うまいッ! 「甘くなめらか!ラ・フランス~山形・上山市~」 2014年11月23日
番組内容
滑らかな舌触りと絶妙の甘み・香りのラ・フランス。山形県上山市は昼夜の寒暖差が大きく日照に恵まれ大田市場でも他産地より2割高値で取引される。120軒の農家の中で、JAによる食味コンテストで最優秀賞を獲得した黒田源さん(65)・潤さん(41)親子に密着。ラ・フランス最大の特徴は、収穫後に熟成を進め甘くしていくことだが、このためには収穫のタイミングの見極めが重要。甘さ、そしてなめらかな食感の秘密に迫る。
*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201411230615001302100 より
詳細不明につき、勝手に調べてみました。
たっぷりの甘さと、ほどよい酸味がハーモニー 追熟させると甘く、香りも豊かに
山形県上山市、黒田源さんが栽培するラ・フランスをご案内します。 果樹園は蔵王連峰の麓、山形県東部・村山地方の最南端にあり、山からの冷たい風が果実を引き締め、昼夜の気温差が大きい、果物栽培の最適地です。
フランス原産の「ラ・フランス」は、明治初期に日本に入りましたが、当時は固くて甘みもないと、全く評価されませんでした。ところがある農家が、捨てられる運命だった黄色く熟した実を食べてみたところ、その舌触りと香りの良さに驚き、瞬く間に高級果実として広まったというエピソードがあります。
さて、今回ご案内のラ・フランスを栽培する黒田氏は、赤土の粘土質土壌で、水捌けのよい傾斜地を選び、日本の梨のように樹の高さを低く仕立てて栽培しています。こうすることで、まんべんなく葉に太陽があたり光合成が活発になるため、果実全体に栄養が行き渡ります。
また、栽培後期からはほとんど肥料を与えないため、成長に時間がかかり、繊維質がきめ細やかで、香りの良いラ・フランスが収穫できます。もちろん、除草剤等は一切使用しておりませんので、安心してお召し上がりください。
なお、ラ・フランスは常温(18度位)で追熟が必要です。軸の回りを指先で軽く押し、しっとりと柔らかさが感じられたら食べ頃です。追熟後に冷蔵庫で軽く冷やしてお召し上がりください。
*https://kensai.co.jp/ec/products/detail/96 より
ラ・フランス、さくらんぼ、ぶどう作りの匠 「黒田果樹園」
「みだぐなす」からフルーツの女王へ
「みだぐなす」と言われてある果物を想像できる人はそういないだろう。「みだぐなす」とは、方言で「見たくない」という意味。実はこれ、ラ・フランスのことなのだ。正確には、ラ・フランスのことをこう呼んでいた時期があったというべきかもしれない。ラ・フランスが日本に入ってきたのは明治時代。日本のなしを古くから栽培していた山形にも大正になるとすぐにラ・フランスが入ってきたのだが、日本のなしの丸い形と比べてラ・フランスのひょうたん型がどうも気に入らなかったようで「みだぐなす」と言われてあまり好かれていなかったようなのだ。
また、作るのに手間がかかることからも、「見たくない」と言われていた。 だが、果物が缶詰でなく生食が一般的になるにつれて、そのおいしさが知れ渡るようになり、そのなめらかな果肉やさわやかなのにとろけるような甘さが注目を浴び、一気に「フルーツの女王」へとのし上がっていったのがラ・フランスだ。
酪農が土を育ててくれた
山形県はラ・フランスの生産日本一の県。全国の生産量の約80%を占めるほどだ。その山形が誇るラ・フランスのなかでも、JAやまがたが主催する「ラ・フランス食味コンテスト」で最優秀賞を獲得するなど、とびきりおいしいラ・フランスを作る黒田果樹園におじゃました。お話を聞いたのは黒田源さんと潤さん親子。 黒田果樹園は源さんの代から果樹栽培を始めた。それまで先代が酪農を営んでいたそうだ。その牧場の跡地を畑として始めたという。
「牛がいたから土質がいいんです」と黒田さんは話す。現在でも土作りを大切にし、定期的に土壌検査をしている。また、肥料の80%は有機肥料で、除草剤も一切使わずに微生物が多様に生きる土作りをしている。 ラ・フランスは実をつけるのが難しい果物だ。気候にも大きく左右される。本国フランスをはじめ、ヨーロッパで生産がされなくなってきたのもそのためだ。
また、開花から実がなるまでに長い期間がかかるため、台風などの被害も受けやすい。それだけ手間と気遣いが必要な果物なのである。そのため、黒田果樹園では、山形県でも珍しい平棚・無袋栽培という特別な栽培方法でラ・フランスを作っている。
山形生まれの紅秀峰
黒田果樹園ではラ・フランスだけでなく、ぶどうやさくらんぼも育てている。取材に伺ったのは、さくらんぼの収穫時期。黒田さんの木にも、紅秀峰が収穫を今か今かと待っていた。さくらんぼのなかでもっともメジャーな品種は佐藤錦かもしれないが、それに比べて紅秀峰は安定して収穫ができるという。
味にも違いがある。糖度は断然、紅秀峰。佐藤錦は酸味があるので、数を食べることができる。「なしに例えれば、幸水と豊水の違いみたいなものですね。品種によって収穫時期と味が違うので、それぞれの特徴を楽しめます」と黒田さんは言う。 それからやはり鮮度がおいしさを増すのだとも話す。
「宅配便など、輸送が発達したおかげで今日収穫したものをすぐに食べることができる。やっぱり味が全然違うんです。朝収穫したものはパリっとして瑞々しい」。そう言って、中田にさくらんぼを渡す。
そのパリっとしたさくらんぼをひとくち噛んで、また紅秀峰のおいしさを堪能していた。黒田果樹園では、紅秀峰専用の園地を作り、垣根仕立てという特別な方法で栽培している。 すべての樹が同じ形に整えられているため、太陽の光が一番下の枝にまで降り注ぐ。そのため、大玉で味にばらつきのない真っ赤な紅秀峰が出来上がるそうだ。
*https://nihonmono.jp/article/18590/ より