今日此処まで辿り着けたことを感謝します。
わたしはわたしの書斎にいて大空を眺めています。
山里は風が止まっていて、草が静かです。
わたしも静かにしています。
*
わたしはわたしの此処を尊重します。
わたしを静かにさせている此処を尊重します。
夕暮れています。
いま居る此処はいいところです。
今日此処まで辿り着けたことを感謝します。
わたしはわたしの書斎にいて大空を眺めています。
山里は風が止まっていて、草が静かです。
わたしも静かにしています。
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わたしはわたしの此処を尊重します。
わたしを静かにさせている此処を尊重します。
夕暮れています。
いま居る此処はいいところです。
嫌な人はいない。嫌だとしている自分がいるだけ。
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花園大学総長さんのYouTube講演の中に、この句が取り上げてあった。
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一切皆空。実体はない。
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みなわたしの想像の所産。バーチャルリアリテイ。わたしのでっち上げ。
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嫌な人という「人」はいない、たしかに。嫌な人にでっち上げて遠ざけている自分がいる。
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好きな人がいる。好きとしているわたしがいる。これも空か?
バーチャルリアリテイか?
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これはしかし、ふふふ、消し去る必要はないような気もする。
我思う、ゆえに我あり。デカルト。
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思わなかったら、我はないことになる。
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あってもなくても、それを思考が把握できなかったら、ないに等しい。
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我の実体があるかないか?
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我ありにするために、我思う。
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だが、思いすぎると、我が雑多な我になる。
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思って思って、我を嬉しがらせることにする。
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仏陀に思われている我にする。
午後3時40分。やや曇って来たようだが、気温は37℃を下らない。雷さんがごろごろ鳴っている、遠くの方で。
一雨来ないかなあ。畑も庭もカラカラ乾いている。焼け焦げている。植物たちは喉が渇いている。限界点に達している。
スースースーと息を吸うだけで生きられるようにしてある。上手く造られているもんだ。
あとのエネルギーはそれ以外のことに回せるようにしてある。上手く造られているもんだ。
なぜか?
それ以外のところにもっともっと根本的なこと、重大なこと、欠かせないことがあるからだ。
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死んだり生きたりするだけで魂の向上ができるようにしてある。上手く造られているもんだ。
あとのエネルギーはそれ以外のことに回せるようにしてある。上手く造られているもんだ。
なぜだ?
もっと大事なことを見つけるためだ。
無生法忍。むしょうほうにん。
この「無生法忍」を手に入れると仏道修行者は,次の段階に進む。
己の中の仏性は不生不滅であることを知って安心が確保される。それが無生法忍である。現象面の生滅を超えて行く。
此処へ来ると、ジタバタしなくてすむようになる。自分の保身に煩わされずに済むようになる。
そこで自利から利他に移行することになる。利他行の菩薩行に進むことになる。
大乗仏教は実践を重んじる教えである。一人の悟り、一人の安寧を貪っているだけでは,自己満足の領域内である。
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ある日あるとき、「我は我一人のために生きている」という小さな満足段階から飛び出して,爆発して、次へ進むことになる。
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「わたしの生滅」の歯車が100も1000も、10000も100000も無数に重なり合って、宇宙中にふくらんでハタラキ合って、大きな宇宙の進歩向上の歯車になって,回っている。
暑い。今日も暑い。午後2時半過ぎの外気温は38・3℃もある。
とても、畑に出る気は起きない。
冷房を効かした涼しい部屋にいて、怠け者をして、ごろんとしている。
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あと半月ほどで9月が来る。
9月になる前に、秋野菜冬野菜の種蒔きをしておかねばならない。
蒔いた白菜の種は一週間ほどで発芽して畑に移植することになる。
移植するには、事前に、畑を耕して施肥をして、発育が出来るだけの条件を整えておかねばならない。
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大根は、畑に直播きしかできない。大根は、その長さの分だけ、スコップで土を深く耕しておく必要がある。(トラクターにやってもらうのが一番だが)
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ともかく少しずつ準備をしておかねばならない。怠けてばかりはいられない。
朝の早い時間、夕方の遅い時間に畑に出て、それぞれ2~3時間ほど、汗を掻きつつ働くことになる。
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こうすると、不思議なことだが、少しずつ気力体力がついてくる。
戦って勝ったオスがメスと交尾できる。交尾の権利が確保される。このシステムを延々と繰り返す。こうすることで進化が促進される。種族が保存される。いよいよ子孫が逞しくなれる。
此処はアフリカのサバンナ。さまざまな種類の動物たちがひしめき合っている。生き残りを賭けるためにはオスは強いオスでなければならない。戦いに勝ったオスでなければならない。
弱いオスは悲惨だ。過酷だ。戦いに敗れたオスは、種族から消去される運命にあう。鳥類も魚類も虫類も、この例に漏れないだろう。種族全体がこのシステムによって強くなれる。生き残れる。
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人はどうか。
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人には弱者救済がある。これで人間独自の進化を獲得した。人間界には愛がある。慈悲がある。宗教がある。これで精神の目覚めが発達した。
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今日は終戦記念日。戦わないで生きることに目覚めた記念日。人は崇高だ。勝ち負けの戦いを選ばない方向に進んでいる。
勝敗に明け暮れないですむところはないか。
勝つか負けるか。勝たなければ負ける。負けないためには勝つしかない。
勝った者にはそれだけの優位性が与えられる。
勝ちたい勝ちたい勝ちたい、になる。争いがまた激化する。
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勝敗に明け暮れないですむところはないか。
勝敗をつけないでよいところはないか。
二人いれば、どちらかが優位を主張し、鬱憤を晴らし,どちらかが劣勢に回って、耐えることになる。
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一人で居れば優勝劣敗は免れる。
随所に主人公となれる。
勝ちが望めなければ、一人で居ることになる。
一人で居れば争わないで済む。
そこで力を蓄える。蓄えたらまた外に討って出る。争いに加わる。
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生涯どれだけ負かされたことか。悔いが山をなす。
敗者は負け犬の遠吠えをする。これでしばらくを耐えてみせる。
勝者を腐しに掛かる。非難する。非難に長ける。目が腐る。
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今日は終戦記念日。日本国は敗戦記念日。連合国側は勝戦記念日。
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エノコログサがひょろりとして風に吹かれている。
オレがオマエを守ってやるから、オレに従え。オレの言う通りにせよ。文句は言うな。服従すれば、分け前は分けてやる。オレが一番偉くて、オマエはその次だ。オレを立てろ。オレを尊敬せよ。
支配と従属の論理。強い者が弱い者を操縦抑圧する。
これを人が人にする。社会が社会にする。国が国にする。
不服従を申し立てれば喧嘩になる、戦になる。強い者が強さを見せつけて戦が終わる。
片方は優位に立って威張れるという心地よさに酔いしれるが、もう片方は常に劣勢。虐げられるばかりで、じめじめした日陰に入って過ごすことになる。
世界中でいまも戦争が続いている。勝者を勝者にし続けるための戦争が続いている。
平和と安寧と調和はないか。
*
その現実の人間社会の片隅で、ワシワシ蝉が鳴いている。