アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

寒い中…温い話

2015年02月02日 | Weblog
 19億円と4億円。どっちがほしい?大部分の人が、もらえるものなら4億円より19億円ほしいと答えるのじゃないかなあ…。ところが、黒田博樹投手は、4億円を選択した。そんな単純なものじゃないって?はいはい、とりあえず、19億円を振って、4億円を選んだことだけは事実。

 で、なぜ?昨年、広島市を襲った土砂災害がきっかけになったという説…これで間違いないでしょう。復興の願いを投球に込め、残り少ない現役生活を広島にささげる決断をした。お金は問題ではなかった。

 黒田投手は、「年俸額を度外視して広島に復帰すれば、FA市場の相場を破壊し、大リーグでプレーしている他の日本人選手に迷惑がかかる…」と、憂慮していたという。気遣いが出来る人なんですねえ。昨秋オフに入ると、ひそかに広島市の土砂災害現地を訪れ、被災者やボランティアを励ましたという。慢心、勘違い、審判批判のアスリートなどには、到底出来ることじゃない。

 黒田投手と内容は違うが「心」がダブルのは、入来祐作さん。PL学園高、亜細亜大、本田技研からドラフト1位で巨人に。そのあと、日本ハムに移籍。そこまではよかった。メジャーリーグに挑戦。結局、米球界では芽が出ず、入団テストで横浜に拾われた。しかし、結果を残せないまま2008年に引退。その後なんです…
 日本中の野球ファンが驚いたのですが、球団に頭を下げて、1年間バッティングピッチャーに。その後は用具係。ボールを運び、バットを並べ、グラウンドをならす。球拾いも、後片付けも。私は、そんな暮らしを5年も続けられるとは思いませんでした。すぐに音を上げるだろうと。華やかな場でスポットライトを浴びた経験がある人が、グラウンドをならして、ボールを拾い、後片付けをする…。
 ところが、入来さんはやり続けたんですねえ!

 そして、ソフトバンクホークス3軍投手コーチに就任が決まった。
 これは、現代のベースボールドリームすよ。入来さんは素晴らしい。そこに目をつけたソフトバンクホークスも素晴らしい。

 黒田投手にしろ、入来コーチにしろ、「心」が温まりますよ。