<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

あたたまりたくなった山頭火

2006年07月01日 23時15分03秒 | Weblog
 ひとりあたたまってひとりねる    山頭火

      *

 住所は不定でなければならない。一箇所に留まってはならない。働いて銭を得てはならない。頂いたものを食べねばならない。寝るのも一人。道を行く者、道を求める者、托鉢する者の心得である。

      *

 寒い夜もあったであろう。どうやってあたたまったか。酒があれば酒にあたたまる。火鉢があれば火鉢に火をもらってきてあたたまる。なんにもないときには、蒲団にはいってあたたまる。句を作ればあたたまれるか。人が恋しい。恋しい感情にあたたまることができるか。仏法者は、あたたまってはならない。あたたまってはならないのに、あたたまりたくてごそごそする。

      *

 あたたまってはならない掟があって寒いこがらし   李白黄

 あたたまるとろくなことはしない。幸福になればじっと幸福ばかり追いたくなるのだ。寒いのがいいのだ。暑いのがいいのだ。幸福は今生の薬にはなるが、次生の薬にはならない。先日、説法を聞いたら、そういう話だった。  
コメント
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