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< 郷土料理 > 山形 納豆汁

2024-03-26 09:35:41 | 郷土料理

 「納豆汁」

 主な伝承地域 県内全域

 主な使用食材 納豆、豆腐、油揚げ、山菜、いもがら(からとり芋の茎を干したもの)、こんにゃく、キノコ、ねぎ、せり、味噌

 歴史・由来・関連行事
 山形県では、食材が不足する冬を乗り越えるための保存食として、納豆を自家製するのが珍しくなかった。煮た大豆をわらでつくった筒に詰め、こたつの脇などの温かいところに一晩から二晩おいて納豆をつくっていた。大江町村山地域では、糸の引かない納豆は「納豆汁」に仕立てたという。
 「納豆汁」は、山形県で古くから親しまれている冬の家庭料理。納豆をすり鉢で粒が見えなくなるまでよくすりつぶしてとろみをつけ、汁に馴染ませるのが特徴。からとり芋の茎を干してつくる「いもがら」は、「納豆汁」に欠かせない食材。干物や塩蔵品などの保存食とともに、豆腐や油揚げなどもたっぷり入った貴重なタンパク源だった。
 また、村山地域では七草の時期に、最上地域では正月に、庄内地域では「大黒様のお歳夜(おとしや)」などに食べられることもある。

 食習の機会や時季
 「納豆汁」は納豆のとろみで冷めにくく、寒い冬に、体を温める汁物として各家庭でつくり、食べられてきた。
 雪深い地域では早春に七草を揃えることができないため、七草の時期には、干物や保存食を利用してつくったこの「納豆汁」を食べて、1年間の無病息災を祈る習慣がある。また、最上地域では元旦や1月3日に、庄内地域では12月9日の大黒様が妻を迎える夜とされている「大黒様のお歳夜」や大晦日に食べることもある。「大黒様のお歳夜」では、ほかに豆炒りや米炒り、まっか大根(二股になった大根)を供えるとともに、豆と大根を使った料理を並べて豊作と子孫繁栄を祝う。

 飲食方法
 すりつぶす納豆の粗さは家庭によって異なるが、一見して納豆が入っていないくらいていねいにつぶすことが多い。すりつぶすことで、汁に馴染みやすく、口当たりがなめらかになる。また、かき回しすぎると粘りが出て滑りやすくなり、すりつぶすのが難しくなるため、豆一つ一つをつぶすようにするのが調理のコツ。
いもがらはお湯で戻して、水でアク抜きをしてから使う。すりつぶした納豆を入れる際は、すり鉢で味噌と合わせ、汁でのばして加えることで、混ぜやすくなる。味噌や納豆を加えたらあまり煮過ぎないほうが良い。

 保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
 最近では、手間がかかるため一般家庭でつくられることは少なくなってきているが、旅館や飲食店、学校給食のメニューとしても提供されている。学校給食では人気メニューの一つとなっている。
家庭で手軽に「納豆汁」が調理できるよう、「納豆汁セット(納豆汁の素)」として商品化され、スーパーマーケットで販売されている。

*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/nattojiru_yamagata.html より


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