~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

ひとりで弾くのは淋しすぎる

2009年10月30日 15時20分59秒 | ピアノ
このまえ娘がこっそり教えてくれました(ここでばらしたらこっそりではないですが・・・)。
将来の夢~~~オーケストラでピアノとバイオリンを弾く人

ここ思わず笑ってしまうところなんですけど、いやいや子どもの夢を笑ってはいけません。
常識的に考えるとあり得ないのですが、それが夢というものでもあります。

バイオリンはともかく、娘はピアノもオーケストラの一員だと思っているようで(もちろん楽器として加わることはあるわけですけど)、ソロ演奏のほうがイレギュラーだと思っているフシがあります。
この前、娘の発表会のプログラム見ていたら、かなり内容的に難しい曲があったもので(中学生)、思わず「お母さん、これは弾けないかもなあ」と言ってしまったわけです。そしたら、娘いわく「オーケストラでピアノ弾く人でも弾けんの?」

・・・なんと言ったらいいんでしょうか?(笑)
だいたい私は職業的にオケでピアノ弾く人ではないし、たまたま2回だけ素人オケに混ぜてもらったというだけのこと、
次にオーケストラの中で弾くピアノよりは、単独で弾くピアノのほうが青天井の難易度だということ、
この2点において娘の認識はちょっとヘンなのでありますが、それを無碍に訂正するのも憚られまして、沈思黙考してしまいました。


考えてみたら、娘は実は私がソロを弾く姿をあまり見たことがない・・・
コンクールやちゃんとした発表会の時は家族ごと留守番させますし、サークルの発表会でもソロのときは帰すことが多いです。それはもちろん騒ぐからですが・・・(汗)。
人前で弾くのをちゃんと見たのは、3年前と今年の大野オケの時。それもパーカッションの隅っこのほうで、いるかいないかわからないような地味さで弾いていたときだけなんではないかと。
アンサンブルは先日のサークル発表会で少しは見ていたかもしれません。

もともと娘は人前に出るのがあまり好きなタイプではなく、2年前の初めての発表会のときは、夜な夜な「あんな広いところに独りで出るのは淋しすぎる~~~」と大泣きしていました。恥ずかしいとか怖いのではなくて「淋しい」らしいです。私はそういうことを考えたこともありませんが(爆)。
なので、おそらく「オーケストラの中にいればピアノも淋しくない、これだ」と思ったのでしょう。こういう動機でピアノやってる子どもっているんですかね?たいがいは「一人でかわいい服着て上手ねってほめられたい」って感じではないかと。
・・・・でも、そういう気持ちというのは変わるものではあります。
私自身は、趣味で再開するまでは、ソロ命、連弾なんかつまらん・・というタイプでしたので、この年のなってこんなにソロに後ろ向きなる時期がくるなんて考えてもいませんでした。
別に、緊張するからいやだとか暗譜が怖いとかそういう理由ではありません。
どちらかというとそれは逆に年々なくなってきていますので、弾くことそのものは別にいいのですけど、ぜひ弾きたいという気持ちが湧いてきません。
舞台に出れば出たで楽しいんですけど、そこまでがなんとも・・・。
練習も好きですし、舞台で弾くのもかまわない、・・・要は日常から舞台にシフトしたいというモチベーションが希薄なんですね。
アンサンブルになるとそのあたりは「みんなでやろう!」になるので、勝手に盛り上がってくるものなのですけど、ソロはそこが難しいです。


別に仕事でもないのにそういうゴタクを並べているということは、「どんなボロでもいいから生のピアノを弾きたい、グランドだったら文句なし。少しでも響きのいいところで弾きたい、そのためにはコンクールだってなんだって受ける」という渇きの時代は過去になりつつあるということなんでしょうね。

そういう私に娘は何を見ているのか・・気になるところではあります。