GW読書。
野口悠紀雄が著者なので、いつものようにわかりやすく解説してくれるかと思って読み始めたら…
かなり難解(笑)
で、かつ300ページ超(涙)
その訳は、ブロックチェーン技術自体が在来技術型とは違うこと。
流行?のフィンテックでさえ、旧来ゾーンに属する。
その記述部分を少々引用しよう。
フィンテックは革命的変化ではない
ほとんどは、クレジットカード・システムの上に築かれているから(=決済)
フィンテックの中には、送金コストをゼロ近くまで引き下げるサービスも登場している
が、これは「フリーミニアム」によってコストを引き下げているに過ぎない。
(基本的なサービスは無料で提供するシステム。高度な技術は課金)
ではブロックチェーンならどうなるか。
ここで新キーワード登場。
本では236ページに登場するが、当ブログはここで出したい。
DAO = Decentralized Autonomous Organization
中央集権的なシステムで取引を中心としたやりとりを管理するのではなく、分散型。
POW(Proof Of Work)という技術によって成立する。
ブロックチェーンは仮想通貨を支える情報技術であり、前半は以下のような章立て。
第2章:ブロックチェーンの応用(1)ビットコインの成長
第3章:ブロックチェーンの応用(2)銀行も導入
第4章:ブロックチェーンの応用(3)業に革命的変化;通貨と金融をどう変えるか
第5章:在来技術型のフィンテックとその限界
第6章:ブロックチェーンは通貨と金融をどう変えるか
と金融系の議論が続く(通貨、ビットコイン、銀行、証券 etc…)
この先に、融規制、法制度、決済 etc…へと話が深化していく。
繰り返しになるが、決済はフィンテック領域で、ペイパル及び他の先行事例も登場。
このままその方向の本だと思って読んでいくと、7章からいきなり方向が変わる。
第7章:ブロックチェーンの応用(4)事実の証明
第8章:ブロックチェーンの応用(5)IoT;分散型自律組織や分散市場がすでに誕生
第9章:分散型自律組織はいかなる未来を作るか
IoTまでが登場し、驚く。
ブロックチェーンはそっちにも関係あるのか?!
そしてフィニッシュに向かうラスト2章。
第10章:分散型自律組織はいかなる未来を作るか
第11章:われわれは、どのような社会を実現できるか
ここでは予測市場、分散市場なるコトバまで登場し、当ブログは完全にケムに巻かれた(笑)
読み終わって感じたのは、この一冊が非常に野心的な一冊だということ。
こうした技術革新は常に動いているので一定の理解をしていないとすぐ振り落とされかねない。
という一方、あるチェンジでそれまで最新だったものも一瞬で消えてしまうこともある、
というのが当ブログの認識。
なので野心的であることは、実際に進む方向と合致する可能性もある一方、両極にふれがち?
とはいえ、ひとつの可能性を知ることができるだけでも、読んだ価値があったといえよう!