプラネタリウム特有の舞台構造。ぬえはその最低部で舞うことになりますから、すべての型を上に向かって行わないといけないんです。ぬえは上へ45°傾きながらのサシ込や招キ扇というのは、ここで初めて体験しました。
ん~、でもやっぱりロマンチックですわね~。序之舞の神秘的な印象がこの暗闇によく合っていると思います。お客さまには星空が見えているんだなあ。。と思って気持ちよく舞っていました。が。。気持ち良すぎて序之舞を一部省略したのさえ忘れて、フルバージョンの序之舞を舞ってしまうところだった。お笛がなんとか合わせてくれまして事なきを得ましたが。。すいませんでした~。ここでも文系PCは感傷にひたっちゃってフリーズしていたんですね。。
こうして『羽衣』の上演を終えて、すぐに面をはずしてカーテンコールのため再び舞台に出ました。もちろん本来の能楽の公演ではあり得ないことで、またこういうロマンチックなイベントでは興醒めでもありましょうが、入場無料のチャリティ・イベントですから、我々の活動も知って頂き、応援をして頂きたいのです。ここで ぬえたちがこれまで石巻や気仙沼などで続けてきた活動のこと、被災地の現状、これからの視点などを ぬえからお話し、募金へのご協力を呼び掛けました。大崎市だって震災の被害を受けた被災地ですが、沿岸地域の津波被害は内陸部とは比べものにならないですから。。
同じく石巻などで独自の活動を続けられている山本実樹子さんにもご自身の活動について語って頂きました。山本さんは絵本やCDなどを作ってその収益を被災地に贈る活動もされていて、今回もその活動をされていました。お一人での来訪でしたから、終演後はすぐにロビーに行って。。多忙な1日でしたね~
ぬえからはまた、客席の最後部、一番高いところにあるプラネタリウムのコンソールにいる幽玄堂さんを、この企画のコーディネーターとしてご紹介。そして出演者ではないけれど、第4のプロジェクト・メンバーとして、同じくコンソールにいる「パレットおおさき」のスタッフのみなさんをご紹介しました。前述したと思いますが、「パレットおおさき」の職員さんは独自に石巻などで支援活動を行っておられ、館としても「絆プロジェクト」として大崎市民のために活動をされておられます。そして何より幽玄堂さんの企画に、ぬえたちの活動に惜しみないご協力を頂いたのですから。
お客さまからは喝采を頂きました。喜んで頂けたかなあ? …ところが終演後に楽屋に届けられた募金箱の中を見てびっくり! プラネタリウムの定員が150名なのに、集まった募金の総額はなんと 58,613円でした(!!)満員と考えて単純計算で割ってみてもお客さまおひとりにつき390円の募金を頂いた計算になります。お子さんも多かったし、なにより募金ってのは100円とか小銭が集まるものだとばかり思っていましたが。。笛のTさんは「やっぱり東京でやる募金とは違う。。ここの人たちにとって津波の被災地は人ごとではないんだね」と感慨深げでした。ロビーではアンケートも集められていたそうです。結果はまだ ぬえには伝えられていませんが、いまから楽しみにしています!
今回のプラネタリウム公演「星と能楽の夕べ」は ぬえにとって忘れ得ない経験になりました。ご協力頂いたみなさん、幽玄堂さんやパレットおおさきのみなさん、山本実樹子さん、そして何より寒い中を集まって頂いた大勢のお客さまに心より感謝を申し上げます。
…外に出てみたら。。地吹雪でした。