甲府戦の敗戦から2日。傷心のボクに、ようやく職場の仲間も声をかけるようになりました。「八百政さん、甲府戦……残念だったね」「やっぱり甲府まで行ってきたの?」「甲府ってJ2に落ちるんでしょ?そこに0-3?」いろいろ言われても、ようやく余裕の笑顔を見せながら笑い飛ばせるまでボクの心も復活いたしました。
しかしまぁ、G裏からペットボトルを投げ入れた輩がいたり、「ふざけるな」「金返せ」「やる気あるのか」なんていう怒号が回りから聞こえたり、小瀬のアウェイG裏は随分荒れておりました。はるばるアウェイまでお金を使って出かけて、格下のチーム、しかもハーフナーマイク抜きの甲府に一方的にやられたわけなんで、そりゃぁ気持ちは分からないではないですけどね。テレビで観戦していた皆さんも、見ていてさぞがっかりしたゲームであったことは間違いないです。ネット上でもずいぶん荒れております。
そんなサポーターの言動を受け、村上選手が自身のブログで「やる気のない選手なんていない」と反論したり、一方では新潟日報のインタビューでウッチーが「そういう(気持ちの部分で甲府との差があった)選手が一人でもいればいまくいかない」と、選手の精神面の弱さを吐露したり、選手の精神的な面もさまざまなようであります。
さて、必死でアルビレックスを応援すればするほど、サポーターは勝敗に一喜一憂することになります。ボク自身もそうです。だから「ふざけるな」「金返せ」「やる気あるのか」と声に出して不満を露わにするサポーターの気持ちが、ボクもよくわかります。やっちゃいけないことだけど、ペットボトルを投げ入れたい気持ちも理解できないわけじゃない(でもこの人は実に精神的に未熟な人だと思うけど)。
だけどボクらサポーターって、どこまで選手に勝利を求める権利があるんでしょうね。村上選手が言うように、「やる気のない選手なんていない」っていうのは真実だと思います。極限までトレーニングを積み、最高のパフォーマンスを観客に見せるために努力を続けているプロサッカー選手が、全力で戦い抜いている結果が、ボクらの前で繰りひろげられているあのゲームなのです。確かにボクらはお金を払ってチケットを買い、バスツアーの代金を払ってアウェイまで時間とお金を使って出かけています。しかし、だからって選手を叱りつけたり罵倒したりする権利があるんでしょうか。それはきっと「似非(えせ)サポーターの傲慢さ」なんだとボクは思っています。もちろん、心情的にはわかりますけどね。
ボクはこれからも試合結果に一喜一憂し、盛り上がったり落ち込んだりするだろうけど、基本的には「少なくともスタジアムでは、穏やかな温かい気持ちで選手を応援するサポーターでありたい」と思っています。そりゃぁチームが勝つにこしたことはない。負けたにしても根性と気合いのあるゲームを見せてほしい。だけど、時にはダメダメなゲームもあるし、無様な敗戦を喫することだってあるにきまっています。人間だもの(by相田みつを)。そんな時でも、一瞬は怒るかもしれないけれど、基本的には選手に声援と応援をし続けるサポーターでありたいと思っています。勝ちゲームも負けゲームも、栄光も屈辱も、みんなひっくるめて「地元にサッカーチームがある幸せ」「サポーターとして選手と共に闘える幸せ」なんだと思います。
「ゆるいサポーター」と言われるかもしれないけど、そういうタイプのサポーターって必要なんじゃないですかね。もっとも、仲間とお酒を飲みながらサッカー談義に花を咲かせたりする時には、当然のことながら好き勝手な持論を展開しますけどね。