見習い百姓のつぶやき

宮仕えも一段落、半農半Ⅹを本格化。農的暮らしとさまざまなⅩを悩んで、楽しんで一歩づつ。

終焉を回避する脱成長~人新生の『資本論』

2021-10-13 12:15:43 | 持続可能社会

そう言われれば、そうだよなあ・・・

高給を取っている職業、マーケティングや広告、コンサルティング、金融業や保険業などあるが、こうした仕事は重要そうに見えて、実は社会の再生産そのものにはほとんど役に立っていない。
そして、これらの仕事に従事している本人さえも、多くは自分の仕事がなくなっても社会に何の問題もないと感じているんだとか。
世の中には、無意味な「ブルシット・ジョブ(クソくだらない仕事)」が溢れているようですね。

もう一つ、世界では26人が世界の富の半分以上を握っていて、持たない人から持つ人さらに集まる構造になっている。
それは、グローバル・サウスや自然環境からの収奪によって成り立っているが、発展途上国が成長を遂げようとすると、もう収奪の対象は残っていない。
その収奪の構造って、外部化されていて見えないけれど、私たちの“豊かな”生活は、成長ありきのそうした構造の上に成り立っているんですね。

歴史の終わりを回避する
「人新生の『資本論』」(斎藤幸平著)では、“豊かな”(と信じている)生活が気候変動を誘発し、その勢いは加速しているとしています。
また、考えられている気候変動を抑えるための様々な策では、資本を肯定し成長を求める現状(今の共産主義も含め)にある限り、早晩私たちは「歴史の終わり」「文明の終わり」を避けることはできないだろうとデータを示しながら論じています。
そして、環境危機を乗り切り、終焉を回避し、「持続可能で公正な社会」を実現するための選択肢は、「脱成長コミュニズム」だとしています。

3.5%
恐らく僕が今の暮らし方を選択してきたのは、まさにそこなんだろうなあ?

終焉を回避し「持続可能で公正な社会」の実現のアプローチとして、脱成長、自然とともにある生き方をまず自分からと。
ただ、3.5%の人が非暴力的な方法で本気で立ち上がると、社会が大きく変わるとの研究があるそうですが、僕はまだそこまでは行っていない?

バルセロナは「気候非常事態宣言」を行うなど、市民の力で脱成長に向けて大きく歩みだしているという事例などが書かれています。
「気候非常事態宣言」に向けて動き出すとか、3.5%の一人になるべく、一歩を踏み出すことも必要かなあ。

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真鍋さんの偉業でちょっと思ったこと

2021-10-06 13:31:58 | 持続可能社会

コンピューターによる気候変動予測の礎を築いたとして、今年のノーベル物理学賞の受賞が決まったという90歳の真鍋さん。
こういうノーベル賞を日本人が受賞するって、とっても嬉しいですよね。

こういう科学や技術の進歩のお陰で、私たちの物質的な豊かさは格段に良くなりましたね。
ただ、一説には仕分けの女王が先鞭をつけた?後押しをした?基礎研究分野への予算をバッサリできたお陰で?今後、こういう形でのノーベル賞、我が国の研究者には取れないだろうと。

一方、押しなべてですが、ヒトの感性は影をひそめるばかりのように思うから、我が国の学術的基礎研究を停滞に導いた先鞭も大いに功あり?

例えば、気候変動、ヒトの感性が豊かだった時代に、さまざまな兆候をどう捉え、どう行動したんだろう。
自然は自分たちと一体不二なものとして捉え、畏怖と畏敬の念を抱いていたであろう私たちの先達、直観的に自分たちの行動を自制していたに違いないと思うのです。
決して自然をコントロールしよう、自然と対峙しようと思わなかったのでは?

この気候変動を技術力で解決できるだろうと何となく思っているだろう今の社会、果たして間に合うのでしょうか?
エコカーに乗る、ごみの分別を徹底する、レジ袋は使わないみたいなことでのやった感で本当に良いのでしょうか?

もう、私たちの生き方を切り替えないと、引き返すことができなくなるのでは?

そんな視点で考えると、基礎研究の停滞は立ち止まって考えさせるってことだったかも(^^;;


真鍋さんの偉業を素直に喜び、よもやこんなブログを書くつもりではなかったのに、ついつい手が動いてしまって、、、

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“ジャパン・アズ・ナンバーワン”という時代もあった、、、

2021-08-31 20:23:16 | 持続可能社会

“ジャパン・アズ・ナンバーワン”、若い皆さんは御存じないかもしれませんが、一世を風靡した言葉です。
行け行けどんどん、何をやってもうまく行く、ニューヨークの高層ビルまで買い漁り、どこまで成長・膨張するんだろう、そんな超右肩上がりの時代でしたね。
この言葉は、ハーバード大学教授の社会学者エズラ・F・ヴォーゲルが日本経済復活の理由を分析して1979年に書いた著書名なんですね。

沸騰するんじゃないかと思えるほど、沸きに沸き、浮足立った国民の気持ちに冷や氷水を浴びせたバブル崩壊は、それから12年後の1992年2月。
それから国民のマインドはどう変化し、政治はどう対応して現在に至るのか、検証してみるととても面白いかもしれません。

バブル崩壊の後も20年近く世界第2位の経済大国であり続け、10年間は国民一人当たりのGDPも世界の4位、5位をキープしていた、らしい。
それが今や、国民一人当たりのGDPは世界で33位。
ところが、日本の国民は後退局面で思考するのがとても苦手、それは、安倍政権から菅政権の行状を見ているとその通りだと思えます。

そんな今の時代相にあって、アメリカと中国の現状と世界の動き、米中のはざまで日本はどう生きるのかを示した、姜尚中と内田樹の対論、僕は期待に違わずでしたが、、、

最後に、日本はどう生きるか?
二人は、縮小という現実の中で、崩壊のような形態ではなく、どう新たな日本の形として前向きに作り上げていくのか、それが問われていると。
若い世代には、それに対応できる皆さんが育っていると期待を寄せています。

その新たな国家像は、例えば「小日本主義」「中規模国家」。
実力に見合った国造りを進められるのは、若い世代なんでしょうね。
そこにどうバトンタッチできるのか。
時代的なものを超克する国民の底力が求められているのかも。

ただ、「国破れて山河在り」ではありませんが、在野には自分たちで
「小日本主義」を実践する若者が育っていると確信できるので、国の姿がどうあれ、地方自治体の姿がどうあれ、日本の底力は厳然としていると思えます。
楽しい時代ですね。

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便利は技術をなくす

2021-05-08 20:28:05 | 持続可能社会

何だったんだろう?
先日、どこかで待ち時間がある時、目に留まった料理の本、NHKの今日の料理?だったかなあ?パラパラめくって気になるレシピを二つ写メ。
一昨日だったか、改めてその画像を見ていたのですが、、、

昨夜、イカの刺身を造って貰ったのですが、ゲソとエンペラを付けてもらっていて、ちょっと茹でて頂きましたから、刺身までは手が回らず、そうだ!あのレシピ!
「いかのアボガドレモンあえ」を作ってみました。
ただ、アボガドは買ってきたけど、レモンは買うことを思いつきもしなかったし、パセリも(^^;;

買いに行こうにも、さっき缶ビールに口を付けたし、、、
ってことで、ポッカレモンで代用、パセリは畑に行ってニンジンの葉を摘んできて。
今夜のメインディッシュがさささ~~~っと完成。


庭でも畑でも、その辺に食材がいくらでもある環境ってメチャ嬉しいですよね。
周りにスーパーマーケット以上に美味しい食材がいくらでもあるんですが、それに気づく、意識できる暮らしってステキだと思います。

今日、材木屋の社長さんが、外国の影響で日本の木材の材価が高騰していて、建てようと思ってもいつ建てられるかわからない、とFBに投稿していました。
グローバル経済下だから当然とはいえ、自分たちの文化を軽視してきた「付け」はあまりにも大きいだろうと思います。
何度も書いてきましたが、“便利は技術をなくす”、大切なものをどんどん捨てているが故の現実を、もっと見つめる暮らしでありたいなあと思います。

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八雲の絶景と富士山噴火

2021-04-04 20:08:16 | 持続可能社会

近い将来、家を使ってくれたり、農地を使ってくれる人がいないかなあとの話をいただき、Iターン中の農業女子に声をかけて八雲のお宅を見に行ってきました。
ここって、天国みたいじゃん、まさにそんな感じで、僕が住みたいくらいだと。


お隣?のようなところに見事な枝垂桜が2本、満開で出迎えてくれたのがなんとも印象的でした。


お話をしてくださったのは持ち主の方の従妹さん、農地と家を守っているご当主は矍鑠として、これだけの農地を一人で!まさに百姓、漢の鏡かも。
しかし、ご家族のこともあってこの地を離れる決心をなさったのだとか。
その深い思いが伝わってきて、思わず居住まいを正したくなるような、そんなお屋敷と農地でした。

富士山噴火の猛威
今日の地元紙のサンデープラスという特集面に、いつ起こるとも知れない富士山噴火について「猛威を秘める日本の象徴」との記事が掲載されていました。
そこには、政府の地震調査委員会の予想では、南海トラフを震源としたマグニチュード8~9クラスの巨大地震の発生確率は30年以内に70~80%。噴火と連動するとは限らないが、同時期に起こることも警戒して備えておく必要はあると。
また、張り巡らされた交通網は麻痺し、立ち並ぶ高層ビル群から明かりが消える。頼みのスマートフォンはつながらず、水は飲めなくなり、食料も届かない。都市機能が停止した辺り一面「灰色の世界」に、大量の人々が取り残されるとも。

言われ続けていることですが、日本の中枢機能は、とても脆弱な基盤の上にあります。
南海トラフ地震や富士山噴火もそうですが、気候変動に伴う食糧難など、コロナの比ではないのかもしれません。

山に飲み込まれるのはいつ?
松江市内からわずか20分、であるのに、ご近所でここのご主人が一番の若手だとか。
70代半ば?でも一番の若手。
後継して住む人や農地を守る人が櫛の歯がかけるように消え、やがてこの地域一帯は山に飲み込まれてしまうのでしょうか?

僕は、20年くらい前から、
大挙して都会から田舎に人々が押し寄せてくる時代が必ず来るであろうと思い、今、農地を家を守り伝えることが必要だと思ってきました。
ただ、大型機械が普及している時代だから、荒廃した農地を復元させるのは開墾して農地を作った時代を考えれば容易いことかもですが、、、

さて、国の根幹を支えてきた田舎はいつまで持ちこたえていけるのでしょうか?
このままでいいのか?と思うたびに、私たちは、なんと横柄で房弱無人の社会を作り上げてきたのか、斬鬼の念が込み上げてきます。

コメント (2)
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