登録番号 第59号 水戸の柔甘ねぎ
特定農林水産物等の区分 第2類 野菜類 ねぎ
特定農林水産物等の生産地 茨城県水戸市、東茨城郡城里町・茨城町
登録生産者団体 水戸農業協同組合
特定農林水産物等の特性 軟白部分が一般的な根深ねぎより1.3倍~1.6倍長く(約40cm)、曲がりが少ない。柔らかく、グルコースの含有量が高いため甘みがある。ピルビン酸が少ないことから辛味やえぐみが少なく、緑の部分まで生でも食することができる。
地域との結び付き 排水が良く適度な保水性を持ち、十分な厚さの作土層を確保できていることで、全長約140cmになるねぎの促成栽培が可能。冬場の日照時間の長さなど、施設栽培に適した気候。
*https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/i59.html より
「水戸の柔甘ねぎ」の特徴は、食感の柔らかさにあります。
白い部分が一般的な根深ネギよりも1.3~1.6倍長く、破断強度も低くなっています。また、一般的な根深ネギよりも、甘み(グルコース)が強く、辛味(ピルビン酸)が少ないことも特徴に挙げられます。
これらの特徴により、「水戸の柔甘ねぎ」は、消費者にとって人気の高い産品と評価されています。
「水戸の柔甘ねぎ」は、生産地内のビニールハウスで栽培されます。
一般的なねぎとは異なり、生産者は白い部分を曲げずに長く伸ばすために、土寄せを行わず、ねぎを遮光フィルムで囲います。ねぎが折れないように、生産者は丁寧に抜き取って、皮をむいた上で、白い部分が40cm以上のものだけを乾かないように速やかに鮮度保持袋に包装して出荷しています。
生産地(茨城県水戸市)は、那珂川流域の沖積層の低地と、関東ローム層(1)の台地となっています。そのいずれもが、「水戸の柔甘ねぎ」の長い根の生育に十分な厚さの土壌を備えています。また、日照時間が十分に長く、台風による被害も少ないことから、生産地は、ネギなどの施設栽培に適した土地であると言えます。
江戸時代の水戸藩(2)では、「食菜録」(3)など、食に関する文献が数多く執筆されてきました。そのなかで、ネギは、ニラ、ラッキョウ、ニンニク、ショウガとともに注目され、古くから水戸周辺において食されてきました。
1981年以降には、地域の生産者が一丸となって、高品質な根深ネギの生産のために栽培方法の探求を続け、「水戸の柔甘ねぎ」の生産技術を確立させました。
「水戸の柔甘ねぎ」の生産者の部会が、1999年に水戸農業協同組合に設置されて以来、このねぎの生産が振興されています。
(1)関東ローム層:日本の関東平野を覆っている第四紀の火山灰に起源する褐色風化土壌の層です。
(2)水戸藩:江戸時代に現在の茨城県の中北部を治めていた水戸徳川家の領地。徳川光圀、徳川斉昭などが当主を務めました。
(3)食菜録:徳川斉昭が江戸時代の後期に執筆した料理本。水戸徳川家の料理のレシピが記録されています。
*https://gi-act.maff.go.jp/register/entry/59.html より
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