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うまいッ! NHK「やわらか ほのかなコク 能登のナマコ~石川・七尾市~」

2024-04-14 08:25:54 | うまいッ!NHK

 うまいッ! 「やわらか ほのかなコク 能登のナマコ~石川・七尾市~」

 番組内容
 石川県の七尾湾のナマコは歯応えがありながらも柔らかく、磯の香とともにうまみとほのかなコクがある。生は主に県内で消費され加工品が各地に出回る。漁師は岩礁帯の浅瀬にいる栄養たっぷりのナマコを狙うため、海底の岩に引っかからないように丸い陶器が付いた桁網を使う。また、ベテランの加工職人たちの手で素早く加工される「このわた」(腸の塩辛)や「くちこ」(卵巣の干物)は“高級珍味”に。おいしさの秘密に迫る。

*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201502080615001302100 より

 詳細不明につき、勝手に調べてみました。

 

 能登(石川)のなまこ(ナマコ)について

 日本各地の水深の浅い沿岸、波の少ない内海になまこは多く生息しています。
石川県・能登では七尾湾でよく水揚げされています。特に穴水町や七尾市石崎町では、なまこ漁が盛んで現在でも水揚げされたナマコを加工する加工場があります。
 石崎町はたくさんのナマコが集まるので、加工場もたくさんあり穴水町に比べ5倍近くの加工量があるそうです。

 能登で水揚げされるナマコはマナマコと呼ばれるもので、外見の色味で「赤なまこ」「青なまこ」「黒なまこ」に分けて加工されます。
 見た目がきれいな「赤なまこ」は生食用として高値がつくことが多いので、職人が鮮度など確認をしてから地元の料亭や東京大阪の市場へと出荷されます。
 たくさん水揚げされる「青なまこ」は、小さいサイズのものは石川県内の市場に出荷されることが多いそう。手ごろな価格帯で地元民が購入しやすいんでしょうね。
 大きい青なまこや黒なまこは熬海鼠(イリコ)と呼ばれる、干しナマコに加工します。
 市場に出荷するときも干しナマコに加工するときも内臓は全て取り出します。
 取り出した内臓は加工され、高級珍味に生まれ変わります。腸を生のまま塩漬けにしたものを「このわた」、卵巣を丁寧に三角形の形に整えながら干しあげた「干しくちこ」は、どちらもお酒に良くあう珍味として知られています。

 石川県ではナマコ漁に漁期が設けられていて、11月6日~4月15日の間だけ。水温が下がるとナマコは活発に動き旬を迎えます。その時期に合わせて漁期が決まっています。もちろん、このわたや干しくちこが作られるのもこの時期だけです。

 なまこの漁について
 ナマコってどうやって漁をしているのでしょうか? いつ頃捕っているんでしょうか?

 全国的になまこ漁は、底引き網や海女さんによる素潜り、けた網と呼ばれる曳き網で行われています。
 1.底引き網
 漁船から海底まで伸ばした網を曳きながら漁を行う方法です。なまこ以外にもいろんな魚介を捕るために行われる方法で禁漁期間もあります。
 2.素潜り
 いわゆる海女さんの素潜り漁です。なまこは浅い海域に生息しているので素潜り漁も行われています。
 3.けた網
 鉄などで作った枠に袋状の網をつけたけた網と呼ばれるもので捕る漁。海底を曳きながら漁をするものでホタテ貝などの漁にも使われています。

 能登なまこの漁について
 能登なまことして水揚げの多い七尾市・石崎漁港でのナマコ漁は、3番目の小型漁船によるナマコけた漁で行われています。
 昭和40年代には1,000トン以上の水揚げがあり、七尾湾にはナマコの上にナマコがいるほどたくさんのナマコがいたそうです。
 現在ではナマコ自体の数が減り、水揚げ量も1/3以下にまで減っているそうです。

 能登なまこについて
 七尾市にある能登なまこ加工共同組合組合は、平成21年に『能登なまこ』を商標登録し、品質管理など取り決めを行い、飲食店や商品に能登なまこであることを認定しています。

 認定商品は、能登スタイルストアで取扱している、すぎ省水産の「茶ぶり味付けなまこ」、「このわた」、「干しくちこ」などで、現在は基本的に年間を通して販売を行っています。

 能登のナマコ漁期について
 稚ナマコの放流美味しくなる冬期11月6日~4月15日の間が解禁となる時期です。じつは、加能ガニ(ズワイガニ)と同じ解禁日なのですが、あまり知られていません。解禁日になるとテレビでは「加能ガニだ!香箱ガニだ!」と話題になりますが、ナマコの話はぜんぜん取り上げられません。
 ズワイガニの注目度からすると、なまこはちょっと地味なんでしょうか...
 ちなみに解禁時期ではなく、漁期終了になる頃に能登なまこ加工協同組合では「ナマコ供養祭」を執り行い、子どもたちによる稚ナマコの放流なども行っています。

*https://notostyle.shop-pro.jp/?mode=f12 より

 

 なまこ(なまこ)名産

 石川県では七尾湾を中心にした穴水町や七尾市でたくさんのなまこが水揚げされていて、ナマコの名産地として知られています。
 能登のなまこは、地元だけでなく全国の市場へと出荷され、旬の時期には東京銀座の飲食店でも提供されています。
 能登のなまこはなぜ名産となったのでしょうか。
 ここでは、能登のなまこが美味しい理由、能登のなまこが古くから代表的な海産物として扱われていた歴史を紹介したいと思います。

 能登のなまこが美味しい理由
 日本海に突き出した能登半島。一年を通じていろんな魚介が水揚げされ、ズワイガニや甘エビ、牡蠣やサザエ、ブリにノドグロなど季節ごとの味覚で楽しむことができます。
 中でも七尾湾は「天然のいけす」と呼ばれるほど、様々な魚介類が水揚げされてきます。そんな七尾湾で冬の時期に水揚げされるのが「能登なまこ」です。
 能登のナマコは磯の香りが強く、身がしっかりとしていて味があると食通の間では評判とのこと。さまざまな魚介類が生息している環境は、ナマコが美味しくなる理由とも関係があります。
 ここでは、能登のナマコが美味しくなる理由を3つ紹介したいと思います。

 理由その1.山から海へと流れ込む養分たっぷりの水
 世界農業遺産(GIAHS)に認定された能登の里山里海。
 里山というのは、集落、農地、森林などを人がちょうど良い具合に関わることで豊かな自然が残されてきた地域を指します。人々の生活の場であると同時に生き物や自然環境にとっても良い状態。 そして、里海も同様。人が海の恵みをうけとりながら生活し、海の生き物にとっても重要な場所。 里山から流れ出す水は落ち葉などからの栄養をたっぷりと含んでいます。その水が里海に流れ込み海藻が生育し、その海藻をプランクトンが食べ、プランクトンをナマコが食べる。 良質な海藻を食べたプランクトンを食べるナマコ。海藻のうまみをたっぷりと蓄えたナマコ、深い味わいがあるのも納得です。

 理由その2.有機物が堆積した海底と海水温
 能登の特産品として知られている珪藻土コンロの材料となる珪藻土。この珪藻土というのは藻類のひとつ、珪藻の殻が化石となって堆積したものです。
 能登半島のなかでも珠洲市と七尾市和倉町では珪藻土を使ったコンロや七輪製造が行われています。なぜなら珪藻土が採れるから。
 もともと海底に何万年もかけて堆積していた珪藻土が、地殻変動により隆起して能登半島になったと考えられていて、能登半島の3/4が珪藻土ともいわれています。
 珪藻土はものすごく小さな穴が無数にあり、この無数の穴が断熱効果や濾過、吸着効果を生み出します。七尾湾の海底でも珪藻土の濾過、吸着効果が適度に海水が清浄に保つ助けをしています。
 そして、さらにナマコにとっていい環境なのが海水温。ナマコは冷たい水が大好き! 日本海の厳しい寒さが海水温を下げ、その冷たい海水によって歯ごたえがある美味しいナマコが育ちます。

 理由その3.熟練の職人が伝統の技術でひとつひとつ手作業で加工
 能登のナマコが加工され、幕府に献上されていたという文献が残っています。
 江戸時代加賀藩の前田家から干しナマコの製造を奨励されたとのこと。
 さらに古くの文献では、天平~平安時代の能登国の貢納品として熬海鼠(干しナマコ)、海鼠腸(このわた)が列挙されています。

 江戸時代以前から伝えられてきた技術で熟練の職人が丁寧に加工することにより、能登なまこの品質や美味しさが支えられています。
 能登・珠洲市で行われている揚浜式塩田も江戸時代以前から伝えられている技術と言われています。
 今では日本で唯一、珠洲市でのみ揚浜式塩田で製塩されており注目を浴びていますが、ひょっとすると能登なまこの加工技術が日本で唯一となる日が来るのかもしれません。

 なまこの歴史
 少し能登なまこの歴史について触れましたが、KURA「能登のナマコ生産と食用文化史の研究」によると、下記の文献などで紹介されているそうです。

 平城宮跡出土木簡(天平時代)
 天平四年 能登国能登郡鹿島郷望理里調熬海鼠六斤
 天平八年 能登国能登郡鹿島郷望理里調代熬海鼠六斤 など

 延喜式(平安時代)
 能登国に期待した貢納物として
 〔交易雑物〕海鼠腸
 〔調〕熬海鼠・海鼠腸

 蜷川親元日記(室町時代)
 寛正6・11・10 義統→幕府 海鼠腸三桶
 文明 13(1481)3・25 義統→足利義政 海鼠腸百桶(只御進上) など

 さまざまな文献などに登場する能登のなまこ情報は独自の食文化を表しているとも言え、奈良時代以降は能登を代表する海産物として流通していたと思われます。
 能登なまこには奈良時代から続く歴史があり、その歴史が現在のなまこ漁やナマコ加工の技術につながっているんですね。

*https://notostyle.shop-pro.jp/?mode=f14 より


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