アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

富良野自然塾 ハチドリのひとしずく…

2008年08月20日 | Weblog
  富良野自然塾 ハチドリのひとしずく…

 富良野自然塾、環境教育プログラムのザ・ラストステージは、植樹でした。大方の皆さんは、「オイオイ、そりゃないだろう!真夏に植樹なんてあり得ない!」と、思われるでしょう。私も、植樹や樹木の植え替えは、初冬か早春と思いこんでいました。ところが、今は、すごいは発明品のおかげで、1年中、いつでも植樹できるようになっているのです。
 発明品とは、「カミネッコン」目のウロコが538枚落ちました。
 カミネッコンとは、早い話が、ダンボールで作った植栽用ポット
1 土の乾燥を防ぐことができる。
2 移植で根を傷めない。弱い根を守る。
3 ダンボールなので、突き破って根を張ることができる。
4 ダンボール(風化性材料)だから、数年後土に還る。
5 硬い地盤でも、凍結土壌でも植栽可能。
6 通年植樹できるよ!
 どうですか、凄いでしょう!私が自慢することはないですね。
 それにしても「カミネッコン」…紙製で根っこに優しいというネーミングでしょう。品物の性質等を名前にするって楽しいですね。非常用はしごの「オリロー」(←これ、気に入ってるんです。命令形ですから!)、殺鼠剤の「ネコイラズ」、階段の滑り止め「スベラーズ」、イボをとる「イボコロリ」…。海苔の佃煮なのに「ごはんですよ」ってのもあるが…偽装?

植樹も、奥が深い!
 私たちが植えたのは、ナナカマド、エゾカエデ、朴の木の合計3本。1本ずつ離すのではなく、3本をくっつけて植えた。理由は、お互いにたくさん陽光を浴びたいと切磋琢磨して伸びるから。このことは、樹木にかぎらず野菜でも同じです。光合成をするためには、障害物より伸びなければならないですから。我が家のトマトも、ブドウ蔓に覆われてきているところは、ほかの倍の身長になってますよ。
 なぜ、3本を別々の種類の木にするのか?理由は、3本全部をエゾカエデにした場合、エゾカエデの病気が付くと全滅してしまいます。別々だと、1本がダメになってもほかの2本が生きますね。ホント!良く考えてる!

 環境教育プログラムの締めは・・・

あるとき森が燃えていました

森の生きものたちは
われ先にと逃げていきました

でもクリキンディという名のハチドリだけは
いったりきたり
口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは
火の上に落としていきます

動物たちがそれを見て
「そんなことをしていったい何になるんだ」
といって笑います

クリキンディはこう答えました
「私は私にできることをしているの」

 テレビで、「世界一受けたい授業」という番組をやっています。富良野自然塾の小川喜昌インストラクターの授業は、テレビの比じゃないです。私は、授業には一家言(「いい加減」じゃないですよ、イッカゲンです)をもっているのですが、小川さん凄いわ!人の悪口を言うのは得意だが、褒めるのが苦手の私が褒めるんだから、本当に凄い!
 何がそんなに凄いか?!
1 おもしろい(コレが最も大切なのです)
2 「愛」がある。自分が参加者の寿命を使わせてもらっているのだから、「自分も命がけで、一生懸命やる」ということです。口で言うと簡単ですが、難しいなんてもんじゃないです。
3 技術がある。自分の言葉の一つひとつに、聞き手がどのように反応するか見逃さない。見てないふりして、仕草までチェックしています。それらをチェック(監視?)している私も立派!自分で自分を褒めるなってかぁ!有森裕子状態でーす。
4 言葉を大切にしている。有効な言葉を厳選して、「ズバ!」っと来る。それに「動作」まで加わる。ほとんど踊りの状態の場面も。どんな踊りかって?うーん、昨夜、セブ島の刑務所の受刑者の踊りを見ました。「うわー!」と声を出すほど見事な踊りでしたが、小川ダンスはその正反対で、むしろ太極拳に近い動き。「芸術」と言っても良いかと。
 賄をいただいて、褒め言葉を並べているのではありません。このような「先生」が増えたら、日本の学校は、「楽しくて楽しくてしょうがない場」になると思うから紹介しているのです。

 小川インストラクターが大阪の御出身だと知った家内が、「吉本興業におられたのですか…」と真顔で質問。コレにはさすがの小川さんも一瞬リアクションが遅れた。そんな質問をする参加者いないって!小川さんタジタジ、「いえ、あの、ぼそぼそ・・・」まったく、「大阪の人=吉本興業」という、ステレオタイプにも困りものです。

 最後に冷や汗をかきましたが、3人のハチドリたちはなんかいい気分で帰途についたのでありました。なお、ひとしずくを運んだハチドリの名は、クリキントンではありません。クリキンディです。

 余滴
 富良野の森で、気になったのが、Soh's BAR。つまり酒を供する。森の中にあるので客は、車で行く…。新富良野プリンスホテルの客は山道を徒歩で行けるが、10分前後かかる。アクセスが…と心配したが、予約をしないと入れないくらい人気のある店という。Soh'sの名の通り、倉本聰さんが監修した。「バーを監修する」って?好奇心の塊である、還暦パパと愉快な仲間達、Soh's BARをチェック。看板に、「for miserable smokers」とあった。なるほど、そうだったのか!人里離れた森の中だと、いくらタバコを吸っても、誰にも迷惑をかけません。監修ってそういうことだったんだ。納得(本当は、カクテルも、料理も、内装も倉本さんが関わったことがうかがえます)。miserableと、自虐的に表現するあたりは、芭蕉の技法を使いましたね。

倉本聰さんの富良野自然塾

2008年08月19日 | Weblog
 倉本聰さんの富良野自然塾 

 富良野自然塾へ行ってきました。なにそれ?早い話が、「地球に生まれた我々人間、自分を大切にしようよ。そして、地球そのものおよび地球に生まれた兄弟姉妹(生物)と仲良くやろうよ」と、いうことを意識させ、何らかの行動をしようと呼びかける塾…と、還暦パパはとらえています。

 倉本聰さんが、北海道富良野市の富良野プリンスホテルゴルフコースが閉鎖されるにあたり、「昔の森に還そう」と考えたところから始まります。

 リーフレットにある倉本聰さんの問いかけ・・・

 空気にさわったこと ありますか
 皮の臭いを嗅いだこと ありますか
 森の声を聴いたこと ありますか
 闇を見たこと ありますか
 大地の味を知っていますか

 あなたは地球を感じていますか
 あなたは宇宙を忘れていませんか

 テレビで紹介されたり、朝日新聞に全面広告が出たりで、倉本さんが、地球環境に関わる活動をしていることは、広く知られてきています。
 還暦パパは、愉快な仲間達(家内と帰省中の21歳の二男)を誘って、富良野自然塾の「環境教育プログラム」を受講してきました。所要時間は、およそ3時間。受講料は一人、3,000円。これが高いのか安いのかは、参加者の感じ方の問題。6~10月まで、午前1回、午後1回行われています。

 富良野プリンスホテルのロビーで、スタッフの鴇田さんが、「スタッフが、闇の教室の準備に出払ってしまいましたので、(飛び入りの受講に)対応できません。申し訳ございません…」と、謝る必要などないのに…。予約なしの、我々3人組、「こちらこそお手数をおかけしました」と、帰りかけたそのとき、偶然、自然塾インストラクターの小川喜昌さんが通りかかった。「やりましょうか!」と、元気な声をかけてくださった。我々には、「ラッキー!」小川さんは、「なあんだ、還暦パパとその愉快な仲間達かぁ。「アンラッキー!」と、いうことはなかった。帽子もベストも長靴も、「受容しますよー!」と、言っている。かくして、「小川喜昌ショー」ともいうべき環境教育プログラム…講演というか、ツアーというか、パフォーマンスというか・・・をやっていただけることとなった!

 第一ステージ『緑の教室、裸足の道』
 自然の音や風を感じながら、森が人類に必要不可欠であることのお勉強。
 冒頭、「どのくらい息を止めていられますか?用意!スタート!」 家内、二男とも30秒でギブアップ。私は、意地でも60秒と頑張ったが、55秒経過の時インストラクター氏に笑わせられ、「ぶーー!」(ホント!実際はまだ止めていられたっス!こんなことにも負けず嫌い…もっとも、自分では負けず嫌いの性格でなければおもしろくないと思っていますが…)
 何のための息止め?環境問題と関係あるのか?…酸素がないと生きていけませんよってこと…その酸素は、木の葉が作ってくれているんですよ…十分関係ありました。

 お勉強の後、裸足で目隠しをして、「裸足の道(およそ200m)」を歩く。介助員というか手を引く係とペアになって。介助係は、奇数人で参加の場合はスタッフが入ってくださる。偶数人の場合は、仲間の誰かにお願いする(←ここまで細かく書かなくてもいいが、心配性の人もおられるかと)。
 小道には、様々な素材(短い草、土、丈の長い草、丸太、小砂利など)の部分があり、足の裏でそれらを感じる。目隠しをしているので、聴覚がかなり緊張して音を感じる…体感…たっぷりさせていただきました。環境教育は感じる事から始まるとのことです。息止めと五感…導入部分ですでに引き込まれましたねぇ。

 第二ステージ『石の地球』
 世界がもし100人の村だったら…ならぬ、地球の直径が1mだったら。直径1mの地球のオブジェ(石で作られた球体)を使いながらの授業。直径1mということは、1,300万分の1。人間が暮らす大気圏は、1mm。海の深さは、0.3mm。参加者は、宇宙から地球を見ていることになるわけです。人類が侘び住まいであることが一目瞭然。戦争をしている場合じゃないです。
 衝撃的事実として、「水」ですが、海水は、およそ、ビールの大瓶1本。淡水は、17ミリリットル(くどいけど、17CC)。そのうち、生活用水として使えるものは、「ひとしずく(一滴!)」 では、実際に地球人が1日に使う水はどのくらいか?「2リットルかな?」それは飲料水。「洗顔、風呂、野菜洗い、洗車…1トンぐらい?」うーん、いいぞ!近づいてきた!正解は、「3.6トン」そんなに使っていたのか!この数字には補足説明がありますが、長くなるのでカットします。鵜呑みにしてください。還暦パパの数字なら、5割引かもしれませんが、「富良野自然塾」の数字ですから、大丈夫正確です。

 第三ステージ『地球の道』
 地球の歴史46億年の時を、460mの距離に置き換えつくった道。インストラクター氏の解説を聞きながら歩き、現在にいたるまでの地球の壮大なドラマを超高速疑似体験しました。
 どのくらい高速かって?一歩(1mとして)で、1,000万年(10万世紀)ですから、コレは速いです。出発から10mほどは、マグマの海…インストラクター氏から、「どうして、岩石が赤いんですか」という質問。「マグマの海」では不正解。正解は、「赤ペンキを塗ったから」でした。

 温暖化(現在の地球の温暖化とは違う)~全球凍結~火山活動・・・。全球凍結時代は、岩石が白く塗ってあった。「白ペンキを塗ったから」という答えを用意しておいたのに、「なぜ白いか」というクイズは出題されなかった。
 現在(ゴール)の手前になってようやく、「脊椎のようなものをもった生き物」が現れた。御先祖様ですね。哺乳類は、437m地点で出てきた。「現在」の23m手前(2億3千万年前)。新人類は、現在の2cm手前(20万年前)でした。
 家内がしきりに気にしたのが、現在の手前、およそ10mほどから引かれた黒い線。「コレ何?コレ何?」大体、コソコソ話とかヒソヒソ話が出来ない人なのです。インストラクター氏、「黒い線の長さを要して化石燃料が出来たのです。人間が化石燃料を使うようになったのは、わずか200年前、現在から0.02mmのところからです。そして、あと38年で使い切ります」
 38年後。還暦パパは98歳。きっと「白寿plus8歳パパ」というブログを書いているでしょう。そうであればいいのですが、とっくにこの世にはいないでしょう。二男は、還暦を迎えるところです。今年生まれた赤ちゃんは、38歳になると、地球上から化石燃料がなくなります。

 さあ!どーする!私たちに何ができる?       (明日へ続きます)

餓死者、毎日2万5千人 個人で何ができるか…

2008年08月18日 | Weblog
  餓死者、毎日2万5千人 個人で何ができるか…
 
 「盆と正月が一緒に来る」という表現があります。御馳走がたくさんあるときなどに使います。我が家もお盆には、普段は買わないようなものも買います。それはなんだ?スイカなら特売の日に買っているだろうって?お盆で奮発したのは…桃とか、生菓子とか…です。食糧事情が良くて良くて、アフリカの皆様には申し訳ないです。
 私は、食糧が少ない時代に育ったせいもあり、「食べ物」を粗末にするのが大嫌い。弁当を食べるにも、まず、フタの裏にくっついている御飯粒をきれいに食べます。供されたものは、完食します。ひとかけらも残さず。「与えられた食べ物を残す=犯罪」と、思っています。これが高級料亭なら、「客が残したもの=別の客へ出す」わけですが、我が家では、そのような習慣はありませんでした。
 「貧乏くさい」と、言う人がいても別に気にしません。御飯粒ひとつでも、農家の人が八十八回も手をかけて作ってくださったのですから、粗末になどできません。八十八と書けば、米という字になります。「食べ物の好き嫌い(体質的に食べられないものは、好き嫌いではありません)」コレも、いやですねえ。但し、
人が、弁当のフタの裏の御飯粒を食べなくても、好き嫌いがあっても受容します。私の主義を押しつけるつもりはまったくありません。否定したいのは、いい年齢をかっぱらって(40歳以上かなあ)・・・
 「オレ、ピーマン嫌い」「トマト食う奴、信じられねえ」…うるせえ!食うな!
 …、いつまでも言ってろ!って感じですねえ。こういう人たちに限って、食糧難になったら、人のピーマンやトマトを盗み食いしますよきっと。予言しておきます。

 日本には、食糧があり余っています。日本人が飢え死にした例は、最近記憶にあるのは一例だけです。母親が、1歳と3歳の子を家に残し、外から鍵をかけて、1か月ほど帰らなかった。もう、2人とも死んでいるころだろうと、帰ってみた。1歳の子は死んでいたが、3歳の子は生ゴミを食べて生き延びていた。消え入るような声で「お母さん遅いよ」と言った…あの事件。食糧難の飢え死にではないので、ジャンルは別でしょうかね。同じこと何度も書くなって?まだ、二度目ですよ。きっと何度でも書くでしょう。あまりに衝撃的な事件でしたから。我が家の換気口に外側から巣を作ったスズメでさえ、ヒナを守るために、擬態を使って、私の気を巣から逸らそうとするんです。我が家の換気扇は、巣立ちまでお預けでした。そして巣立ち。私が詠んだ句は、『スズメの子巣立ちて回す換気扇』でした。
 食べ物を粗末にすると、神様に叱られると思っていました。粗末にするといっても、食べ残すの意味ではなく、「おもちゃにする」「遊びに使う」の意味です。運動会から、「パン食い競争」をはじめ、食べ物を使う競技が消えました。粗末にしないは、すっかり世論として浸透しているたのですが・・・
 釧路市の若者グループが、冷凍サンマを投げた飛距離を競う「サンマー投げ大会」を企画した。サンマを投げ、飛距離のほか、投げ方の「芸術性」を競う。記録はギネスブックに申請する。遊んだ後のサンマは、洗ってバーベキューで食べる。
 若者達は、「まちおこし」を主張。漁業者などからは「食べ物を粗末にしている」「燃料高で苦しんでいるのに」との声。
 還暦パパとしましては、当然「No!」です。おにぎりを投げて距離を競うイベントの案は、出ますか?「おにぎりは、後で拾って食べます」と、懐柔策をとってもほぼ100%の人々が、「No!」を突きつけるでしょう。サンマ投げだと、賛同者も出てくるというあたり、食糧と食料の違いでしょうか?それ以前に、日本人と米という切り離せない関係ですね。サンマ…もちろんだめ。
 結局主催者側が反対意見を考慮し、本物のサンマではなく、「木彫りのサンマ」を投げることとして、騒ぎは治まった。
 大会当日は、約60人が挑戦、35.6mを投げた大学生が優勝した。30cmの木彫りのサンマ、結構飛ぶものですね。「サクランボの種とばし大会」の優勝者は、12mも飛ばした。口の中に、吹き矢の筒を隠し持っていたんだな。ンな訳ないですね。
 ともあれ、本物のサンマを投げるのが回避されて良かったです。観客の方へ飛んでいって刺さったりしては大変でしたから。そうゆう問題じゃなかったですね。
 騒がれずに、今年の大会が終わったのが、「生卵キャッチボール」2人一組で、1人が生卵を投げ、もう1人が割らずにキャッチした距離を競う。今年の優勝ペアは、30.17mだったという。なぜ、「食べ物を粗末にしちゃダメ」という意見が出てこなかったのか?「賞味期限切れの卵を使用」と、最初から銘打っていたのです。私は、朝三暮四だと思います。「賞味期限が切れていたら、遊びに使っていいんですか!」遊びに使うためなら、「賞味期限逆偽装」だってあるかもしれません。…つまり、今日生んだ卵の賞味期限を、昨日にして、イベントで使う。今の日本には、こういうことをする人いますから。悲しいけど。そのように疑う自分も悲しい(←いつになく殊勝でしょ)。

 日本の食料自給率は、39%に落ち、世界では食料不足が原因で暴動も発生している。日本は、食料自給率を上げなければならない。そこで、農水省は、来年度から減反政策を転換し、休耕田助成(年間約15億円)を廃止する方向で検討に入った。これは、いいですよ。15億円支出しなくても良いと言うことではなく、計画されている新支援策が、休耕田以外にも広く適用されそうだから。さらに、輸入小麦や飼料の高騰に対抗する、非主食用米の増産にも追い風となりそうだからです。

 「世界では7人に1人が飢えに苦しみ、6秒に1人、子どもが飢えやそれに関係する原因のため亡くなっている。飢えを原因として毎日、2万5千人が命を落としている(WFP:国連世界食糧計画)」

 危機的状況がある国としてWFPは次の国を挙げている。
 北朝鮮、モンゴル、カンボジア、バングラディッシュ、アンゴラ、コンゴ民主共和国、ブルンジ、シエラレオネ、ソマリア、スーダン、エチオピア、エリトリア、アフガニスタンハイチ、ニカラグア、ボリビア、ホンジュラス、タジキスタン、パキスタン、イラン、アルメニア、グルジア ・・・すっかりお馴染みの国々ですよ。

 いつも気にとめています。自分が、桃を食べたり、生菓子を食べたりしている間に、地球上で子どもが次々と餓死していく。一地球人として、何とかしたい。学用品支援や衣料支援をしている、NPOや個人は知っていますが、食料となると・・・。「ODAでやってる。還暦パパの出る幕じゃない。WFPに寄付したらいいでしょう」…それは分かっています。しかし、それでは、自分が関わることが出来たと実感できない。先があまりない還暦パパとしましては、「0.01mmでも、0.01gでも」、効力感を味わいたいのです。「それなら、自分が効力感を味わう自分のための行為であって、飢餓の子を救おうという純粋な行為ではないだろう!偽善と売名と陳腐な自己満足だな!」って?そ、そうなんだけど、まだまだ俗物なんですよねー。
 所詮、焼け石に水であっても、ハチドリのひとしずく(2年ほど前に、絵本で有名になった…)であっても、何かしたい。
 お前はハチドリのように可愛くない。いわば焼け石だって?いつになく真剣な論調の時に、ルックスについてツッコミを入れないでヨ!

「やかましい」の前に、日本の食は不安だろうが!

2008年08月17日 | Weblog
 「やかましい」の前に、日本の食は不安だろうが!

 「この人を大臣にしていいのか?」と、疑問を投げかけたばかりなのに、もう期待に応えてやってくれました。太田さんですよ!フルーレで銀メダルの太田雄貴くんではありません。太田誠一農林水産大臣です。還暦パパ、名刺の肩書きに、「職業 良く当たる予言者」としようかな。

 太田さんは、大物です。身長186cm、体重は、86kgですが、実際は100kgを超えていると思います。大物の意味が違うって?魚だって、大きいものを大物っていうでしょ。
 そもそも、私が、この人はダメだなと思ったのは、「少子化問題や青少年の犯罪」を議論する、全国私立幼稚園連合会の公開討論会での発言です。早稲田大学のサークル、「スーパーフリー」による、集団レイプ事件に関して・・・
 「レイプする人は、まだ正常に近いんじゃないか」と発言。話の流れがあるだろう。その部分だけ取り出すな。と言われるかもしれませんが、この部分だけでもおかしいでしょう!国会議員さんの言葉ですよ。まるで、退職無職で無責任の権化の酔っぱらいオヤジの言葉ですよコレ!(え!?そりゃあ、私も退職無職無責任ですが、このようなことは間違っても言いません)
 司会の田原総一郎さんが、「レイプを肯定するのか」と、水を向けると、「元気があるからいい」と、応えた。ダメでしょうこの人。大臣どころが、国会議員にするのも!
 「あれは、ジョークだ。問題にすべきではない」という、太田擁護の国会議員もおりました。高圧的に出て、末端の言論を潰してしまおうということですが、とんでもない間違い。ジョークというものは、聞いた人が楽しい気持ちになれるものでなければなりません。レイプの被害者は、「(加害者は)元気があるからいい!」と言われて楽しい気持ちになれますか!しかも、衆議院議員様に!
 謝罪会見で、「レイプは重大な犯罪であり、従来以上に厳しく罰するべきだと言おうとしたら、時間がなくなった」と、言ったよこの大物おじさん!本当の話しですよ!「時間がなくなったんだからしょうがねえだろう!何が悪いんだこら!」ってことでしょう!反省などするもんじゃない…。

 さて、この度の太田誠一大臣暴言と還暦パパのツッコミは次の通り

 大臣:社会主義の国と、日本のような民主主義の国は違う。
 還パ:当たり前だ!同じでどうする!

 大臣:消費者としての国民がやかましくいろいろ言うと、それに応えざるを得ない。
 還パ:国民が沈黙していると、何もしなくてもいいから楽だってかぁ!「…応えざるを得ない」ということは、嫌々ながら大臣やってのか?

 大臣:中国のように、基本的には何も教えなくてよい、まずいことがあっても隠しておいてよい、消費者のことを考えないでもよいという国とは違い、常にプレッシャーにさらされている。
 還パ:どうぞ中国へ行って大臣をやってください。止めません!だけど、大臣のくせに、よくもまあ平気で他国の悪口を言うよなあ?立場を考えなさい!

 大臣:特に日本の場合は潔癖だから、基本的に私は食の安全というのは国内は心配しなくてもよいと思っている。
 還パ:マスコミでは全然取り上げていませんが、「やかましい」発言より、この発言の方が問題です。国内では心配しなくてもいいだとぉ!なにも分かっていない。大阪府堺市などで続発した病原性大腸菌O157事件、雪印乳業(当時)の乳製品による集団食中毒事件、どちらも輸入食材は原因ではないんですよ。被害者が1万人を超えたんですよ!食品の偽装等も、皆日本発でしょ!どういう認識してるんだ!分かっていない。これまでの60数年間、順風満帆の人生を歩んできたのでしょう。経歴は、エリート中のエリートですよ。国民との乖離はあまりにも大きい。

 大臣:この数年間、トレーサビリティー(生産履歴)やHACCP(総合衛生管理製造過程)の仕組みがだんだん定着してきたので、それを進めていきたい。
 還パ:カタカナやアルファベットを使えば庶民は降参するだろうとでも思っているのかね。日本の、プロセス管理に対する認識は、かなり弱いです。トレーサビリティーも形だけで、その本質が理解されていない。生産者の顔が見えるシステム…生産者が特定されても、それ自体信用できないし、その生産者や流通業者が規範を守らなければ、安全は担保されないでしょ!そこだけ性善説は、なしですよ。
 ブランド米偽装、マンゴー産地偽装、ウナギ産地偽装、ゼリーに偽装リンゴ果汁、そうめん不当表示、甘だい偽装、フグ産地偽装、飛騨牛偽装、比内地鶏偽装、輸入アジ偽装、アンコウ偽装、養殖アユ表示偽装、給食用鶏肉産地偽装…全てを網羅しているわけではありませんが、この1か月だけで、これだけの偽装が発覚しているのです。国民は、何を信じればいいの?
 「…進めていきたい」だって?他人事か!あなたは大臣なんだから、「進めて行く」とキッパリ言い切りなさいよ!心になくても。

 大臣:食の安全については、今でも日本は安心なんだけれど、消費者や国民がやかましいから、さらに徹底してやっていく。
 還パ:だ・か・ら、毒は入れなくても、食品偽装天国になっている現実があるでしょう!日本の食は不安であるという認識に立ってよ。やかましいから、仕方なくやってくださるの?国民って何?邪魔名存在・・・ではないですよね?

タクシー・ハラスメント

2008年08月16日 | Weblog
   タクシー・ハラスメント

 「もう時効だから言わないで!」と、言われそうですが、タクシー・ハラスメントの元祖と言えば、松平定和さんでしょう。NHKのアナウンサー時代、酔っぱらってタクシー運転手に暴力をふるった。後部座席から運転手さんをお蹴りになられたらしい。暴力行為なのになぜ丁寧に言うか?由緒ある家柄(徳川家康関係)で、NHKでは通称「殿」…面識がないのでいい加減なことは言えませんが、わがままでキレやすい殿の御様子。タクシー運転手を蹴ったほか、NHKの「ニュース11」で、スタッフに鉛筆を投げつけた(生だったので、放送されてしまった)。「まつだいら」の発音にうるさいことでも有名で、「ま」にアクセントを置かないと、いちいち訂正させる・・・。一体、何様だと思っているのだろうか?「殿様」でしたね。彼のことわざ事典の「稔るほど頭を垂れる稲穂かな」のページは、破られているとかいないとか(←これおもしろいでしょう。今考えたのです)。NHKもそのようなお方を、「その時歴史が動いた!」に起用するのですから、どうなってるんでしょうか!まさか、「暴れん坊将軍の松平定和の起用決定!そのときNHKの歴史が動いた」というオチを用意してのことではないでしょうね。
 タクシー・ハラスメント、「タクハラ」、元NHKの殿が先鞭を付けてくれたものだから・・・後部座席から
1 殴る
2 首を絞める
3 服を引っ張って破る
 いたぶり放題ですね。口での、「バカ、ボケ、タコ、アホ」なんてかわいいものですね。もちろん乗り逃げも健在。運転手さんが殺され、犯人が捕まっていない例も・・・。「蹴る」は、被害一覧からは見つけ出せませんでした。さすが殿、高度なテクニックなのですねえ。
 いきなり、暴力をふるうのではなく、一応運転手さんに非があるように持って行ってから暴行するようです。
1 「(運転手さんの)目つきが悪いなお前」
2 動き出す前に、「乗り心地が悪いなこのタクシー」
3 男女2人連れが乗車。女性に行き先を聞くと「連れに勝手に話し掛けた」
 などなど…。

 タクシー業界も、「これまではトラブルがあっても密室内の出来事だけに乗務員は泣き寝入りしていた。タクシー側に過失がなければ、きちんと主張できる。働く環境の改善にもつながる」と、一部が行動を起こした。
 どんな行動?運転手さんに、木刀をもたせた。…のではなく、車内防犯カメラを備え付けた。効果はてきめん。タクハラは激減とのこと。
 タクハラは、防犯カメラで解決です。全タクシーに搭載を法制化するといいです。「プライバシーの侵害だ。写すな!」と言う客には、「法律ですから」と、キッパリ言って、嫌なら下りていただけばよい。

 還暦パパは、「タクシーの運転手さん=危ない人」というイメージを持っていました。トラウマになっているのは、乗車して行き先を告げたとき、「近けえ!歩いて行け。下りろ!」と怒られた経験です。それ以来どうしてもタクシーを使わなければならないときしか乗りません。乗っても、「あのー、近くて申し訳ないのですが・・・」と、おそるおそる行き先を告げます。
 それほど怖いタクシー運転手を、殴ったり、首を締めたりする人がいる!上には上がいるもんだなあ!

 この防犯カメラ、私は大歓迎です。「近すぎる。下りろ」と言われたとき、カメラへ向かって言ってやります。「この仕打ち、殿に言いつけてやるからな!後で蹴られてほえ面かくな!」ああ、楽しみだ。

 このごろ見かけるのは、レジハラです。レジスター・ハラスメントのこと。還暦パパの造語で、現在まったく市民権を得ておりません。今、初めて使ったのですから。じき、日本中で使われるようになるでしょう。スーパーのレジで、客が店員を責める事実を指します。加害者は、高齢の男性にほぼ決まっています。それって、自分のことじゃないのって?イエイエ、私はまだまだ未熟ですから、その域には達していません。被害者は、もちろんレジ係の店員。どんなふうに責めるかって?マニュアル通りに処理しようとして、高齢者の逆鱗に触れる・・・高齢者は、決まってその方の人生を凝縮したステレオタイプを持っています。高齢化社会なのだからそれを考慮しなければ。スーパーで、「身分証をお持ちですか?」これは、高齢者でなくても怒る。「(ペットボトルのお茶を一箱買った)箱の中をあらため(検め)させていただいます」何のために?
 加:オレは客だぞ(←これが殺し文句))
 被:申し訳ございません
 加:(相手が謝ったら、ますますヒートアップ!)うじゃうじゃ!ごちゃごちゃ! 
 被:申し訳ございません
 このやりとりが延々と続きます。高齢者の方は、お時間があるのです。一度拳を振り上げてしまうと、下ろすのに時間がかかる。相手が抵抗しないとみると、責め言葉の強度も上昇します。タクハラは、防犯カメラという解決策がありますが、レジハラは、かなり難しいですよ。
 珍しいうちは、レジハラが行われているレジの後ろに並んで、成り行きを見るのを楽しみにしていました。もう、結末も分かってしまったので(結局、加害者の爺さまが、しょんぼり肩を落として帰って行く…10年後の自分を見ているようで…)楽しくなくなってしまいました。
 ・・・お~い!爺さま~!私が並んでいるんだから、早くしてくれー!特売のスイカ、重いんだわー!今日のは、950円。

ムサンバニは今? 水泳は脳によい

2008年08月15日 | Weblog
  ムサンバニは今? 水泳は脳によい

 オリンピックたけなわ。今回の日本水泳陣、良くやってくれています。「オリンピック~水泳」というと、思い出すのがあの人。シドニーオリンピックの100m自由形の赤道ギニア代表、エリック・ムサンバニ選手。

 おもしろいと言うよりは、アンビリーバブル・・・
1 オリンピックの8か月前から水泳をはじめた。(付け焼き刃の典型)
2 見事、赤道ギニア代表になった。(赤道ギニア、恐ろし!)
3 オリンピック会場で、はじめて50mプールを見た(25mのプールしか知らなかった)。
4 予選を3人で泳ぐ予定が、ほかの2人がフライングで失格に。1人で泳ぐことになった。(この様子、テレビで見てました。フライングの2人に聞いてみなければ真相は分かりませんが、「わざとにフライングしたという説」が、ささやかれました。私にもそのように見えました。理由は人種差別で、「黒人と一緒に同じプールへ入りたくないから」ということらしいのだが)
5 1人で泳いだ予選で、おぼれそうになりながらも何とか泳ぎ切り、世界中の人気者となった。(ウケようとして、ふざけているのかと思いましたよ)
6 タイムは、「1’52”72」 200m自由形のタイムのようですが、100m自由形の赤道ギニア新記録でした(当時)。
7 2004年のアテネオリンピックは、不参加。不参加の理由は、ビザの問題。(ビザの問題で、オリンピックに出られないなんて、先進国ではありえない)

 赤道ギニアってどんな国?ギニア湾の極小国で、総面積は北海道の約3分の1。人口は、約50万人。石油、液化天然ガスの生産・輸出が主産業。人口が少ないので、周辺国からの多数の労働者を入れている。全土にわたって窃盗等の一般犯罪が発生している。殺人等の凶悪事件も。都市では、銃器で武装し、銀行や外国人などを襲う武装強盗が増加している。

 また、今年4月には、こともあろうに、特別部隊と陸軍との間で銃撃戦が発生した…治安機関同士で戦ってど~する?警察と自衛隊が戦闘するようなもの。

 日本の航空会社は、16社ですが、赤道ギニアには、国営を含めて20社もあるのです。人口50万人の国にですよ。そのうちの19社が、「飛行を継続するには危険」という理由で、運行認可取り消し…。乗りたくないですよねー、そんな飛行機。日本の外務省は、「赤道ギニアに赴く際は、航空会社の利用・選定に当たって、事前に綿密な情報収集を行い、十分注意してください」と、広報してます。おまけに、マラリアに感染するおそれのある地域です。

 ムサンバニは、こういう国から出てきていたんですねえ。と、いうことは、赤道ギニアでは、良家のお坊ちゃま!
 水泳と、親の経済力、頭の良さは密接な関係があるというのが、還暦パパ説です。「数値」はもっていませんが、学習成績の良い子は決まって水泳が得意です。
 東京大学の水泳部、競泳だけでも70人以上の部員がいます。医学部の水泳部も50人を超えます(東大医学部は、「鉄門水泳部」という名称を使っています)。
 京都大学も、水泳部は80人超。やはり医学部水泳部は別にあり、こちらも部員80名(マネージャーの14人を含む)。これらの例だけでも、「学業成績優秀=水泳好き」と、断定しても良いのではないでしょうか。
 単に、用具不用、パンツ一枚でOKなので経済的だから入部するということではないでしょう。幼少の頃から慣れ親しんできた水泳と、関わりたいということでしょう。ハーバード大学の水泳部。全米屈指の強豪です。鈴木大地さんが、日本オリンピック委員会派遣で、ハーバード大学水泳部ゲストコーチをしていたこともありました。

 「水泳=頭良し」説を決定的に裏付けてくれたのは、ハーバード大学の水泳部員だった、「ヘンシュ貴雄(へんしゅ・たかお)くん」でした。それ誰れだって?「独立行政法人 理化学研究所、脳科学総合研究センター、グループディレクター、ニューロン機能研究グループ、臨界期機構研究グループディレクター、理研長期在職権付研究員」です。肩書きが長い!自己紹介の時、時間を取りすぎるので嫌がられているのでは…。
 私は、ヘンシュ貴雄くんは、4カ国語(英語、ドイツ語、日本語、フランス語)を、「話し、読み、書く」のです。数カ国語を、「話し、読む」という人は結構おりますが、書く人は僅少です。アメリカで教育を受けているのに、日本語の、関西弁も、東北弁もOK。学歴は、ハーバード大学→東京大学医学部修士→マックスプランク研究所(フランクフルト)→カリフォル二ア大学サンフランシスコ校博士(医学)。貴雄くんが、17歳の時から知っていますが(現在は、38歳のはず)、「水泳をすると、このような子ができる」と、自説に自信を深めました。貴雄くんの著書に、「頭のいい子ってなぜなの?」(海竜社)があります。内容は、最新の脳科学研究がつきとめた、「脳が育つ」メカニズム。
 「水泳は、脳の発達によい」「魚を食べて水泳すると、さらに効果的!」…貴雄くんに教えてあげなければ!彼は、家内が焼くチーズケーキが大好きなので、連絡するときっと来てくれます。

 で、還暦パパ、4月以降23回プールへ行っています。泳ぐと、ムサンバニになってしまうので、主にアクアウオーキングです。脳は、どんどん発達して、昨日の夕食を思い出すことが出来るようになってきました(見栄です)。

 ムサンバニ選手、今は、赤道ギニアで後進の指導を行っているとのことです。本人自身、アテネへ向けて練習していたとき、57秒にまでタイムを縮めたそうです。もうすぐ、日本の高齢者の記録に追いつきますね。
「オリンピックは参加することに意義がある」を、命がけで体現した人ですから…

レオナール・フジタ やはり凄い

2008年08月14日 | Weblog
  レオナール・フジタ すごさを再確認

 レオナール・フジタ展へ行ってきました。ずいぶん久しぶりに、たっぷり時間をかけて鑑賞させていただきました。

 絵に興味があったのかって?学生時代に、高円寺純情商店街の肉屋さんでアルバイトをしていたことがあります。5軒隣りに、乾物屋の「ねじめ商店」がありました。おそらく、ねじめ正一さんとは何度もお会いしていたことでしょうが、お互いに無名だったのですれ違ってもわかりませんでしたねえ。(ねじめさんは有名になったが、還暦パパは今でも無名だろうって?あまりにも「無名」ということで有名なのです)
 今の高円寺南口は、肉屋もねじめ商店もどこにあったのかまったく分からない変わりようです。アルバイト仲間5人全員が、荻窪にあった(今は、新宿区富久町へ移転しています)「東洋美術学校」の学生でした。毎日、「フジタがどうした。ピカソがどうした」という話を聞かされているうちに、私まで付け焼き刃の薄っぺらい理論を振りかざすようになってしまいました。絵も随分描きました。
 メトロポリタン美術館 (ニューヨーク)、ファインアート(ボストン)、ルーブル美術館(パリ)をはじめ、数多くの美術館巡りをしてきました。今なお美術館は、自分の管轄という意識があります。
 パリのモンパルナス地区は、無名の絵かきが、自分の絵を並べたり、描いたり…最新の数字は、分かりませんが、7~8万人は、いるでしょう。「パリのアメリカ人」の時代に、アメリカ人の無名画家だけで、3万人いたのですから。80年も前にですよ。ジャランジャラン(日本語にすると、ブラブラ散歩する程度の意味。東南アジアで使われる)するだけでも、「芸術のマグマの中にいるんだなあ」という気分に浸れます。

 「天才」と言ってしまえばそれまでですが、フジタのデッサン力はすごいですね。私は、モチーフの輪郭、位置関係が狂わないように、マス目の線を引いてデッサンを始めるのですが、フジタは、「いきなり描き始めている」のです。仕上がりは、写真と見紛うまでに精巧。天才とあがめる(崇める)しかないです。

 フジタが作品に書くサインですが、「藤田 F.Foujita 1918」「嗣治 F.Foujita 1926」のように漢字とローマ字で書いておりました。ローマ字のスペリングが違うって?だって、本人がFoujitaと書いているんだからしょうがないでしょ!
 Fujitaと書くべきところを、藤田嗣治は、Foujitaとした。ここからは推論ですが、フランス語では、お調子者を、「FouFou」といいます。フジタはこれを意識したのではないか?フジタのフランスでの大評判の一翼をこの「Fou…」が担っていたのではないか。
 
 フジタは、サインを漢字で「藤田」とか「嗣治」とか書いていたのですが、ある時期からキッパリ止めました。それは、1955年。フランス国籍を取得してからです。エッセイにもそのあたりは書いてありませんから、これも推論ですがね。フランス国籍取得後、二重国籍とせずに、日本国籍を抹消してしまっていますから間違いないでしょう。フジタらしいです。そもそも、1913年(大正2年ですよ)に、絵を描くために一人でパリヘ行く人ですから。奥さんを残して!当時としては、凡人から見ると、荒唐無稽だったでしょう。
 東京芸大時代も、画学生が皆ひれ伏す日本の洋画界の重鎮、黒田清輝に反発。卒業は出来ましたが、展覧会に出品しても、黒田清輝の息のかかった展覧会では、「すべて落選」しました。芸術とは違う人間くささを感じますね。人間のやることですからね。

 パリで、ピカソのアトリエへ遊びに行って、フジタは、「今まで自分は何をやってきたのだろう!」と、大きな衝撃を受けました(フジタのエッセイから、還暦パパが考えたものですが…間違いないと思います)。
 パリでは既にキュービズムやシュールレアリズムだったのです。フジタは、この絵画の自由さ、奔放さに魅せられ今までの作風を全て放棄することを決意した!
 なぜそれを断定できるかって?「家に帰って、先ず黒田清輝先生御指定の絵の具箱を叩き付けました」と、書いているからです。黒田清輝は、絵の具箱まで指定していたのですねえ。フジタは、絵の具箱を壊すことで、黒田清輝と決別したのです。また、断定しちゃった。フジタは、絵だけでなく、エッセイも書いています。死の直前(1968年1月末)まで、モノローグを記していました(「腕一本・巴里の横顔」…講談社文芸文庫)。

 この話にオチはつかないのかって?オチにはなりませんが、言い間違いを得意とする家内が、レオナール・フジタのことを、「レオナルド・フジタ」って、言ってました…。本人は、無意識のボケなのでしょうが、深いものがある、言い間違いです。「ああ、レオナルド熊の生涯とのオーバーラップね!」と思った人!「こらぁー!」過去に、「ドナルド・フジタ」と言った人がいました。アヒルじゃないから!ハンバーガー屋(マクドナルド)でもないし。
 あと…芸術の話の締めとしてはふさわしくないのですが、この美術館のトイレ、さすがだなあと思いました。「トイレットペーパー以外のものは流さないでください」という張り紙が。それがどうして「さすが」なのかって?よく読んでください。トイレットペーパーしか流せないんですよ。「ブツはどうしたらいいんだぁー!」張り紙へツッコミを入れてしまいました。

就職戦線 売り手市場はもう終わり…

2008年08月13日 | Weblog
  就職戦線 売り手市場はもう終わり…

 二男の、「ペアレンツウイークエンド」へ行ってきました。「山本コウタローとウィークエンド」ではありません。ペアレンツウイークエンドです。昨年まで「父母懇談会」と称していたものを、今年度から、「ペアレンツウイークエンド」に改称したのです。還暦パパは、定年退職はしましたが、21歳の大学生の保護者なのです。現役の!

 進行係の方が、この日の流れを、「式次第」と言っていました。入学式、卒業式なら、式次第でいいですが…。正しくは、「ペアレンツウイークエンド次第」です。長いからといって、「ウイークエンド次第」に縮める訳にはいきませんからねえ。まあ、「会次第」なら、許容範囲ですかね。だから何なんだって?まあ、得意技の揚げ足取りです。
 揚げ足取り…もう二件。総合文化政策学部教務主任さんが、「青山キャンパスで牛を何匹か飼っていた時代がありました」と、説明されました。東京のど真ん中で牛を飼っていたというのも少し驚きましたが…私ら庶民は、牛は、一頭、二頭と数えます。一匹、二匹はないでしょう。総合文化政策…牛の数えかたは教えないのかねえ。
 もう一件は説明者に、「…皆様の子弟にお伝え…」と言った人と、「…皆様の子女にお伝え…」と、言った人がいました。統一がなされていなかった。そこまで気を配って統一する大学はないですね。この場合「子弟」は間違い。「子女」でしょう。「息子と娘」を意味します。

 学業成績の説明の時、「GPA」なる言葉が出現!GNPなら解るが・・・、私のネタではないのですが、十数年前、日産自動車を受験し面接試験を受けた学生がおりました。面接官が、「GNPってなんの略ですか」という質問をしたそうです。彼は…答えました、「ジ、ジ、GNPは…頑張れ、日産、パルサーです!」彼は見事日産自動車に合格。

 GPAは、なんの略かは説明されませんでした。算出方法は、習得科目の成績に点数配分をつける。AAは4点、Aは3点…のように。この点数と、単位数で足したり割ったりして捻出する数値とのこと。そういう難しいことはワッカリマセン。2.4以上なければ、大学院進学や、留学は不可なのだそう。還暦の保護者は、この段階で意気消沈…。
 昼食の時、スキンヘッドの大学職員に、「GPAで、学生を判断するのか?」と、詰め寄った。相手は、「学内だけの資料として…ウンヌン」大学生の子女を持つ方は、「試験では1点でも多くとって、AAやAをそろえるように」指導すべきですね。客観的に人物を評価するとしたら、笑顔がいいとかではなく、数字です。点数崇拝主義ではないんです。目に見える数字を上げる努力をするのは、何もせずに下げるより良いだろうということです。

 2010年の就職についてですが・・・「2009年の就職は、この3~4月にほぼ内定が出ている。5月の連休明けにまでに内定をもらっていない学生は、希望する企業への就職はなかなか難しい」という。「4年生になったら、就活をボチョボチ始めます」などという時代ではないんですねえ。「4年生になったら、就職戦線がほぼ終わっている」と、いう時代です。

 よって、現大学3年生は、夏休みが明けると就職活動を始めることになります。
 「2010年への就活」は、次のようなスケジュールとなります。(どこぞの就職情報会社のものではなく、還暦パパによる立案です。信用して、このスケジュールでやっていただいても、もちろんOKです)
 3年生の7月・・・インターンシップ
  同  9月・・・就職ガイダンス
同 10月・・・エントリーシート対策講座等々
同 11月・・・業界…職種別セミナー、マナー講座、面接講座等々
        この段階で臨戦態勢
同 12月・・・就活戦線真っ直中
同  2月・・・内定が出始める
同  3月・・・バンバン内定が出る
4年生の4月・・・80%程度内定
同  5月・・・就職戦線終了

 早い!「企業の倫理憲章」はどうなっているんだ!
 2009年(現4年生)については、企業が、学生の就職に係る意識の低さにあきれて、採用計画(時期)を変更(先延ばし)したという経緯があり、結果として企業の倫理憲章がある程度守られたとのことでした。つまり、6月以降に内示を出したところもあった。

 本命強度は、第一志望ではなく、第一志望群?
 「学生の就職への意識の低さ」って・・・。「売り手市場」の言葉に惑わされて、なんの根拠もなく、「就職は何とかなりそうだ」の意識が蔓延したことのようです。当然、企業としては、「大局が見えない、足下が見えない…だから状況の分析が出来ない。ただ漫然としている学生は、願い下げ」 と、いうわけ。
 学生は、「売り手市場」の言葉に、なんとでもなるという意識をもってしまった。よって、ろくに企業の研究をせず訪問する。数年前までは、企業から、「本命強度」を問われたとき、ほかに「本命の企業」があっても。「こちらの会社が、第一志望です」と、言った。これは「ウソ」ということではなく、なんとか、内々定でももらおうという努力の表れ。ところが、2009年の就職戦線(現4年生)から、「第一志望群です」と、表現するようになったという。学生にしてみれば、どの会社にも一長一短があり、「どうしてもこの企業へ行きたい」というところがなく、「群」という曖昧な表現になったようです。
 さらに、複数の企業から内定を得ても、一社に絞れず、内定辞退の連絡を保留にして、長いこと迷い続ける学生がいたという。わかるなあー!その様子目に見えるようです。困ったのは、会社の人事担当者。「この学生、我が社へ来るのか来ないのかどっちなんだー!」というところですね。

 「一部の大手企業は、採用数を絞り始めている」とのこと。
みずほフィナンシャルグループ、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、東京海上日動火災保険、野村證券の5社合わせて、2007年4月入社は、8,834人。2009年4月入社予定は、7,450人。明らかに減ってます。

 すでに、現三年生を対象とした就職セミナーを終えた私大では、「売り手市場の数字は保ちつつも、氷河期に入っていると考えてほしい」と、状況説明をしたそうです。我が家の二男坊、2010年4月の就職。氷河期ですかぁ…。

崖の上のポニョ 還暦的鑑賞

2008年08月12日 | Weblog
   崖の上のポニョ 還暦的鑑賞

 「崖の上のポニョ」を観ました。孫と行ったのかって?孫はおりません。家内と行きました。夏休み中ということもあり子どもが圧倒的多数。自慢にはなりませんが、映画館内では私が最高齢者と思われました。自慢に聞こえるって?自慢してない、自慢してない!老人がわざわざ観にいく映画じゃないだろうって?
ほっといてくれ!
 宮崎駿さんの全ての長編アニメ作品の主題歌を手がけてきたのが、久石譲さん。しかし、この二人、一緒に酒を飲んだことなど一度もないという。まさか?と思ったが、久石譲さんがそう言っているんだから。この話を聞いて、「ポニョ…観てみたい」と思った次第です。どんな動機じゃ!

 映画の冒頭シーンで、大きな疑問が!
 イカが泳いでいたのですが・・・。イカは、立たせますと、一番上が、「十本の手足(早い話が、ゲソ)」次が、「頭」。そして「胴」があって、一番下が、「エンペラー(王冠のような形のヒラヒラしたもの)」となっています。
 映画で泳いでいたイカは、全て、「立った順番で進行方向へ向かっていた」つまりゲソを先頭にして泳いでいたのです。これは、間違いではないのですが、私は不満です。イカの泳ぎは、前後に自在です。しかし、イカが泳いでいたのは、底引き網から逃げまどうシーン。イカは、危機回避の場合、ジェット推進を使いますから、エンペラーを先にして泳がせてほしかったです。
 ジェット推進は、「ろうとの両側にある開口部から外とう腔に水を吸い込み、環状筋を収縮させます。そうすると外とう内の水が勢いよく、ろうとの先の開口部から噴射される」こういう説明って解りづらい。早い話が、「腹の中に水を溜めて、勢いよく噴出させる」ってことです。ジェットですからロケット型が抵抗が少ない。当然進行の順番は、「エンペラーー胴体ー頭ーゲソ」となります。

 宮崎駿作品でいつも感銘を覚えるのは、「実に細かいところまで気を配って描いている」という点です。ですから、イカも危機だったのですから、ジェット噴射を使わせてほしかった。しかし、そのことを理解していなかったとも思えないので、意図があったのかもしれません。

 刺激を与えられて反応するまでの時間が最も短い生物…早い話が、「最も敏感な生物は何?」 話の流れからイカだろうって?そうです。イカです。「巨大軸策」と呼ばれる普通の生物に比べて極端に太い神経細胞を持っています。ハーバード大学は、ケープコッドに、神経細胞や神経線維の研究所をもっており、「イカ」を使って研究しています。研究員に知人(バックマン博士…本名)がおります。今では使いませんが、初期の「液晶」は、イカの内臓から作られていました。外からは見えませんが、イカにもエラ(鰓)があります。そして、なんと!その鰓(一対)に心臓が付いている。「鰓心臓」と呼ばれているものです。これは、知っている人少ないと思う。もちろん、本物(?)の心臓もあります。鰓心臓は、緊急時に、瞬時に鰓へ血液を送ります。血液は「青色」です。ヘモグロビンではなくヘモシアニンですから。私のプリンターのインクもシアンは青です。イカの知識あるねって?プリマスというところにある、バックマン博士のサマーハウスに泊めていただいたとき、たっぷり聞かされましたから。

 崖の上のポニョ、不思議な映画でした。
 「ポーニョ、ポニョポニョ魚の子…」という主題歌なので、魚の子なのかと思ったら、両親は人間…父親は、フジモト。母親は、グランマンマーレという名。グラン浜田というプロレスラーなら知っているが、マンマーレは知らなかった。そのマンマーレ、自分の大きさを自由自在に変えることができる…。ちなみにポニョには、へそもありました。へそは、瞬間しか映りませんでしたが、しっかり見ました(ちょっと誇らしい)。へそがあるのに、どうして「魚の子」なのかについての説明は、映画の中ではなかった。説明しすぎないのが、宮崎監督の作法・・・。
 考えなくてもいいことですが、テーマは何かなと考えてしまう。子どもたちは、ストーリーがどうのこうのではなく、ポニョが転べば笑い。ひっくり返れば笑い。屈託なく反応している。それが本来的かなとは思います。
 底引き網漁業の獲物の大半は不法投棄のゴミ・・・海洋汚染がテーマ?はたまた、地球温暖化がテーマ?・・・海抜50mほどの崖に建つ家がかろうじて残るほど海面が高くなった。月の引力を暗示していたが、北極の氷が融けちゃうとこうなるよということを示しているのかなとも…。でも、どちらも違うようです。
 宮崎駿監督が、この作品で訴えたかったことは・・・
 『少年と少女、愛と責任、海と生命、これ等初源に属するものをためらわずに描いて、神経症と不安の時代に立ち向かおうというもの』だそうで…う~ん!難解!

 主題歌は、昨年末に先行発売。主題歌を歌っている歌手について、家内は、「小さな女の子」だと主張し、私は、「成人の女性」だと主張。「ボク、ドラエモン」というケースがあるでしょう。ドラエモンの声が、おばあさんだったりしますから、…子どもっぽい歌声だから子どもが歌っているとは限らない。…結局、私が惨敗。歌っているのは、8歳の大橋のぞみちゃん。二人のおじさんも加わっており、名前が、「藤岡藤巻」…なんなんだ!このコンビ名!藤岡孝章と藤巻直哉のペアなのだそうで…そう言われると、ごく普通かも。小椋久美子と潮田玲子で、「小椋潮田」…略して、「オグシオ」だもんね。同じくバドミントン選手に、オリンピックで世界ランキング1位ペアを破った、末綱聡子・前田美順ペアがいます。「末綱前田」。「オグシオ」から、「スエマエ」の時代になっていくのでしょうか。

 主人公の少年、宗介の家では、親子がファーストネイムで呼び合っていました。
母親は、「リサ」で、声は、山口智子。父親は、耕一。声は長嶋一茂。ちなみに、ポニョの父親、フジモトの声は、所ジョージでした。日本でも、このように親子がファーストネイムで呼び合う家庭が増えているのでしょうか?(調べた範囲では、そういう調査をしている機関はありませんでした)

 ちなみに我が家も宗介くんの家と同様、ファーストネームで呼び合う家庭です。子どもたちは、家内のことを、「悦子または悦ちゃん」と呼びます。私は、家では自分のことを「ワシ(儂)」というので、子どもたちも「ワシ」と呼ぶようになってしまいました。「ワシ!ちょっと来て!」「ワシ!どこへ行くの?」という具合。家族の会話を聞いている第三者は、結構おもしろがっていますね。私としては、家族からは、「お父さん」と呼んでほしかったのですが…最近は、イヌが「お父さん」と呼ばれる時代なので…ワシでいいです。

 ともあれポニョ、海面が50mも上昇したのに、犠牲者が出ずハッピーエンド!よかった、よかった。

フレンチの食材が駆除対象?

2008年08月11日 | Weblog
  駆除用に捕獲したザリガニを盗む…! 

 環境省が、サミットが行われた洞爺湖で、特定外来生物「ウチダザリガニ」の駆除を行った。ウチダザリガニは、北米原産。食用として移入された(1920年から)もので、北海道、福島県、長野県、滋賀県、に帰化・定着している。繁殖力が強く、在来種や生態系を脅かすおそれがあるということで、環境省が駆除に乗り出している。
 カニかごによる駆除なのですが、いつも捕獲量の多い水域でも、ほとんど捕獲できないことが相次いでいる。環境省は、「販売目的で、かごから盗まれた可能性がある」としています。

 日本のザリガニは、ニホンザリガニとアメリカザリガニだけかと思っていたら、巨大ザリガニのニュースが。1975年に、中央水産試験場の職員が摩周湖で巨大ウチダザリガニを発見したという新聞記事。ウチダザリガニなどという奴がいたとは!あまりに大きいので、自動車のタイヤの上に乗せてみたら(メジャーは持って行かなかったのか?)、ハサミの先と尻尾の先がタイヤの径からはみ出て、地面についてしまったというのです。そのサイズなら、1m以上と言うことになりますかねえ。その後同じ人が、やはり摩周湖で、体長50cmのウチダザリガニを確認しています(友人が捕獲)。

 私の子ども時分は、食べ物がなかったので、(また、ひもじかった頃の回顧談かってかぁ?これは、還暦のおじさんだからこそ書けることです)ザリガニを捕ってきて、ストーブの上で焼いて食べたものです。焼けると真っ赤になって…「南部の赤ベコ」の、あの朱に近い明るい赤です。非常に美味しいものでした。殻ごとバリバリ食べましたね。ニホンザリガニだから、せいぜい体調5~6cm程度。肉の部分などありゃしない。今、ザリガニを捕って焼いて食べる子どもって…日本中を探してもせいぜい100人もいないんじゃないかなあ。その前に、ザリガニを探せないね!

 捕獲かごからウチダザリガニを盗んでどうする?「販売目的」ということは売れるのか?売れるんですよ。希少価値も加わって、高値で取引されているそう。築地に入るのはほとんどがアメリカザリガニとのこと、ウチダザリガニは貴重なのですねえ。フランス料理の代表的な料理材料で、フランス語では、「エクルビス」といいます。還暦近くなってから、「フランス料理」が、いいなあと思うようになってきました。三国シェフの店へも行きます(四谷と札幌)。私が、高級フレンチはいいなと思う理由は・・・
1 たっぷり時間をかけて食べるという贅沢
2 吟味した食材と、芸術とも言える調理
3 給仕人がホスピタリティに徹し、品がある
 但し、「高級」でなければ、上記には該当しませんよ。「フレンチ」を謳っている店でいい加減なのも少なくないですから。はとバスのコースに入っている、高級ホテルのレストランでもかなりいい加減ですから。ワインのコルクを折ってしまって別なコルクをもってきた、とんでもないレストランもありました。

 退職してから、昼食は一人寂しくいただいております。豪華なランチなのですが、食事時間は10分程度。夫婦揃っての夕食も、急ぐ必要などないのに、一生懸命食べてしまうのです。人生で、あと何回夕食を食べますかねえ。たまには、ゆったりフレンチをいただくのもいいです。

 トリュフを、おろし金のようなものでかけに来てくれるとき、私には少なくかける。公平にお願いしたい。気のせいだあ?ひがみ根性です。フォアグラやキャビアは、正直言ってあえて食べたいものではないです。養殖ですから、すでに三大珍味と言われた時代は過ぎました。キャビアなど、しょっぱいだけ。イクラの方が美味しいですよ。好みですけど。「カラスミ」…結構なお値段です。ソウルへ行くと、「カラスミを買わない奴は人間じゃない」という勢いで売ってます。味は、やはりタラコの方が上です。トリュフは…味ってあるのかないのか?ミーハーだからありがたがるけど。トリュフは養殖不能と言う意味でもありがたい。松の根っこに住みついた菌が繁殖して出来たもので、真っ黒で、グロテスクな形。土中にあるため、豚を使って探す。豚は必ずメス豚に限るそうで…。トリュフの香りは、フェロモンの一種。このフェロモンにメス豚がまいってしまうという…?

 ワゴンに、10種ほどのチーズを乗せて、「いかがですか?」と回って来るレストランもある。「ぜ、ぜ、全部!」と言った。黒服の給仕さん、ほほえみをたたえて、全ての種類を少しずつ取り分けてくれた。内心は分からないが、「このおやじ、タダなものだから全部食うという。ほいと(漢字にすると、倍堂、乞児、乞食)だなあ」などという表情をみじんも見せない。プロだなあと感心させられた。還暦パパは、そのような場合、相手の顔の筋肉の動きひとつも見逃さないのです。さげすみ(蔑み)の表情が見えたら、「文句あるのか!」と…まあ、言えませんけど…。デザートのワゴンが来たとき、家内が、「ぜ、ぜ、全部いただきたい!」って言って照れてました。直後、3種類に下方修正しましたが…食べ過ぎだって!

 ザリガニは淡水です。海水に住んでいるザリガニの仲間が、ロブスター。フランス語では、オマール。ドイツ語では、フンメル。どちらも、「ハンマー」の意味。ハサミがハンマーのように見えるから。アメリカンロブスターは、大きいものは味が落ちるからなのか安価。体長25cmぐらいのものが人気があります。体長150cmのロブスターが捕獲されたニュースが、写真入りで新聞に出ていましたが、通常は、大きいもので50cmぐらいです。
 ニュー・ヘブリデス(現バヌアツ)で食べたロブスターは、胴の身の部分の直径が7cm!それだけで満腹。頭もハサミも取ってありましたが、体長は、40~50cmぐらいでしょうか。おそらく巨大なものは、2mを超えるでしょう。見つけても、捕獲を諦めて逃げます。ロブスターには食べられたくない。

 漁師さん以外でこのことを知っているのは、私だけだと思っているのですが。ロブスターのハサミにかかわってです。では三択クイズ、正解はどれ?
1 左右とも使うことがない。餌を採るのは口元の小さな顎脚。
2 左右とも使うが、同じ用途。
3 片方はハンマーの役目、もう片方は鋏の役目と、左右で役目が違う。

 正解は、「3」です。下等な生き物だと思っていたロブスター。左右のハサミに分業させている。これは凄いです。人間だって左右同じ用途なのに・・・。