手がとどく いちじくのうれざま 山頭火
*
こんなに短い句から、何を読みとるか。読みとりにくいから、なんでも好き勝手に読みとってくれと山頭火は言っているみたいだな。じゃ、そうしよう。
*
無花果は夏の暑い盛りに熟れる。山頭火はいつもの漂泊の旅をしている。山里に来た。ひょいと見上げると鈴なりの無花果だ。手を伸ばすとやっと一つに手が届いた。もいで取る。熟れた匂いがいきなりぷんと立つ。腹がぐうとなる。かんかん照りがしている。うまい。ちょろちょろ流れる小川で山頭火は、糖分でべとつく口をすすいだ。
*
おっと、それだけではなかった。無花果は熟れると女性に似てくる。フェロモンが限りなく懐かしくなってくる。そうだ、山頭火はまたぞろおんなに会いたくなったのだ。それを無花果をもぐことで、しずかに何事もなく、昇華したのだ。
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こんなに短い句から、何を読みとるか。読みとりにくいから、なんでも好き勝手に読みとってくれと山頭火は言っているみたいだな。じゃ、そうしよう。
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無花果は夏の暑い盛りに熟れる。山頭火はいつもの漂泊の旅をしている。山里に来た。ひょいと見上げると鈴なりの無花果だ。手を伸ばすとやっと一つに手が届いた。もいで取る。熟れた匂いがいきなりぷんと立つ。腹がぐうとなる。かんかん照りがしている。うまい。ちょろちょろ流れる小川で山頭火は、糖分でべとつく口をすすいだ。
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おっと、それだけではなかった。無花果は熟れると女性に似てくる。フェロモンが限りなく懐かしくなってくる。そうだ、山頭火はまたぞろおんなに会いたくなったのだ。それを無花果をもぐことで、しずかに何事もなく、昇華したのだ。