旬:3~5月 山海の恵みが混ざり合う汽水域で育つあさり。ふっくらとした身は、滋味に富む深い味わい
プライドストーリー:浜名湖だからこそ生まれる、豊かな味覚。春のあさりはひときわ身入りがよく大粒に
静岡県の西部に位置する浜名湖は、海水と淡水が混ざり合った汽水湖。山からの栄養がいくつもの川を下って流れ込み、魚介類のえさとなるプランクトンを育てます。さらに入り江や水深の浅い場所が多く、底質が砂泥となっているため、あさりが育ちやすい生息環境が整っています。
あさりの水揚げは一年中行われていますが、春先から初夏にかけてのあさりは身入りがよく、味わいが最も豊かになります。春は、あさりが産卵のために栄養をため込んだり、卵などをつくる生殖腺が大きくなる時期。特に、水温が上昇するとエサをたくさん食べてどんどん太るため、1年中で一番おいしくなります。
貝殻いっぱいに詰まった身はふっくら柔らか。頬張ると、口いっぱいに濃厚な旨味のエキスが広がります。定番の酒蒸しをはじめ、炊き込みごはんや味噌汁、つくだ煮にしても味覚のバランスが崩れず、独特の風味を楽しむことができる逸品です。また、低カロリーであることもうれしい魅力で、ビタミンB12や鉄分や亜鉛などのミネラルを豊富に含み、貧血防止にも効果があると言われています。美しい浜名湖の風景とともに、おいしくヘルシーな旬のあさりを味わってみてください。
水揚げ漁港や漁法:独特の道具を使った漁法で採捕。放流や天敵の駆除など資源保護にも取り組む
あさり漁に使うのは、大きな篭がついた熊手状の道具「カクワ」(ほかにクマザラ・ジョレンなどの呼び名がある)です。船から湖内に降りた漁師さんは、湖底をカクワで曳き、あさりを獲ります。カクワは、柄が短いものから長いものでは3m近いものもあり、水深の深い場所では、ステンレス製の脚立のような「ゲタ」という道具を使用して作業します。
禁漁期間は設けていないため一年中採捕できますが、サイズには規定があります。静岡県漁業調整規則では、殻長2cm以下は採捕禁止。漁業者間ではさらに独自のルールを設け、殻長3cm以上のあさりを選別し水揚げするという制限を設けています。また、一日の水揚量の上限も定めるほか、天然種苗した稚貝の放流や、天敵となるツメタガイの駆除を行うなど、あさりを貴重な水産資源としてその保護・増殖に努めています。
*プライドフィッシュHP より
浜名湖アサリの水揚げ最低 不漁4年連続、潮干狩り影響にも懸念(2020/1/21 08:36)静岡新聞
浜名湖特産のアサリの不漁が深刻化している。2019年の漁獲量は872トンで前年から半減し、過去最低だったことが20日、浜名漁協(浜松市西区)への取材で分かった。16年のアサリ大量死から続く不漁は4年連続。浜名漁協や県水産技術研究所浜名湖分場(同区)は資源回復策を急ぐが、漁業だけでなく観光潮干狩りへの影響も懸念されている。
「アサリの水揚げはずっと低調。漁へ出る人も減っている」。同区の50代の男性漁師は声を落とす。
浜名湖のアサリは年平均3400トン前後の水揚げを記録してきたが、貝の窒息死につながる海藻のアオサが大量発生した16年は1901トンに激減。翌17年は968トンで、統計の残る1982年以降初めて1千トンを下回った。2019年は2年ぶりに過去最低を更新し、豊漁だった10年前の約7分の1の水準にまで落ち込んだ。
同分場の小泉康二上席研究員は「資源量が回復していない上、夏の高水温や相次いだ台風の影響でアサリが弱って死んだ可能性がある」と指摘する。
浜名漁協は漁獲量の制限と禁漁区域を設けるとともに、県と一緒に稚貝放流や母貝育成、保護柵設置などに取り組んでいる。河合和弘組合長は「資源量が増えるよう引き続き対策を進める」と力を込めるが、いずれの対策も緒に就いたばかりで急速な回復につながるかは未知数だ。
アサリの不漁で近年、中止や限定実施が続く潮干狩りについても「現状では20年も開催が難しいのでは」(地元観光業者)との声が上がっている。
なんとも悲しい話である。
プライドストーリー:浜名湖だからこそ生まれる、豊かな味覚。春のあさりはひときわ身入りがよく大粒に
静岡県の西部に位置する浜名湖は、海水と淡水が混ざり合った汽水湖。山からの栄養がいくつもの川を下って流れ込み、魚介類のえさとなるプランクトンを育てます。さらに入り江や水深の浅い場所が多く、底質が砂泥となっているため、あさりが育ちやすい生息環境が整っています。
あさりの水揚げは一年中行われていますが、春先から初夏にかけてのあさりは身入りがよく、味わいが最も豊かになります。春は、あさりが産卵のために栄養をため込んだり、卵などをつくる生殖腺が大きくなる時期。特に、水温が上昇するとエサをたくさん食べてどんどん太るため、1年中で一番おいしくなります。
貝殻いっぱいに詰まった身はふっくら柔らか。頬張ると、口いっぱいに濃厚な旨味のエキスが広がります。定番の酒蒸しをはじめ、炊き込みごはんや味噌汁、つくだ煮にしても味覚のバランスが崩れず、独特の風味を楽しむことができる逸品です。また、低カロリーであることもうれしい魅力で、ビタミンB12や鉄分や亜鉛などのミネラルを豊富に含み、貧血防止にも効果があると言われています。美しい浜名湖の風景とともに、おいしくヘルシーな旬のあさりを味わってみてください。
水揚げ漁港や漁法:独特の道具を使った漁法で採捕。放流や天敵の駆除など資源保護にも取り組む
あさり漁に使うのは、大きな篭がついた熊手状の道具「カクワ」(ほかにクマザラ・ジョレンなどの呼び名がある)です。船から湖内に降りた漁師さんは、湖底をカクワで曳き、あさりを獲ります。カクワは、柄が短いものから長いものでは3m近いものもあり、水深の深い場所では、ステンレス製の脚立のような「ゲタ」という道具を使用して作業します。
禁漁期間は設けていないため一年中採捕できますが、サイズには規定があります。静岡県漁業調整規則では、殻長2cm以下は採捕禁止。漁業者間ではさらに独自のルールを設け、殻長3cm以上のあさりを選別し水揚げするという制限を設けています。また、一日の水揚量の上限も定めるほか、天然種苗した稚貝の放流や、天敵となるツメタガイの駆除を行うなど、あさりを貴重な水産資源としてその保護・増殖に努めています。
*プライドフィッシュHP より
浜名湖アサリの水揚げ最低 不漁4年連続、潮干狩り影響にも懸念(2020/1/21 08:36)静岡新聞
浜名湖特産のアサリの不漁が深刻化している。2019年の漁獲量は872トンで前年から半減し、過去最低だったことが20日、浜名漁協(浜松市西区)への取材で分かった。16年のアサリ大量死から続く不漁は4年連続。浜名漁協や県水産技術研究所浜名湖分場(同区)は資源回復策を急ぐが、漁業だけでなく観光潮干狩りへの影響も懸念されている。
「アサリの水揚げはずっと低調。漁へ出る人も減っている」。同区の50代の男性漁師は声を落とす。
浜名湖のアサリは年平均3400トン前後の水揚げを記録してきたが、貝の窒息死につながる海藻のアオサが大量発生した16年は1901トンに激減。翌17年は968トンで、統計の残る1982年以降初めて1千トンを下回った。2019年は2年ぶりに過去最低を更新し、豊漁だった10年前の約7分の1の水準にまで落ち込んだ。
同分場の小泉康二上席研究員は「資源量が回復していない上、夏の高水温や相次いだ台風の影響でアサリが弱って死んだ可能性がある」と指摘する。
浜名漁協は漁獲量の制限と禁漁区域を設けるとともに、県と一緒に稚貝放流や母貝育成、保護柵設置などに取り組んでいる。河合和弘組合長は「資源量が増えるよう引き続き対策を進める」と力を込めるが、いずれの対策も緒に就いたばかりで急速な回復につながるかは未知数だ。
アサリの不漁で近年、中止や限定実施が続く潮干狩りについても「現状では20年も開催が難しいのでは」(地元観光業者)との声が上がっている。
なんとも悲しい話である。
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