アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

釣瓶を盗ったのはだれ?

2016年08月25日 | Weblog
 学級で子どもたちと一緒に給食をとる先生がたのほかに、別室で給食を食べる7~8人ほどの職員がいます。私も、週1~2度そこで給食をいただきます。
 窓の外には、1年生が「生活科」で育てた朝顔が満開。この場面で、私が黙っているワケがない。
 「朝顔に我は飯食ふ男かな(芭蕉)」を披露しました。皆さん感心するかと思いきや、私の作品と思ったらしくいちゃもんがついた!

 「『朝顔に』じゃなくて、『朝顔や』と切れ字を使った方がいいんじゃないですかぁ?」・・・これは、国語の教員免許を持つ期限付きの女性教諭25歳。彼女は寝ていて虫に刺されたのだそうで…わざわざ私に報告する話でもないと思うが…。
 「『飯食う男』って、そのまんまじゃないですか!」・・・これは、ウイッツ青山学園と、青山学院大学を混同して顰蹙を買った59歳の男性教諭。

 後者の場合、俳句の知識皆無ですから、「ああそうですかぁ!俳句の場合、そのまんまじゃダメなんですね」と、軽く流しました。
 前者なですが、彼女は芭蕉の作品とは気づかなかったわけで、「あなたは、芭蕉の句にケチをつけるかのか!切れ字を二つ重ねちゃダメだろう!」と、言ったのでは可愛そう。「そうだよねぇ、『朝顔や』だよねぇ」と、やんわり同意しておきましたよ。

 その時、俳句の知識などないと思われたウイッツ青山の59歳が、俳句を披露した!加賀千代女の句ですが、と前置きして…
 「朝顔につるべとられてもらい水」…ウイッツ青山を見直しましたよ。加賀千代女を知っているとは!もっとも、たまたまこの句だけを知っていたのでしょうけどね。

 私は、この句が大好き。この句の意味は、「朝顔が、井戸の釣瓶に巻き付いたので水が汲めない。やむなくよそ様から水をもらった」ということ。釣瓶をとったのは、朝顔。その時、虫刺されの25歳が発言しました。
 「千代女は、35歳の時に、『朝顔やつるべとられてもらい水』と、『詠みなおし』しています」…虫刺されは、切れ字好きらしい!
 切れ字を重ねるのは良くないが、少しは俳句の知識ありますねえ。もっとも、国語の教員免許を持っているわけでこの程度は常識か。今年こそ、教員採用試験に合格するといいのですがね。

 さて、「朝顔や」となると、釣瓶をとったのは朝顔ではなくなります。釣瓶は、何者かに「盗られた」わけです。「朝顔やつるべ盗られてもらい水」です。
 釣瓶をとったのは、「朝顔」なのか?はたまた、「盗人」なのか?
 私の代表句に、「雀の子巣立ちで回す換気扇」があります。スズメが換気口に巣を作ったので換気扇を回してはスズメ一家を路頭に迷わすことになります。よって、子スズメが巣立ってから換気扇を回しました。つまり、私としましては、「朝顔犯人説」を支持します。