アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

衛兵がガラスケースに入る…首都アンカラ

2009年12月25日 | Weblog
トルコの首都は、アンカラ。人口約400万人。首都とはいっても、静かな田舎町といったたたずまい。
 1930年より前までは、「アンゴラ」と呼ばれていた。私の世代(アンティーク)は、「アンゴラ」でピンと来るものがある。「アンゴラウサギ」「アンゴラヤギ」「アンゴラネコ」です。これらの動物は、アフリカのアンゴラではなくトルコのアンゴラ原産のものです。
 
 アンゴラヤギといっても、若年層は、「何それ?」でしょう。「モヘヤ」だよと言うと、「エー!ホント?」と少し反応があるでしょうか?現在でも、モヘヤの生産量は、トルコが世界一です。
 アンゴラウサギの毛は、「アンゴラウール」。「羊の毛の7倍の暖かさ」なのだそうです。私には2倍なのか7倍なのかぜんぜんわからないが、そういうことを計算する人がいるのですねえ。
 アンゴラネコ、つまり「ターキッシュアンゴラ猫」は、現在、アンゴラヤギやアンゴラウサギを抑えて知名度が一番高いかも知れません。利口なイヌのような性格のため人気が高い。私が驚かされるのは目で、形は、「大きなアーモンド型」。色は、「青、緑、琥珀色」がある。それで・・・通常目の色は左右同じのはず。しかし、ターキッシュアンゴラ猫の場合、左右の目の色が違うことが多い(猫業界では、左右の目の色が違う個体を珍重する傾向があるのではないか?)。そして、「青い目のある側の耳は聞こえない(右目が青ければ、右耳が聞こえない)」。遺伝子が関係しているようです。

 アンカラは、ローマ領に編入されたことがあります(紀元前25年ごろのこと。エジプトやトルコを旅行すると、紀元前25年など、つい最近の感じがします。紀元前4000年とか3000年が普通ですから)。ローマ人は、アンゴラをローマ都市として整備するため、大劇場、大浴場、神殿などを建てた。それらが今も遺跡として残っています。

 びっくりしたのは、アタテュルク廟です。検問を過ぎてからやや走らなければ建物に着かない(検問では、車の下まで調べられました)。広大な敷地。建物の前には、球場より広い石畳の庭。衛兵が数カ所に立っている。外の衛兵は雨になると、な、な、なんとガラスケースに入る!これには、衝撃を受けました。日本には、「箱入り娘」がおりますが、アタテュルク廟には、「ガラスケース入り衛兵」がいる。建物もバカでかい。国の威信をかけたものです。

 アンカラ駅には、レストラン、売店、トイレがありました。趣がなんともノスタルジック。高層ビルではなく、古めかしい平屋の駅舎。駅なのに、人影がまばら。
 改札口らしきものはあるが、無用の長物。勝手にホームへ入ってみた。アンカラ~イスタンブール間を走る列車、「アンカラ特急」が停車していた。567kmを9時間30分で走る。特急にしては遅いって?遅いですよー。「アンカラ鈍行」です。ゆったり旅をしたい人には、いいと思います。ちなみに、車ならおよそ6時間。列車の乗客は、ほとんどが日本人団体客とのこと…。日本人は、こういうところでトルコに貢献していたのですね。いいぞ!日本人。

 先日(12月中旬)、オリエント急行が営業を終えました。その昔、カレー発イスタンブル行きは、「カレー~パリ~ストラスブール~ミュンヘン~ザルツブルク~リンツ~ウィーン~ブダペスト~ベオグラード~ニシュ~ソフィア~イスタンブル」というルートでした。列車から降りて、黒海を渡った時代もありました。そんなはずないだろうって?よく調べるとわかりますよ。本当の話です。
 アンカラ特急とオリエント急行、どちらにも乗ったことがない私には、イメージがダブるんです…。オリエント急行なき今、アンカラ特急には生き続けてほしいが…。