「性学もち-せいがくもち」
主な伝承地域 香取、海匝地域
主な使用食材 うるち米
歴史・由来・関連行事
江戸時代末期に活躍した農民指導者「大原幽学(おおはら ゆうがく)」が考案。「性学もち」の名称は、大原幽学が教えた学問「性学(せいがく)」にちなんだ名前。「性学」とは、道徳と経済の調和を基本とし、人の本来持つ良心に従って助け合って生きようという考え方である。
その「性学もち」は、当時高額だった“もち米”を食べられなかった農民にも餅のようなものを食べさせたい、という幽学の試行の末に考案された。
“うるち米”を粉にしないでそのまま二度蒸して、餅搗きと同様に臼・杵でつくる(餅搗き機の使用も可)。米どころだった香取、海匝(かいそう)地域の米農家を中心に広まる。もち米でつくる餅と比べ、かたくならない点で保存性に優れ、広く伝わり、伝承される。別名「つきぬきもち」とも言われている。
食習の機会や時季
通年食べることができる。汁物、鍋、おかず、スイーツとしても、バリエーション広く日常的に食される。粘りが少なく、なめらかな食感なので餅のように喉に詰まる心配がなく、高齢者にも安心な餅として食される。
飲食方法
「性学もち」は汁物に入れても溶けにくく、粘りけが少ない、食感が柔らかい、炒めても溶けにくい加工が容易、という特徴がある。お餅とは違った食感や調理方法を楽しむことができる。汁物、炒め物、白玉風に使えばデザートにもなる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
大原幽学の偉業を伝承する大原幽学仕法伝承会は、女性部の手で製作して、商標登録した「大原幽学性学もち」の名称で本格的製法を伝承しており、大原幽学記念館来場の方に試食提供している他、2015年11月8日の「いきいき旭・産業まつり&ふるさとまつり・ひかた」では、販売もおこない好評を得た。 チーバくんの広場サイトにて千葉県のキャラクターチーバくんが「性学もち」を使った料理に挑戦する。千葉伝統郷土料理研究会が伝承活動をおこなう。香取、海匝地域等で地元の農家が少量製造して地元の直売所で販売しているほか、商品化されて「道の駅季楽里あさひ」をはじめJA直売所「みどりの大地」でも販売されている。他の地域や、県内消費地、首都圏等では購入する機会がなく、認知度も低い。しかし「米どころ千葉」ならではの伝統郷土食であることから、研修会の開催や、リーフレットの配布などをおこない普及に努めている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/seigaku_mochi_chiba.html より
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