<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

意をおこさざりしに風も雲もうごく

2006年07月09日 06時48分54秒 | Weblog
 如意輪の意のくわんのんの風うごき雲うごきつつ寺ははつ夏   薬王 萌

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 昨日書いた短歌を推敲したら、こうなった。<くわんのん>はもちろん観音さまである。如意輪観音の如意をほめる讃える。われわれはいつも意の如くならない。ゆえにその不如意をいつも嘆いていなくてはならない。これは暑苦しい。

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 金儲けを企むけれども金はちっとも懐にはいってはこない。異性にもてようとごそごそするが、ついにごそごそで終わる。冷蔵庫の氷片を運んでいてうっかり床に全部こぼしてしまったからといっては、妻にやたらに怒られる。意のままにはならない、わずかも。

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 ところが、観音さまは如意だという。なんでも意の如くになるという。如意宝珠、如意棒、如意宝輪をお持ちだから。と、観音をうらやむまい。欲を張らなければ、われわれだって如意なのである。十分に如意なのである。風がうごく。雲がうごく。わが意のままに。われは発意をせずとも風うごき雲うごく初夏。

 欲張りにあらざればわれも如意なり意おこさずして風雲うごく  薬王 萌
コメント (1)
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