第57回 2014年5月6日 「変幻自在!カラフルに輝く布~山梨 甲州織物~」リサーチャー: 映美くらら
番組内容
今回は、山梨県の「甲州織物」。ネクタイや傘などに使われる、美しくて繊細な布だ。粋な江戸っ子たちの着物の裏地に使われ、華やかで技巧的な織物として知られてきた。微妙な色を作り出す染色や、膨大な糸を操る作業など、随所に職人のワザが。織りあげられた布は、まさに芸術品。舞台衣装にも使われ、トップスターたちが着こなしてきた。宝塚出身の女優・映見くららが、絵画のような美しい模様を持つ布の秘密を探っていく。
*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201405061930001301000 より
詳細不明につき、勝手に調べてみました。
「甲州織物」
高級感漂う甲州織。400年の歴史を持つ伝統織物
みなさんは甲州織をご存知でしょうか?
甲州織は山梨県の富士吉田市を中心とした郡内地域で作られる、400年以上の歴史を誇る織物です。
一般的に甲州織は傘やネクタイなどによく使われていますが、sot(ソット)では、美しい光沢感と深みのある色味、耐久性に優れていることから革製品の裏地にも使用しています。
今回は、江戸時代から愛される「甲州織」の魅力をご紹介します。
甲州織とは
特別な環境が生んだ高級織物
甲州織のルーツは山梨県の名産品でもある“甲斐絹(かいき)”です。
甲斐絹とは正絹を使った織物のことで、その歴史ははるか昔にまで遡ります。
元々に土地が痩せ細っていた甲斐の国(現在の山梨県)は、作物の栽培農作には不向きの風土でしたが、暑さと寒さに強い桑の木は成長を続け、絹糸の原料となる養蚕が育つ環境が生まれました。
また、海外との貿易によって絹織物を作る技術や、絹の品質に大きな影響を与える水質にも恵まれたことで、質の良い絹織物が作られるようになったのでした。
その証拠として、平安時代の法令集「延喜式」には“甲斐の国に絹糸を納めるように”との指示が記されているなど、年貢の献上品として次々と絹織物が作られるようになっていきました。
こうして西陣織の産地である京都と並び、国内有数の高級織物産地となった山梨県の郡内地域(吉田市、西桂町、都留市、大月市、上野原市)は、現在でも甲斐絹の伝統技術「先染め・細番手・高密度」といった技法を受け継いだ織物の生産が行われています。
甲州織の特徴
伝統的な織り方によって生まれる美しい光沢
甲州織は経糸(たていと)に双糸、緯糸(よこいと)に単糸を使って、高密度かつ均一に織られます。
こうすることで、強度と光沢感のバランスが取れた生地に仕上がるのです。
富士の水が作り出す色
富士山の湧き水や雪融水によって染められた糸には光沢があり、色彩の変化も豊かです。
*https://sot-web.com/column/koshu_fabric/ より